週刊「印刷雑誌」

11巻 22号 2020年6月8日
Japan Printer weekly vol.11, no.22

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

 

●印刷をたのしむ

大日本印刷,グラフィックギャラリーをVRで

大日本印刷は,独自のVR(仮想現実)技術を活用し,同社のグラフィックデザインの専門ギャラリー「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」の展示空間をバーチャルに体験できるVRコンテンツを制作した。6月1日より公開している。
同ギャラリーの企画展のひとつとして毎年開催している「TDC展」は,東京タイプディレクターズクラブ(東京TDC)が主催し,タイポグラフィ中心の国際アニュアルコンペティション「東京TDC賞」の受賞作品,ノミネート作品などを展示している。今年は,会期を延長しているが,6月22日に展示会を開始する予定。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/tdc2020pvr/index.html

ひけしや,絵本仕様のフォトブック用デザイン

アプリ開発を行う(株)ひけしやが手掛ける,スマホで作れるフォトブックアプリ「Mags Inc.」は,絵本みたいな仕上がりが特徴の「BOARD BOOK」に新デザイン「FreeSpace」を発表した。BOARD BOOKは子供の絵本などで利用されている,固い厚紙を貼り合わせて作った本で,表面はPP加工。FreeSpaceは,人物写真のほか,趣味の作品集やイラストをまとめたりできる。B5判12ページで3480円など。6月12日まで500円(税別)オフで提供している。

大日本印刷,「もったいないばあさんプロジェクト」に参画

大日本印刷は6月5日,アニメーションや絵本などの『もったいないばあさん』シリーズ(真珠まりこ著,講談社刊)のコンテンツを通じて,子供を中心に世界の全ての人々が,持続可能な社会の実現について考えるきっかけをつくる「もったいないばあさんプロジェクト」に参画すると発表した。この人気絵本シリーズ4作品をアニメーション化して,日本語,英語,フランス語,スペイン語,中国語,ヒンディー語の6つの言語に吹き替えて無料配信する。
なお大日本印刷,こども国連環境会議推進協会,丸善雄松堂は6月24日,SDGsや「MOTTAINAI」に関して登壇者の話を聞き,考えるオンラインワークショップを開く。社会人1500円,学生800円,小中高生500円。
https://junec.gr.jp/sdgs100ninkaigi/

キンコーズ・ジャパン,紙から動画作成サービス

国内57店舗を中心に,オンデマンドによる印刷サービスを提供するキンコーズ・ジャパンは,撮影しないで手持ちのチラシやパンフレットなど紙媒体の素材から30秒までの動画を作成する「チラシde動画」サービスを販売している。入稿形式はai(Illustrator),納期の目安は14営業日,そのほか構成案,BGM 1曲,編集(絵コンテ確定後の修正回数2回まで)がある。10万円。

プリントパック,飲食店へチラシ100枚無料進呈

プリントパックは集客に苦労している飲食店を応援するため,ポスター無料進呈やのぼりの特別価格を行ってきたが,6月15日まで,テイクアウト,宅配,弁当用の中から好きなデザインのチラシ100枚を1日300人まで無料進呈している。デザイン代・印刷代・送料すべて無料で,100枚以上は特別価格で提供。

大日本印刷,自宅学習支援サービス無償提供

大日本印刷は,自宅学習推進を支援するため,東京都教育委員会推奨の教材である「東京ベーシック・ドリル」を用いた自宅学習支援サービスを,東京都の自治体向けに8月31日まで無償提供している。教員は,個々の児童・生徒の自宅での学習結果を,同社の学びのプラットフォーム「リアテンダント」の画面上で見ることができ,自宅学習時のメールや電話でのフォロー,分散登校時のアドバイスや学習状況を踏まえた授業準備などに活用できる。

