週刊「印刷雑誌」

12巻 7号 2021年2月22日
Japan Printer weekly vol.12, no.7

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
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■印刷をたのしむ

エプソン,エコタンク搭載家庭用IJプリンター発売

エプソン販売は,本体に大容量インクタンクを搭載した「エコタンク」搭載モデルの家庭用インクジェットプリンター「EP-M553T」を2月26日から発売する。使い切りサイズのインクボトルで A4判カラー文書を約600ページプリントでき,さらにA4判カラー文書が約3.0円(税込)のコストを想定。オープン価格だが,参考として3万円台前半。

ダイナコムウェア,文字と絵師のコラボプロジェクト

ダイナコムウェアは2月12日,人気絵師とDynaFontのコラボレーションにより,イラストと書体の魅力を最大限に高め合い,表現する「文字と絵師プロジェクト」を始めると発表した。第1弾として,Twitterで25万9000人以上のフォロワー数を誇る人気絵師・凪白みと氏とコラボレーションし,「ゲームを熱く,盛り上げる,文字」をテーマにダイナフォントとのオリジナルイラストを完成させた。

凸版印刷は,くずし字解読支援システム開発

凸版印刷は2月16日,くずし字AI-OCRを搭載し,難読なくずし字の古文書・古典籍をオンライン上で簡単に解読できるシステム「ふみのはゼミ」を開発したと発表した。パソコンやタブレットなどのブラウザ上で動作し,授業やイベントでの活用を想定したグループワーク支援機能により,複数人での同時解読作業が可能になる。歴史的資料のデジタルアーカイブ化を推進するとともに,コロナ禍における学習・研究の拡大に貢献するとしている。

シンプレスジャパン,卒業用フォトブックのテンプレート開始

シンプレスジャパンが運営するオンラインプリントサービス「ビスタプリント」は,卒業・卒園に贈るフォトブックに適する「フォトブックbyビスタプリント」専用デザインテンプレートの提供を2月16日より始めた。4種類で,卒業にふさわしいアカデミックなデザインからかわいい花柄まで,贈る相手に合わせてデザインを選べる。

京セラ,コンビニでの出力半額サービス延長

京セラドキュメントソリューションズジャパンは,新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務やテレワークの推進を支援するため1月12日から始めた「在宅勤務応援プラン」の提供期間を,政府による緊急事態宣言が延長されたことをふまえ,3月31日まで延長すると発表した。
当プランはコンビニエンスストア「デイリーヤマザキ」「セイコーマート」での,ネットワークプリント利用料金を半額で提供するサービス。

フォントワークス,英語のWebサイトでサービス

フォントワークスはWovn Technologiesが提供するWebサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」を導入し,2020年12月より英語公開を始めている。英語サイト訪問者数は2019年対比で4倍に増加したという。

イメージナビ,3月末までフォントセール

イメージナビが運営するフォント販売サイト「デザインポケット」は3月31日まで,「総決算セール」を行っている。基本書体,毛筆書体,デザイン書体など,グラフィックデザイン,映像作品やゲームなど,プロの現場で使用されるフォントを,最大93%オフの価格で提供。「鬼滅のフォント」が話題のフォントメーカー昭和書体の特別セットが7,700円,YouTube,同人誌,ゲームに使える27書体セットが3,300円(ともに税込)など。

■プロの世界

共同印刷,各種機能性パッケージを開発

共同印刷は2月16日,新しい鮮度保持効果の高いボトルを開発したと発表した。内容物の減り具合に応じて収縮する内袋を備え,二重構造の独自の多層樹脂構成(特許出願済)により,容器の形状を保持しつつスクイーズしやすい外殻と,内容物の減少に伴って収縮する内袋を有する二重構造のボトル。
また2月15日,キャップの吐出口にスリットバルブを設けて内容物の液切れを改善した「スリットバルブ付きヒンジキャップ」を開発したと発表した。ヒンジキャップは,本体とフタの継ぎ目が蝶番形状などでつながったキャップ。一般的に,バルブの原料にはシリコーンが使われ,廃棄時は主に一般ゴミとして分類されている。本品はシリコーン不使用のため,廃棄時に分別することなくプラスチックゴミとして扱え,リサイクル性能が向上した。
同日,チューブ胴体の層構成の一部に紙を使用したラミネートチューブを開発したと発表した。キャップにも紙パウダーが主原料の成型材料「MAPKA」を使用した,容器全体で環境に配慮した製品で,プラスチック使用量を10%削減する。
さらに2月18日,内容物の残存量にかかわらず自立でき,プラスチック使用量を削減し,使用プラスチックの一部を持続可能資源に置き替えることで,ボトル容器との比較で石油由来樹脂の使用量を重量比で最大75%削減した「ボトル代替フィルム包材」を開発したと発表した。
これらボトルやキャップ,チューブ,包材は,TOKYO PACK 2021に出展する。

