週刊「印刷雑誌」

15巻 9号 2024年3月4日
Japan Printer weekly vol.15, no.9

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
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■印刷をたのしむ

高速オフセット印刷,綿配合用紙への印刷で東北支援

高速オフセットは2月27日,綿花の茎繊維を配合した用紙「東北コットンCoC」への印刷を始めた。東日本大震災の津波被害により稲作などが困難になった農地で栽培した綿花の茎繊維を,森林認証パルプと混ぜ合わせ用紙に印刷をする。

開伸,片手で開封できる小袋包装を発売

クリアパッケージ製造を行う開伸は,使い切りの化粧品や食品を片手で開封できる「Vパック」の小袋包装「Vパックカードタイプ」を2月に発売した。容器をつまんでV字に折り曲げることで中央部分を開封できる。薄型のカードタイプにしたことで携帯性を高め,アルミ箔の包装材でバリア性と遮光性,内容物の品質保持を強化した。内容物を充填できる専用機を導入するプランと,同社で充填まで行うプランが選べる。

ウェルファーマ,犬猫用オイルのラベルにペット写真の印刷サービス開始

サプリメントや化粧品を販売するウェルファーマは2月27日,犬猫用のストレスやてんかんケア用オイルの定期便利用者に,ペットの写真を商品のパッケージラベルに印刷するサービスを始めた。

シーレックス,卵の殻から作ったラベルが鶏卵のパッケージに採用

シーレックスは2月15日,鶏卵の殻を原料として再利用したシール「卵からラベル」が鶏卵パッケージ「富士名水の赤玉」に採用されたと発表した。同ラベルは微粉末化した卵殻を51%配合したバイオマスプラスチックをラベルの基材とし,ラベルにアップサイクルした。

TOPPANホールディングス,漁業DXソリューションの実証実験

TOPPANホールディングスは,沖縄のモズク生産の効率化を目的とした漁業DXソリューションの実証実験を6月末まで行っている。うるま市の勝連漁業協同組合と協力し,生モズクの重量管理アプリと品質判定AIアプリで,出荷増量やブランド化の推進と同時に,人手不足や後継者不足などの課題解決に取り組む。

大日本印刷,大宮駅で試食もできるショールーム店を開店

大日本印刷とJR東日本クロスステーションは3月1~24日,JR大宮駅構内のエキュート大宮で商品やサービスを体験できるショールーミング店舗「アンドファウンド」を開く。12ブランドの商品やサービス,食品などを試食・試飲できるほか,一部の商品を購入できる。店舗ではディスプレイ上のアバターが接客を行う。

東芝テック,伊豆の水族館で複合機活用のイベント実証実験

東芝テックは3月9日,三津シーパラダイスで,複合機を活用した「たんけんずかん作成サービス」の実証実験を行う。館内を周遊しながら未完成の図鑑を完成するイベントで,図鑑をその場で必要な分だけオンデマンド印刷することで,配布物の在庫や廃棄を減らすとともに,集客状況や来館者の反応をリサーチする。

富士フイルムBI,セブンイレブンのコピー機でシェア型写真プリント開始

富士フイルムビジネスイノベーションは,セブンイレブンのマルチコピーアプリでフレームなどを選び,店舗のコピー機で写真をプリントできる「シェアプリント」を2月29日から始めた。2LもしくはLサイズから好きなフレームや背景色を選びプリントでき,フレームの中央線に沿って分割すると写真のシェアができる。Lサイズ200円,2Lサイズ300円。

モリサワ,ワンダーシェアーソフトウェアの動画編集ソフトにフォント提供

モリサワはワンダーシェアーソフトウェアの動画編集ソフト「Filmora」へのフォント提供を1月から始めている。同社の日本語や欧文,ハングルフォントなど20書体が動画のテロップや字幕に使用できる。両社はパートナーシップを結び,今後ワンダーシェアーソフトウェア開発のソフトに同社のフォントが提供される。