富士ゼロックス,駅のワーキング空間に抗ウイルス

富士ゼロックスは6月1日,東京メトロ駅構内に設置したテレワークを活用した働き方改革を支援する個室型ワークスペース(10駅19ヵ所)で,銀系無機抗菌剤を使用した抗菌コーティングを施したと発表した。手すりや机の表面などを介した間接的な接触によるウイルス感染を抑止するため,抗菌・ウイルス対策に有効な銀と酸化チタンを結合した材料を使った。設置個所は今後も順次拡大予定。

企業メセナ協議会,新型コロナ禍での芸術文化活動のアンケート調査

企業メセナ協議会は,ニッセイ基礎研究所と共同で協議会会員企業・団体を対象に「新型コロナウイルス感染症による企業メセナ活動への影響に関するアンケート調査」を行い,6月3日,結果を発表した。概要は,(1)メセナ活動に影響がある企業・団体は7割,(2)収束後は「時期や方法について慎重に検討したうえで再開させたい」が過半,(3)ほぼすべての回答企業がコロナ禍での芸術文化活動への支援を「必要だと思う」,(4)感染拡大にかかわらずメセナ活動を従来どおり継続またはウィルスの影響を視野に入れた活動を検討する企業・団体が多数,(5)終息後,文化芸術の社会的な役割や存在価値が高まると答えた企業が多数。

日本HP,デジタル技術で感染対策を提供

日本HPは6月3日,新型コロナウイルス感染症に対し同社のリソースを活用した各種取り組みを発表した。人工呼吸器バルブ,呼吸フィルター,フェイスマスクの留め具,ひじで簡単かつ衛生的にドアを開けることができるハンズフリードアオープナーなど世界で230万個以上の部品を生産した。デジタル印刷機を使って製作した5万個のフェイスシールドを地域の病院に提供した。クラウドアプリケーションを使って設計情報を利用者に共有することで,世界各地でフェイスシールドの製作を可能にした。
自宅学習向け印刷素材「PRINT AND PLAY」を日本語化してWebで公開しており,塗り絵,パズル,ペーパークラフトなどの素材をプリンターで印刷し,家での時間を楽しむことができることもサポートしている。

●プロの世界

凸版印刷と京都大学,アート思考の手法で人財育成支援

凸版印刷と京都大学は6月1日,アーティストの思考論理をフレームワーク化し,ビジネス状況における新たな発想に結びつける思考法「アートイノベーションフレームワーク」を開発したと発表した。同大学の土佐尚子特定教授監修のもと,アーティストが作品を生み出す際の思考ロジックを基に,その作品作りのプロセスを5段階に分けてビジネスシーンに応用し,全く新しい価値を生み出すことを目的とした思考法。今後,本フレームワークを活用した人財育成プログラムで創出されたアイデアの具体的事業化を目指す。また,新たに開発された「アートイノベーションフレームワーク」を活用した人財開発プログラムの外販についても検討を進める。

リコー,産業用インクジェットヘッドの新製品発売

リコーは6月1日から,産業用インクジェットヘッド「RICOH TH5241」の受注を始めた。同社として初めて薄膜ピエゾアクチュエーターを搭載し,320×4列の1280ノズルを配列。最大出力解像度は1200dpi。4列のノズル列のインク流路を分離しており,1ヘッドで4インク吐出が可能。インクはUV,溶剤,水性に対応している。外形寸法は幅52.7×奥行45.4×高さ55.4mm。

共同印刷,アルコール対応アルミ積層フィルム発売

共同印刷は6月2日,アルコール成分の浸透によってデラミネーション(層間剥離)を起こさず,安全に高濃度アルコール(エタノール)が充填できる食品・飲料向けのアルミ積層構成フィルムを開発し,提供を始めたと発表した。アルミ積層部のラミネート強度を低下しづらくする独自技術により,アルコールがもとでの層間剥離を解決した。

