週刊「印刷雑誌」

11巻 39号 2020年10月12日
Japan Printer weekly vol.11, no.39

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日(休日の場合,火曜日)発行しています。

 

●印刷をたのしむ

印刷博物館,リニューアルオープンと印刷文化史

凸版印刷が運営する印刷博物館(東京・水道)は,10月7日に開館20周年となり,同日リニューアルオープンした。入場料は,一般400円,学生350円。当面の間,見学は予約制になっている。
また同館は,これまで20年間の調査研究成果をもとに新しい学問「印刷文化学」を立ち上げる。その第一歩として『日本印刷文化史』を10月7日に講談社より出版した。A5判,344ページ,本体2000円。

フライヤー,日販と本に触れずに立ち読みができるコーナーを書店に設置

ビジネス書の要約文をアプリで配信する(株)フライヤーは10月7日,日本出版販売とビジネス書の販促で提携し,本に触れずに立ち読みができる「非接触型の立ち読みコーナー」を全国300店の書店に開設すると発表した。

兼松,オカベマーキングシステム,IJラベルプリンター発売

兼松は10月6日,国内向けに米国Primera社製カッター付きインクジェットラベル・シールプリンター「LX610」の販売を始めたと発表した。小ロット多品種カラーラベル・シール作成に必要な機能を備え,必要なラベル・シールの大きさ・形に応じて,自由にカットすることができるプリンター。カッターが内蔵されている。37万円。
オカベマーキングシステムも10月7日,「LX610」の取り扱いを始めたと発表した。貼り付ける期間や数量が限定されたシールは小ロットとなることが多く,通常の印刷加工業者に依頼するとコストが割高になってしまうという課題の解決を図る。

ヤンバ,格安・催促のシール印刷開始

(株)ヤンバは10月7日より,オリジナルのシールを印刷・作成できるオンライショップ「シール印刷プロ」において「国内最安となる最低価格3,000円から」と「国内初・国内最速となる当日発送」の「箔押しシール印刷サービス」を始めた。

アインズ,2021年版募金付き卓上カレンダー発売

アインズ(滋賀県竜王町)は10月6日,自然を守る活動に募金ができるカレンダー「緑の募金付きエコカレンダー」と「海の羽根募金付きエコカレンダー」の販売を始めた。購入者と同社から購入金額の合計10%をマッチング募金し,森林などの自然を守る活動(森林整備,災害復興支援など)や豊かな海を残す活動(海岸清掃用ゴミ袋の作成・配布など)に活用される。

エプソン販売,おうち時間を楽しめる家庭用インクジェットプリンター発売

エプソン販売は,家庭で過ごすおうちの時間のための家庭用インクジェットプリンターの新商品として,本体に大容量インクタンクを搭載したモデルやA4判対応複合機をはじめ,「カラリオ」プリンターなど全8機種10モデルを10月22日より順次発売すると発表した。オープン価格だが,1万円台中盤~8万円台中盤。

ネット印刷ITP,ボールペンプレゼンとキャンペーン

ネット印刷ITP(京都市)が運営する印刷通販サイト「いろぷり」は12月31日まで,1回の注文で5000円以上購入した人に,抽選で独自のボールペンをプレゼントしている。新規会員登録で2000ポイントプレゼントキャンペーンも継続実施中。

ダイナコムウェア,ダイナフォント金剛黒体がグッドデザイン賞受賞

ダイナコムウェアは,18種類の多言語でデジタル機器での読み心地を追求したフォント「金剛黒体」が,2020年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。
10月15日まで,金剛黒体多言語当てクイズの正解者を対象に,「金剛黒体オリジナルグッズセット(ポケット型クリアファイル,金剛黒体ブックマーカー,ダイナフォント書体見本帖など)」を抽選で50人にプレゼントしている。

シンプレスジャパン,七五三イメージのデザインテンプレート提供

シンプレスジャパンが運営するオンラインプリントサービス「ビスタプリント」は,七五三のイメージの「フォトブック by ビスタプリント」専用デザインテンプレートの提供を10月2日より始めた。和をモチーフにした5種類。

しまうまプリント,ネットプリントで年賀状の受付を開始

しまうまプリントは,PC,iPhone,Androidから年賀状印刷の注文ができる「しまうま年賀状2021」サービスの受付を10月1日から始めた。早期の注文で最大60%オフのキャンペーン実施。印刷仕上げはプリント料金1枚30円,写真仕上げは1枚70円,など。