モリサワ,シンガポール向けフォントサブスクサイト公開

モリサワは2月29日,フォントのサブスクリプション「Fonts Morisawa」の英語インターフェースに対応したシンガポール向けサービスサイトを公開した。5月31日までシンガポールの新規購入者に10%OFFキャンペーンを行っている。

イメージナビ,フォントの割引セール

イメージナビは,フォント販売サイト「デザインポケット」で書体の割引セールを3月31日まで行っている。同人誌やwebマンガなどに適した20書体セットが5980円,イワタ書体ライブラリーのほぼ全品が20%OFFほか,各種書体が割引対象。

ファインワークス,名刺印刷の割引セール

ファインワークスは,オンデマンド印刷名刺の割引セールを4月30日まで行っている。環境対応紙が100部以下の注文に限り50%OFFのほか,オンデマンド印刷の名刺が全品10%以上の割引となる。

高田氏が佐藤敬之輔賞

モリサワが提供する「UDデジタル教科書体」などの開発を担当した書体デザイナーの高田裕美氏が,日本タイポグラフィ協会による第23回「佐藤敬之輔賞」(個人部門)を受賞した。子供の学びを支援するUD(ユニバーサルデザイン)フォントの開発と普及に貢献したことなどが評価された。

■プロの世界

SCREEN,輪転インクジェット印刷機の新製品発表

SCREENグラフィックソリューションズは2月6日,商業印刷や出版印刷での市場ニーズへの対応を図った輪転インクジェット印刷機「Truepress JET 560HDX」を発表した。用紙幅560mm,最大印刷速度150m/分,最大印刷解像度1200×1200dpiにおいて,複数モードでの印刷が可能。搭載する新開発のインク「Truepress ink SC2」は,オフセットコート紙に表面処理なしで直接印刷できる高濃度インク。新構造のドライヤーユニットは,高いインク濃度の印刷物を効率的に乾燥させることができる。

EIZO,12.1型産業用途向けモニター発売

EIZOは,産業用途向け12.1型液晶モニター「DuraVision FDX1204」を4月17日に発売する。入力端子を前機種のDVI-Dから,DisplayPortとHDMIに変更した。500cd/m2から0.5cd/m2までの広い調光範囲と,異物侵入防止のため上部の通気孔を廃した。

グラフィック,4商品で本機校正サービスを追加

グラフィックは2月26日,本機校正サービスに「6色RGB印刷」「広色域印刷」「擬似特色」「ワイドマルチカラー印刷」を追加したと発表した。本印刷と同様の印刷機,インキ,用紙を使用して校正刷りを行い,1部から利用可能。校正料金は1540円~1820円。

OSPホールディングス,国連グローバル・コンパクト参加企業に登録

OSPホールディングスは1月,国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト」の参加企業として登録された。また日本のローカルネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」に加入した。国連グローバル・コンパクトは,企業や団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することで,社会の良き一員として行動し,持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組み。

訃報:北島義俊氏(きたじま・よしとし)

老衰のため,2月13日死去。90歳。大日本印刷(株)代表取締役会長 ,日本印刷産業連合会 初代会長。通夜及び葬儀は近親者のみにて執り行われた。後日,「お別れの会」を行う予定。

■印刷・デザイン・出版・イメージング関連イベント案内

3月5日,日本印刷技術協会がオンラインとリアルでpage2024の報告セミナー

日本印刷技術協会は3月5日,オンラインと東京・中野富士見町の同協会で「page2024から読み解く印刷の未来」をテーマにセミナーを開く。page2024の総括として基調講演・カンファレンスについての報告,印刷業界トレンドとデジタル印刷の技術動向,クロスメディアとビジネスソリューションについて報告する。参加費は,会員1万1000円,一般1万5400円,印刷総合研究会メンバー無料。
https://www.jagat.or.jp/pri240305

3月6日,UCDAがオンラインでパッケージのセミナー

ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)は3月6日,「“伝わるパッケージ”解説講座」をテーマにオンラインセミナーを開く。UCDAアワード各賞の歴代受賞パッケージ紹介や食品や医薬品メーカーの「伝わる」事例などを解説する。参加無料。
https://ucda.jp/pms_u_katsu_form.html?sid=286