凸版印刷,デジタル印刷用接着剤開発

凸版印刷は,汎用のラミネーション機械で加工でき,レトルト対応製品に使用可能な,強密着接着剤「TOPMER」を開発した。これまでのレトルト用途に加え, ボイル殺菌や電子レンジ加熱にも対応できるようになった。デジタル印刷にも私用でき,生活者の多様化するニーズに対応した小ロットの高付加価値商品を提供できる。
また同社は2月18日,「スマートライフ バリュー パッケージ」のラインアップとして, 抗ウイルス・抗菌効果を持つパッケージ「ウイルスイーパー」フィルムタイプを開発したと発表した。スタンディングパウチやピロー包装などの軟包装パッケージの表面に付着したウイルスの数を減少させる。SIAA(抗菌製品技術協議会)認証を取得した。抗ウイルス・抗菌加工の「ウイルスイーパー」カートンタイプもSIAA認証を同時に取得し,販売を始めた。これらは,TOKYO PACK 2021に出展する。
また同社は2月18日,紙素材のみで構成されるスタンディングパウチを開発し,コーセーのスキンケアブランド「雪肌精」の中核を担うシリーズ「雪肌精 クリアウェルネス」に採用されたと発表した。該当商品は1月から発売の「雪肌精 クリアウェルネスWバリア ミスト」1品と「雪肌精 クリアウェルネスUVディフェンス」4品。本製品は紙素材とヒートシールニスみで構成。独自の加工により品質を安定化させることで,紙単体のスタンディングパウチの製造が可能になった。

大日本印刷,加熱殺菌処理対応パッケージ開発

大日本印刷は2月16日,食品などの内容物充填後にボイル殺菌(100℃以内の湯煎)・レトルト殺菌(100℃度を超える加圧加熱殺菌)などの加熱殺菌処理をしても酸素や水蒸気などに対するバリア性を保持する「DNPモノマテリアル包材 PPボイル・レトルト仕様」を開発したと発表した。パッケージポリプロピレンだけの素材で構成されているため,リサイクル適性が向上し,パッケージの製造,廃棄工程でのCO2排出量や廃棄物量を削減できる。
また同社は2月18日,環境負荷の低減に向けて植物由来の原料を一部に使用したバイオマスプラスチックとバイオマスインキ,森林認証紙の組み合わせを標準仕様とした「DNPロングライフ用液体紙容器」が,日本盛の日本酒「晩酌」「晩酌辛口」「糖質ゼロプリン体ゼロ」の3種のパッケージに採用さたと発表した。
今回の製品は,TOKYO PACK 2021と,同社のWebサイトで開設する「TOKYO PACK 2021 DNPオンライン展示会」で紹介する。

矢野経済研究所,紙・板紙市場調査発表

矢野経済研究所は2月10日,国内外の紙・板紙市場を調査し,製品セグメント別の動向,参入企業動向,将来展望を発表した。2019年の紙・板紙の製紙メーカー出荷量(国内出荷+輸出)は,前年比4.5%減の2511万tとなった。紙の出荷量は6年連続の減少。2020年の紙・板紙の製紙メーカー出荷量(国内出荷+輸出)は,前年比8.4%減の2299万tとなる見込み。2021年の紙・板紙の製紙メーカー出荷量は,前年比0.8%増の2318万tになると予測。
同社は『2021年版 紙パルプ産業白書』を発行。B5判,993ページ。書籍版,PDF版各13万円など。

小森コーポレーション,オフセット枚葉印刷機の新製品発表

小森コーポレーションは,44インチ幅のオフセット枚葉印刷機「リスロンGX44RP/G44アドバンス」を3月から発売する。「コネクテッド・オートメーション」コンセプトに基づき,工程間の連携強化・最適化,上位システムからの情報をもとにしたプリセットによる自動化と,印刷工程全体の生産性向上を図る。RPタイプは,ワンパスでの両面印刷機。