宮川印刷,コロナ不況対応サービスでサポート

宮川印刷(滋賀県大津市)は新型コロナ対策特化型ワンストップサービス「MIYAONE」をコロナ不況と戦う企業,店舗に向け5月より展開している。本サービスにより,コロナ対策における備品の調達から,チラシやDMなどの販促物の制作,オンライン配信の整備などに関しサポートしている。

モリサワ,MORISAWA PASSPORTでプレゼントキャンペーン

モリサワは11月30日まで,フォント製品「MORISAWA PASSPORT」に収録されている全書体が掲載されたハンドブック「Font Map」やオリジナルクリアファイルを応募者全員にプレゼントするキャンペーンを行っている。見積作成から注文までオンラインで行うことができる「MORISAWA PASSPORTダイレクト」にて,新規・更新・台数追加いずれかを注文し,応募フォームよりアンケートに答えると全員にプレゼント。

凸版印刷,有名人と記念撮影体験AR展開

凸版印刷は,AR技術を活用してサイネージ上で芸能人,キャラクターなどとリアリティのある記念撮影体験を行うことができるサービス「WithShot」を開発し,10月5日からイベント会場や商業施設に向けて提供を始めた。なお,3月より一部のソフトバンクショップに設置されている。短期レンタル1台150万円から(コンテンツ撮影費用別途)。

●プロの世界

日本印刷技術協会,経営力調査発行

日本印刷技術協会は10月1日,経営者・管理職,経営スタッフに向けて『JAGAT印刷産業経営動向調査2020:2019年度印刷産業経営力調査報告書』を発行した。最新データによる経営指標,戦略,設備動向などにより,計画策定,自社の客観評価,戦略決定の参考になることを目指して編著した。A4判,94ページ。本体価格は一般10,000円,会員5000円。

朝日プリンテック,AGFA社のクラウドワークフロー「APGGEE Cloude」を導入

『朝日新聞』の印刷を主に担っている朝日プリンテックはこの度,AGFA社のクラウドワークフロー「APGGEE Cloude」を導入し,9月から本格稼働している。サーバー4台をなくし,全てクラウド上でワークフロー等を使っている。

佐川印刷,広告デザイン・ブランディングEXPOに出展

第4回広告デザイン・ブランディングEXPO(コンテンツ東京2020内)が10月21~23日,有明の東京ビッグサイト西展示棟で開かれる。佐川印刷(愛媛)のかんばん工房は,感染症対策の,独自のパネルやマスクを出展する。

紅屋オフセット,埼玉川島町と避難場所で提携

紅屋ホールディングスは,グループ会社の紅屋オフセット・川島工場が位置する埼玉県川島町(かわじままち)との間で「災害時における避難場所等の施設利用に関する協定書」を取り交わし,10月5日に川島町役場で協定書調印式が行われた。自然災害が発生した場合に,①一次避難および収容のため,②物資集配拠点としての場所,③再生エネルギー施設及び給水ポンプ等により停電時の照明及びトイレ等の水回り設備使用,に川島工場の施設を提供するもの。

日本HP,大判インクジェットプリンターの新製品発売

日本HPは,建築家,エンジニア,建設現場向けの大判インクジェットプリンター「HP DesignJet」シリーズの新製品を10月1日発売した。A1判「HP DesignJet T200」,製造業向けA1判とA0判「HP DesignJet T600」,クリエイティブのプロフェッショナル向けA1判とA0判「HP DesignJet Studio」の各シリーズ。15万8000~35万8000円。

HID Global社,サーマルIJカードプリンター発表

HID Global社は10月1日,入門~ミドルレベル市場向けのカードプリンタとして,業界で初めてサーマルインクジェット方式を採用した「HID FARGO INK1000」プリンターとエンコーダを発表した。一般的に流通するPVCカードに片面印刷可能で,クレジットカード向けのラミネート加工PVCにも対応。解像度は600×1200dpi。加熱技術と独自配合のインクで,速乾性と紫外線安定性がある。