3月11日,日本出版学会が専修大学で書籍『検閲官のお仕事』のトークセッション

日本出版学会は3月11日,東京の専修大学神田キャンパスで「『検閲官のお仕事』(みすず書房)を読む」をテーマにトークセッションを開く。検閲の比較史に取り組んだ同書の訳出を記念し,訳者が読みどころを語るとともに,出版史研究者のトークセッションを行う。参加無料。
https://www.shuppan.jp/event/2024/02/23/2960/

3月11日,日本画像学会がオンラインコミュニケーションのセミナー

日本画像学会は3月11日,東京・品川のコクヨTHE CAMPUSで「オンラインコミュニケーションの普及とこれから」をテーマに,第43回フリートーキングImaging Todayを開く。オンラインコミュニケーションの普及によるオフィス環境の変化やビデオONとビデオOFFの影響検証などを解説する。定員40人。参加費は会員3000円,学生1500円,非会員5000円。
https://www.imaging-society-japan.org/www/jp/event_menu/free-talking-imaging-today/2023_maging-today_43/

3月12日,DNPプラザでフォトグラファーと能楽師のトークイベント

DNPメディア・アートは3月12日,東京・市谷のDNPプラザ内「表現工房」で4月12日まで開いている企画展「面と向かう」でトークイベントを行う。フォトグラファーの渡邉肇氏と能楽師の辰巳満次郎氏が,展示している作品制作の意図や撮影現場でのエピソードなどを語る。定員80人。参加無料。観覧応募締切は3月11日。
https://dnp-plaza.jp/CGI/event/reservation/detail.cgi?seq=0001278

3月12~28日,大阪・東京・愛知でデンソーのロボット展

デンソーは同社のロボット技術のデモンストレーションやセミナーを行う「DENSO Robotics Expo 2024」を開く。会場は3月12・13日に京セラドーム大阪,3月21・22日に東京都立産業貿易センター浜松町館,3月27・28日に愛知の刈谷市産業振興センター。
https://www.denso-wave.com/fsys/ja/robot/event/drex2024/drex2024.html

3月15日,日本出版学会がオンラインとリアルで新業態書店のセミナー

日本出版学会は3月15日,オンラインと東京の専修大学神田キャンパスで「本屋の新しい業態研究:シェア型本棚と公営書店(八戸ブックセンター)」をテーマにセミナーを開く。二つの新業態書店について専修大学ジャーナリズム学科の卒論で取り組んだ研究成果を報告する。定員は,会場,オンライン各100人。
https://www.shuppan.jp/event/2024/02/16/2945/

3月26日,日本出版学会がビデオゲーム関連雑誌のオンライン研究発表会

日本出版学会は3月26日,「ビデオゲーム関連雑誌とその研究可能性」をテーマにオンラインで研究発表会を開く。ビデオゲーム関連雑誌の分類と分析対象とした先行研究,小学館の学年誌におけるファミコンブーム前後のビデオゲームに関する記事内容分析から見えた,今後の研究の展望を解説する。参加無料。
https://www.shuppan.jp/event/2024/02/28/2967/

 

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2024年3月号【 特集:見せる・感じる印刷 】(2月20日発行)
気づかれない商品の陳列や配置「商品の見つけにくさ」や、プリプレス側のアーカイブも兼ねた芸術作品の画像処理、感性に訴える写真の展示会の紹介と表現メディアとしての可能性、デジタルでの写真表現として、B1判などの大判インクジェット印刷機による写真出力、だまし絵に関するデザイナーの知見、ギミックを入れて少しびっくりするような変化する絵柄の付加価値印刷について解説いたします。

2024年3月号

 

週刊「印刷雑誌」

編集     古性基樹
編集・発行人 中村幹
発行所    株式会社印刷学会出版部

 

 

 

 

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