週刊「印刷雑誌」

16巻 17号 2025年4月28日
Japan Printer weekly vol.16, no.17

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日(休日の場合,火曜日)発行しています。

 

■印刷をたのしむ

岩波書店,『カラー版 本ができるまで 増補版』発行

岩波書店は4月18日,『カラー版 本ができるまで 増補版』を発行した。美しく,丈夫で読みやすい本を作るためにどんな工夫がされているのか。印刷業界のデジタル移行期に刊行された初版から約20年。大きな変革を支えた技術者たちの声から当時を振り返りつつ,今なお引き継がれている本作りへのこだわりを紹介する。新書判,234ページ。1320円。

ダイヤモンド社,『情報メディア白書2025』発行

ダイヤモンド社は4月23日,『情報メディア白書2025』を発行した。巻頭特集は「メディアの大変革期,未来を形作る新たなコミュニケーションの地平」。情報メディア産業13業種の基礎データや最新動向について600点超の図版で解説したほか,2025年に注目すべきトピックスを掲載。電通メディアイノベーションラボ著。A4判,272ページ。1万7600円。

友野印刷,アップサイクル再生紙利用の事業開始

友野印刷(岡山県)は4月21日,廃棄される食品や木材,糸くずなどから作る「アップサイクル再生紙」を活用した印刷物やノベルティなどの制作事業を始めたと発表した。企業や団体ごとに特定の素材を使用し,独自の再生紙やペレットを作成でき,環境負荷を低減しながら企業の環境配慮型ブランディングの強化に貢献する。

高速オフセット,法人向けトレーディングカード作成サービス開始

高速オフセットは4月22日,法人向け「トレーディングカード化応援サービス」を始めたと発表した。商店街や商業施設,観光地などの周辺施設を記載した回遊施策や,1枚ごとのナンバリングによるプレミア感,クーポン付きカードでのリピーター獲得などの効果が期待でき,メタリック加工などでレアカードのパターンも作成可能。テンプレートデザインの利用や,写真撮影,イラスト作成,カード全てのデザイン代行にも対応する。

モリサワ,Webフォント機能拡充

モリサワは5月12日,書体のサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」のWebフォントプランに,役割ごとに権限制御や,プロジェクト作成数が無制限になる,プロジェクトアクセス制御の機能を追加する。またWebフォントに,従来プランより基本PV数やプロジェクト数などを限定することで価格を抑えた「Webフォント Lite」プランを追加。両プランとも年契約と月契約が選べる。選択できる書体に,ヒラギノフォントや写研フォント,秀英体ファミリーなどを追加し,既存書体「みちくさ」「澄月」では縦組みのさいに文脈を考慮した連綿体の設定が可能になった。Webフォント Liteが25万PV/月で2750円,300万PV/年で3万3000円。

ダイナフォント,65書体を追加

ダイナコムウェアは4月18日,書体ブランド「ダイナフォント」の年間ライセンス「DynaSmart」に65書体を追加した。追加書体は,伝統的な楷書に鷹が天空を駆け抜けるような印象を与える筆致を取り入れた「翔鷹楷書(しょうようかいしょ)」,紙とデジタル双方で読みやすいゴシック体「金剛黒体」の繁体字中国語と韓国語などの新ウエイト,西洋のカリグラフィーと東洋の漢字の金文を融合した「金花体」のTrueType版など。

TOPPANホールディングス,万博で未来の部活体験開催

TOPPANホールディングスは5月4~6日,東京書籍と共同で大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン リボーンステージ」で参加型ステージイベント「ミライブカツinリボーンステージ」を開く。従来の枠にとらわれない部活動型の新しい学びの体験プログラムで,eSports部では格闘ゲームを題材にプロプレイヤーの指導や全国チームとのエキシビションマッチを行い,Art & Creative部では高校生とプロクリエイターが協力して即興表現やアニメーションなどのライブドローイングを行う。

EIZO,低消費電力の24.1型モニター発売

EIZOは5月22日,24.1型WUXGA(1920×1200)解像度の液晶モニター「FlexScan EV2410R」を発売する。従来機種から27%消費電力を削減した8Wで使用でき,2ポートのUSBハブを4ポートに増設した。また,外装に再生プラスチックを50%以上使用,梱包材にも再生紙素材を使い,環境配慮の取組みを強化している。参考価格6万1600円。

大日本印刷,市谷でライトアニメ展

大日本印刷は7月31日まで,東京・市谷のDNPプラザで「ライトアニメ:創れ!漫画の新次元」展を開いている。漫画原稿をそのまま使用し,キャラクターやパーツなどを切り出して色や動きを加えることで,アニメ制作の期間とコストを大幅に抑える同サービスを使い,実際にテレビ放映した作品や放映予定の作品を紹介する。