凸版印刷,DM封入物の電子化サービス開始

凸版印刷は,紙での印刷・送付が主流であるDM(ダイレクトメール)の封入物を電子化し,Webサイト上で閲覧ができるサービス「デジフラ」の販売を10月8日から始めた。たとえば,クレジットカード送付DMであれば約款,総合ガイド,優待サービスガイドなどの各種書類をデジタル化する。本サービスは重要度の高い書類のみを封入し,その他の書類はデジタル化することで,利用者は重要な情報を素早く取得することができ,また同時に 発送元は各種書類の優先順位を明確にすることができる。初期費用1500万円から。

大日本印刷,超低反射フェイスシールドを開発

大日本印刷は光の反射防止機能に優れ,装着した人の表情が見えやすく,視界も良好になる「DNP超低反射フェイスシールド」を開発し,10月12日に販売を始める。ディスプレイ用表面処理フィルムで世界トップシェアを獲得している表面フィルムの技術を活用し,光の反射による映り込みを抑えた。

凸版印刷,抗ウイルス・抗菌加工塩ビ製化粧シートを開発

凸版印刷は,抗ウイルス・抗菌両方の性能を有する塩ビ製化粧シートを開発し,おもに非住宅施設の壁面パネル・机・家具などに向けて10月から販売すると発表した。塩ビ製の化粧シートの表面に特殊コーティングを施すことにより,特定ウイルスの数を著しく減少させるという。オレフィン製化粧シートと合わせて抗ウイルス・抗菌性能を有する化粧シートのラインアップが拡大した。

佐川印刷,水性フレキソでCO2削減発表

佐川印刷(京都府向日市)は10月1日,水性フレキソ印刷によるラッピングフィルム生産のCO2削減効果を検証したと発表した。同社は,2015年から2019年の5年間で43,77万m2強のラッピングフィルムを印刷し,約1112トンのCO2を排出したが,同量のフィルムを一般的なグラビア印刷で印刷した場合のCO2排出量は2倍以上の2302トンになるという。5年間で1190トンのCO2排出を削減したこととなる。

リコー,安全性を高めた感熱紙を2021年春から発売

リコーは10月8日,フェノール系化合物を含まない感熱紙を2021年の春から国内で販売を始め,同社が製造・販売する全ての感熱紙を順次フェノールフリー化すると発表した。感熱紙の主原材料であるフェノール系化合物は,これまで「ビスフェノールA」の人体への影響の懸念が指摘され規制対象となっている。代替材料として使用されてきた「ビスフェノールS」でも同様の懸念が欧州で指摘されている。2月には欧州地域向けにフェノールフリー化した感熱紙への切り替えを始めている。

フレキソ・ジャパン延期

フレキソ印刷に関する講演会とテーブルトップショーで行う「フレキソ・ジャパン」(日本フレキソ技術協会主催)は11月12・13日に予定されていたが,2021年秋に延期した。

●印刷・デザイン・出版関連イベント案内

12月6日まで,印刷博物館P&Pギャラリーで「現代日本のパッケージ2020」展

凸版印刷が運営する印刷博物館P&Pギャラリーは12月6日まで,「現代日本のパッケージ2020」展を開いている。パッケージの現場で重ねられた取り組みの成果を知る機会の一つとして,日本で開催されている大規模なパッケージコンクールの受賞作を中心に紹介している。月曜日休館。入場無料。
https://www.printing-museum.org/exhibition/pp/201010/

10月19~23日,ハイデルベルグ社が世界的なオンラインイベント

ハイデルベルグ社(ドイツ)は10月19~23日,製品発表,専門家報告,ビデオチャットでのワンtoワンセッションで構成するイベントをオンラインで世界的に開く。印刷会社の生産性,競争優位性を向上させるための,商業,ラベル,パッケージ印刷分野のプロセスのデジタル化による可能性を探る。発表はドイツ語と英語で行われ,日本語,フランス語,イタリア語,ポルトガル語,ロシア語,スペイン語の言語の字幕付きで提供する。登録無料。
https://innovationweek.heidelberg.com/ja

10月20日~11月17日,日本印刷技術協会が印刷教育オンラインセミナー

日本印刷技術協会は,若手,中途社員を対象に,印刷技術基礎,営業活動の基本,見積の考え方の3つの視点からの教育プログラム全4テーマを10月20日から11月17日までオンラインで行う。10月20日:プリプレス編,10月27日:プレス・ポストプレス編,11月10日:印刷見積り,11月17日:印刷営業。受講料は,各日それぞれ,会員13,200円,一般17,600円など。
https://www.jagat.or.jp/archives/78419