全国印刷工業健康保険組合,4億円の黒字決算

全国印刷工業健康保険組合は2月18日,理事会と組合会を開いた。2020年度の決算は,緊急事態宣言中に医療機関の受信が控えられ保険給付金が減少したことや,国からの助成金などにより,見込みより上回る4億2000万円の黒字となった。2021年度はコロナ禍による雇用環境の悪化,保険料収入の減少と保険給付費の急回復などが予想され8億5000万円の赤字を策定した。保険料率は1000分の100を維持する。

■印刷・デザイン・出版・イメージング関連イベント案内

2月24~26日,ビッグサイトでTOKYO PACK

東京国際包装展(TOKYO PACK)が2月24~26日,有明の東京ビッグサイトの西ホールと南ホールで開かれる。主催は日本包装技術協会。入場料1000円,Web登録等で無料。
SCREENグラフィックソリューションズは,B1判で本紙・特殊紙・アルミ蒸着紙対応の校正・モックアップ作成本紙校正用インクジェットプリンター「Proof Jet F780 MARKⅡ」の実演や,軟包装向け水性インクジェット印刷機「Truepress PAC 830F」のサンプル展示,パッケージ向けワークフローソリューション「PACK NEO」やフレキソ版・樹脂凸版向けCTP「PlateRite FX Nシリーズ」を提案する。
コダックは,インクジェット印刷機をビデオで紹介すると共に,実際の印刷サンプルを紹介。25日にインクジェット印刷に関するセミナーも行う。
特種東海製紙は,高付加価値パッケージの新ブランド「TT-PACKAGE」を展示。
https://www.tokyo-pack.jp/

2月26・27日,国際ユニヴァーサルデザイン協議会がクラウド会議

国際ユニヴァーサルデザイン協議会は2月26・27日,オンラインで公開シンポジウムやレクチャーの「第8回国際ユニヴァーサルデザイン会議 2021 in ザ・クラウド」を開く。「新型コロナウィルス感染防止のためのデザイン」がテーマ。
https://www.iaud.net/conference/15306/

3月11日,日本印刷技術協会が「page2021から読み解く印刷業の未来」セミナー

日本印刷技術協会は3月11日,「page2021から読み解く印刷業の未来」をテーマにオンラインでセミナーを催す。出展メーカーからの各種ソリューション提案とその潮流についてバリューマシーンインターナショナルの宮本泰夫氏が,また,コロナでどのような印刷物が求められているのかなどを同協会の郡司秀明専務理事が報告する。参加費は,一般15,400円,会員11,000円(ともに税込)など。
https://www.jagat.or.jp/page2021report

5月10日~6月4日,日本印刷技術協会が「印刷営業20日間集中ゼミ」

日本印刷技術協会は5月10日~6月4日,第49期「印刷営業20日間集中ゼミ」を開講する。新人営業の育成を目的とし,印刷の基礎知識習得と並行して,具体的な課題案件に取り組みながら,営業プロセスを体得するカリキュラム。参加費は,会員594,000円,一般770,000円。
https://www.jagat.or.jp/archives/81764

6月15・16日,日本画像学会が研究討論会

日本画像学会は6月15・16日,第127回「日本画像学会研究討論会:Imaging Conference JAPAN 2021 Spring Meeting」をオンラインで開く。
http://www.isj-imaging.org/event/conference/ICJ2021S/ICJ2021S_info.html

10月13~15日,ビッグサイトでギフトショー

「東京インターナショナル・ギフト・ショー秋」と第10回「LIFE×DESIGN」が10月13~15日,有明の東京ビッグサイト南展示場で開かれる。主催はビジネスガイド社。
https://www.giftshow.co.jp/tigs/life10/

 

 

月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2021年3月号  コロナ感染体験談掲載【 特集:抗菌・抗ウイルス 】(2月19日発行)

今月号は、研文社から、抗ウイルスインキやニスの印刷、さらに紙への扱いについて、大洞印刷から各種抗菌商品の取り組み、サカタインクスから抗ウイルスニスについて、きもとから抗ウイルスフィルムについて、抗菌・抗ウイルスニスをドイツから輸入している新星コーポレイションからの情報、また印刷物以外にも建材に関し、大日本印刷から解説いただきました。
なお、今月号では急きょ、新型コロナウイルスに感染して入院したミカドの青柳恵介社長から体験談を寄稿いただきました。

https://www.japanprinter.co.jp/monthly_magazine/202103/

 

 

週刊「印刷雑誌」

編集     古性基樹
編集・発行人 中村幹
発行所    株式会社印刷学会出版部

 

 

 

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