TOPPAN,5月3~18日に大阪で公園あそびの体験型企画展

TOPPANは5月3~18日,大阪・うめきた公園の体験型施設「PLAT UMEKITA」で企画展「PLAT PICNIC LAB.2025」を開く。ピクニックをテーマに,工業製品デザインを中心にモノづくりやコトづくりを通して,デザインスタジオやサウンドアーティストと開発した「あそび」のプロトタイプを実践し,都市公園の新しいピクニックのスタイルを提案する。
https://platumekita.com/exhibitions/plat-picnic-lab-2025/

大日本印刷,万博でテクノロジーの体験イベント開催

大日本印刷は5月2~3日,大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン リボーンステージ」で体験イベント「Come Together!:未来はいろいろな輝きに満ちている DNPのテクノロジー」を開く。生成AIで作るオリジナル動物アート体験や絵本の読み聞かせ会,メタバース空間での京都・伏見稲荷大社の参拝や,同社の社員と家族が構成する音楽団体と大阪大学の学生団体とのコラボレーションコンサートを行う。

細山田デザイン事務所,活版とリソグラフのショップ開店

細山田デザイン事務所は4月27日,栃木県・那須塩原市に活版印刷とリソグラフグッズの店舗「レタープレスレターズ黒磯」を開店した。同社の活版ブランド商品をはじめ,世界の活版印刷スタジオ,リソグラフスタジオのカード,ポスターやアートブックなどデザイングッズを取り扱うほか,ワークショップや海外の活版印刷機の見学も行う。

 

■プロの世界

小森コーポレーション,菊半裁寸延オフセット枚葉機発売

小森コーポレーションは4月22日,菊半裁寸延オフセット枚葉機「LITHRONE GX29 advance」を発売したと発表した。最大紙寸法610×750mmに対応し,透明フィルム原反や蒸着紙などの特殊紙にも印刷でき,フィーダー・デリバリー,給水装置,オペレーティングシステムを強化。高速生産,メイクレディ時間の短縮,損紙を低減したほか,KP-Connect Proでプリプレス,プレス,ポストプレスをつなぎ生産工程全体を最適化した。

ミマキエンジニアリング,Roll to Rollプリンタ発売

ミマキエンジニアリングは4月,エコソルベントインク搭載Roll to Rollプリンタ「JV200-160」(最大印刷幅1610mm),「JV200-130」(最大印刷幅1361mm)を発売する。CJV200シリーズのプリント専用機で,サイングラフィックス市場向けに販売する。プリント速度が17m2/hで,臭気を約40%低減し,使用規制が強化されているGBLを含まないSS22インクに対応。インクセーブや,自動メディア調整,ノズルのリカバリ機能を持ち,デザインデータ作成ソフトを標準添付する。JV200-160が170万円,JV200-130が160万円。

エプソン,DTF専用プリンター発売

エプソンは5月20日,DTF(Direct To Film)専用プリンター「SC-G6050」を発売する。印刷速度は標準モードで5.6m2/時,高画質モードで3.4m2/時。自動メンテナンス機能や1.6Lのインクパック,オートカッター機能を搭載する。228万円。

コニカミノルタ,B2判UVインクジェット機発売

コニカミノルタは,B2判HS-UVインクジェット印刷機 「AccurioJet30000」を今年度上期内に発売する。RIP時間の削減機能や,印刷ジョブのRIPを前日の夜間や隙間時間などに実施できるPre-RIP機能を搭載。従来機種の「AccurioJet KM-1/KM-1e」シリーズの乾燥工程が不要のHS-UVインク対応を踏襲し,印刷中に自動で高精度の全数検査を行う検査ユニットを搭載するほか,印刷機の状態をリモートで分析し,安定したコンディションを維持する。

SCREENグラフィックソリューションズ,デジタルラベル印刷機国際認証を取得

SCREENグラフィックソリューションズは4月22日,UVインクジェットラベル印刷システム「Truepress LABEL 350UV SAI S」が,インクジェットデジタル印刷機の認証プログラム「Digital Press INKJET認証」を取得したと発表した。同認証は印刷の国際規格の認証制度のひとつで,同印刷機は最も広い色域のCRPC7基準でUVインクジェットラベル印刷機として世界初の認証を取得した。

ミマキエンジニアリング,プリンタとインクが品質保証プログラム認定

ミマキエンジニアリングは4月18日,大判プリンタ330シリーズとそれらに搭載するエコ溶剤インクSS21が,グラフィック完成品の保証プログラム「3M MCS」に認定されたと発表した。同認定は,色褪せ,ひび割れなどや,想定される寿命に対して耐用年数を保証する。認定されたプリンタは「JV330-130/160」「CJV330-130/160」。