10月22日,日本出版学会が中学校における雑誌編集教育の実践報告会

日本出版学会は10月22日,MIE(Magazine in Education)研究部会をオンラインで開く。「中学校における雑誌編集教育の実践報告」として,植田恭子氏(都留文科大学非常勤講師・元大阪市昭和中学校指導教諭),渡辺光輝氏(お茶の水女子大学附属中学校国語科教諭)が発表。参加無料,要申込。
http://www.shuppan.jp/yotei/1179-3mie20201022.html

10月23日,日本印刷技術協会がMISのポイントのセミナー

日本印刷技術協会は10月23日,「なぜあなたの会社のMISはうまく動かないのか?」をテーマにオンラインセミナーを催す。MISの導入や運用に際し,どのような落とし穴があるのか,よくある失敗パターンを紹介するとともに,ではどうしたらうまくいくのかを議論する。ラステックRAS-tech代表でシステムコンサルタントの若狹益弘氏が話す。参加費は,一般15,400円,会員11,000円など。
https://www.jagat.or.jp/tg20201023

10月24・25日,エプソン販売が自宅での写真イベント

エプソン販売は,写真を「カタチ」にするノウハウや写真上達のヒントが自宅で学べる写真イベント「エプソンニューフォトフォーラム オンライン」を,10月24・25日に開く。従来の「エプソンニューフォトフォーラム」のオンライン版。写真家や写真雑誌の編集長などが講師になり,写真撮影からプリント制作,プリント発表のノウハウなどを学べる。8セッションあり,1セッションのみ3000円,ほか無料。
https://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/photoforum/

10月27日,リテールテックJAPANオンラインセミナー

日本経済新聞社は10月27日,リテールテックJAPAN PREMIUM CONFERENCE SERIES「多店舗経営×DX:顧客・従業員の満足度を同時に向上させる組織マネジメントとは?」と題し,オンラインセミナーを催す。受講料無料(事前登録制)。
https://events.nikkei.co.jp/30857/

10月28日,VPJがオンライン校正ツールのセミナー

ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは10月28日,パルシステム連合会,パルシステム・リレーションズの担当者による,オンライン校正コミュニケーションツール「APROOVE」事例紹介セミナーを開く。100人以上が関係するチラシ制作業務において,商品部門,カタログ部門,制作会社,印刷会社等の関係者を巻き込んだAPROOVEでの効率的な制作ワークフローを紹介する。参加無料,要申込。
http://www.vpj.co.jp/news/pickup/detail.html?pid=252

10月28~30日,幕張メッセで通信・放送関連展示会

「通信・包装Week2020」展が10月28~30日,千葉の幕張メッセで開かれる。主催はリードエグジビションジャパン。第20回光通信技術展,第4回映像伝送EXPO,第3回5G/IoT通信展,第3回4K・8K映像技術展で構成。
https://reed-speaker.jp/Seminar/conference_cbw/2020/top/

2021年2月3~5日リアルで,2月8~28日オンラインでpage開催

日本印刷技術協会は印刷関連イベントのpageを東京・池袋サンシャインシティで2021年2月3~5日に行う。また,同展のオンライン開催としてカンファレンス,セミナー,展示会をWebで2月8~28日に配信する。問合せは,同協会(電話03-3384-3112)。
また日本印刷技術協会は,地方大会オンラインを10月30日~11月8日に,大会(+近畿大会)オンラインを11月30日~12月10日に行う。

 

 

 

◆月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2020年10月号【 特集:新技術2021へ 】(9月18日発行)

先月号に続き、drupa2020展へ出展予定だった企業の技術動向を紹介しました。来年への新技術として、リョービMHIグラフィックテクノロジー、小森コーポレーション、ハイデルベルグ、コダック、エプソン、リコー、オーシャンテクノロジーを取り上げました。ハイデルベルグ社や小森コーポレーション,コダックは残念ながら出展を取りやめましたが2021年を俯瞰する技術動向として読む価値はあります。

https://www.japanprinter.co.jp/monthly_magazine/202010/

 

 

 

週刊「印刷雑誌」

編集     古性基樹
編集・発行人 中村幹
発行所    株式会社印刷学会出版部

 

 

 

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