大日本印刷,オンライン診療用色補正サービス開始

大日本印刷は6月5日,オンライン診療向けに「画像補正サービス」の提供を始めると発表した。患者は自宅で1cm角程度の小さいカラーチャート「CASMATCH」を頬などに貼って撮影すると,専用サーバーがカラーチャートの色を基準に画像の色調を調整し,病院にいる医師が患者の顔色や患部の色などを適正に見て,診断に役立てることができる。
カラーチャートは,映像を作る際に正確な色が再現できているかを判定する“色の基準”であり,同社が製造するカラーチャートは1960年代初頭のカラーテレビの誕生とともに生まれ,テレビ放送の業界標準として現在も使われている。

電子出版制作・流通協議会,会長に凸版印刷山口役員

電子出版制作・流通協議会は5月19日,書面にて総会を行った。浅羽信行氏(大日本印刷常務執行役員)が任期満了で会長を退任し,新たに山口拓哉氏(凸版印刷執行役員)が会長に就任した。

●印刷・デザイン・出版関連イベント案内

6月21日応募締切,日本グラフィックサービス工業会が年賀状デザイン作品募集

日本グラフィックサービス工業会は,2021年向け年賀状デザインコンテストを行っている。「カラー部門」「モノクロ部門」「学生部門」「喪中案内部門」の4部門あり,募集締切は6月21日。賞金総額は70万円。選出した優秀作品は同工業会会員企業の年賀状ビジネスに同会員企業が無償で活用できる。
https://www.jagra.or.jp/nenga2021/

7月29~31日,大阪で「生産システム見える化展」「自動化・省人化ロボット展」

日本能率協会は7月29~31日,大阪・南港のインテックス大阪で第12回「生産システム見える化展」を開く。自動化・省人化ロボット展をはじめ計14の展示会のうちの一つ。入場料は3000円(事前登録で無料)。
https://www.jma.or.jp/mente/outline/seisan.html

8月28日まで,UCDAが2級講座・ガイダンス

ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)は第三者が客観的に「わかりやすさ」を保証する「UCDA認定」を行っている。無料の「UCDA2級ガイダンス」を次の日程で行う。東京:6月12,26日,7月3,10,17,31日,8月7,21,28日。大阪:7月22日。
https://ucda.jp/shikaku/guidance_second.html
また「UCDA認定2級講座」を次の日程で行う。東京:7月2,9,16,30日,8月6,20,27日。大阪:8月18日。参加費55,000円。
https://ucda.jp/shikaku/qualification_second_class.html
また「UCDA認定2級更新ガイダンス」を次の日程で行う。更新料12,000円。東京:7月3,10,17,31日,8月7,21,28日。大阪:6月19日,7月22日。
https://ucda.jp/shikaku/guidance_second_update.html

11月26・27日,ビッグサイトで気候変動・災害対策Biz展

日本経済新聞社と日経BPは11月26・27日,有明の東京ビッグサイト南1・2ホールでSDGs Week 同時開催展の第2回「気候変動・災害対策Biz 2020」を開く。気候変動を抑止するための環境・再エネ関連技術と,防災・減災に役立つ製品やソリューションを紹介する。
https://messe.nikkei.co.jp/cc/

 

 

◆月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2020年6月号【 特集:地方創生Ⅱ―印刷企業の差別化戦略6 】(5月20日発行)
地元の人々、企業、自治体などでの困りごとや要望はそれぞれ異なりますが,その要望に応えるための要素は、多くの地場の印刷企業に備わっているのではないでしょうか。
今月号は、ホウユウから堺市を盛り上げる各種事業を、三洋グラビアからSDGsを基にした取り組みを、みやもとから業態変革とCSR関連の取り組みやSDGsの考えを、第一印刷所から地域活性のための商品開発を、進和ラベル印刷からラベルコンテストとワイン造りの関係を、また特色のある取り組みとして、ワークフローの自動化推進で工程改革をしている若草印刷や、サービス商品を絞って利益を上げているP’sネットワークを紹介します。

https://www.japanprinter.co.jp/monthly_magazine/202006/

 

 

 

週刊「印刷雑誌」

編集     古性基樹
編集・発行人 中村幹
発行所    株式会社印刷学会出版部

 

 

 

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