印刷工業会,5月21日に総会

印刷工業会は5月21日,オンラインと東京・新富の日本印刷会館で総会と理事会を行う。

5月8日,22日,ミリアドが自治体への営業セミナー

ミリアドは5月8日,22日,「紙×デジタルで自治体から仕事を取る方法と活用事例」をテーマにオンラインセミナーを開く。デジタルをフックにした自治体からの印刷受注の成功事例を紹介しながら,アプローチにおける考え方などを解説する。参加無料。
https://biz3-jp.fujifilm.com/seminar_miliad_20250508-0522.html

swissQprint Japan,5月26~30日に新横浜でオープンハウス開催

swissQprint Japanは5月26~30日,新横浜の同社でフラットベッドプリンタ「Nyala5」を紹介するオープンハウスを開く。第五世代モデルとなるNyala5は前世代型より23%高速化され,10の構成可能なカラーチャンネルを備える。要事前予約。問合せは同社(電話045-624-9991)。

日本印刷学会,6月11日にグラビア基礎講座

日本印刷学会は6月11日,グラビア基礎講座「グラビア印刷,基礎からトラブル対処まで」をオンラインで開く。フィルム(基材),機械,製版,インキにおける基礎(原理・用語解説)やトラブル対処について学ぶ。定員200人。参加費は,会員4000円,非会員6000円,学生・教職員1000円。
https://www.jspst.org/event/250611.html

■印刷・デザイン・出版・イメージング関連イベント案内

5月10日まで締切延期,造本装幀コンクール作品募集

日本書籍出版協会と日本印刷産業連合会が主催する第58回「造本装幀コンクール」は,5月10日まで作品募集締切を延期した。出品料は1点につき6050円。
https://www.jbpa.or.jp/zohon/zohon-index.html

5月15日申込み締切,国際ユニヴァーサルデザイン協議会が初級UD検定

国際ユニヴァーサルデザイン協議会は6月11~18日,「UD検定・初級検定試験」をオンラインで行う。講習は5月20~29日,5月31日~6月9日に行う。検定料金は6050円。申込締切は5月15日。
https://www.iaud.net/ud_certification/24911/

5月14~16日,パシフィコ横浜で化粧品産業技術展

日本化粧品原料協会連合会は5月14~16日,パシフィコ横浜で化粧品の素材,技術,サービスの「第12回化粧品産業技術展」を開く。入場無料(事前登録制)。その中で大光印刷は,加飾技術や印刷方式による損紙削減,セパレーターのリサイクルボックス,印刷から包装までの一本化を提案する。
https://www.citejapan.info/

5月31日,日本出版学会の春季研究発表会で角川歴彦氏の講演

日本出版学会は5月31日,東京の専修大学神田キャンパスで春季研究発表会を開く。KADOKAWA元会長の角川歴彦氏が「人質司法をなくすために」をテーマに特別講演を行う。参加費は,会員1000円,一般2000円,学部生無料。
https://www.shuppan.jp/event/2025/04/15/3310/

6月11~13日,日本画像学会がオンラインと東京工業大学で年次大会

日本画像学会は6月11~13日,オンラインと横浜市の東京工業大学すずかけ台キャンパスで「日本画像学会年次大会:Imaging Conference JAPAN 2025」を開く。参加費は,会員1万2000円,30歳未満個人会員6000円,非会員2万3100円(30歳未満1万5400円),学生2000円。
https://www.imaging-society-japan.org/conference/ICJ2025S/wp-content/uploads/2025/04/ICJ2025program_250417.pdf

6月26日,DICカラーデザインがミラノデザインウィーク分析セミナー

DICカラーデザインは6月26日,オンラインと東京・日本橋のDICで「Milan Design Week 2025 最新トレンド分析セミナー」を開く。イタリアで開かれたデザインウィーク展から現地取材を通じて価値観,ブランド戦略,カラー&マテリアルのトレンドを分析する。DICの会場では素材や技術展示コーナーを併設する。定員はオンライン450人,会場100人。参加費は1万6500円。
https://dcd20250626.peatix.com/

 

 

次回の週刊「印刷雑誌」は,5月12日の発行になります。
何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2025年5月号【 特集:パッケージの周辺 】(4月18日発行)
今月号は、パッケージの周辺として、カートカン、ラミネート技術、大手印刷会社のパッケージ各種技術の3件を特集として取り上げました。

2025年5月号

 

週刊「印刷雑誌」

編集     古性基樹
編集・発行人 中村幹
発行所    株式会社印刷学会出版部

 

 

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