週刊「印刷雑誌」
11巻
26号
2020年7月6日
Japan Printer weekly
vol.11,
no.26
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
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●印刷をたのしむ
ウイル・コーポレーション,ペーパークラフトPDF無料配布
ウイル・コーポレーションが運営するネット印刷の「プリントモール」は7月1日,家での時間を楽しめるように,動物ペーパークラフト6種,働く車ペーパークラフト6種のPDFデータの無料配布を始めた。各PDFには,色を塗るところから親子で楽しむことができる色なしの塗り絵タイプもセットで用意した。
グローカルデザインスクール,小中学生用「商品パッケージデザイン」講座
グローカルデザインスクールは,小中学生を対象に,産学連携で専門家たちとオンライン,リアルでつながり,「商品パッケージデザイン」のつくられ方,考え方を学ぶことができる「オープンビレッジ・小中学生向けビジネスデザイン講座」を7月25日に静岡県菊川市で開く。7月1日から参加者を募集した。参加無料,小学5年生~中学2年生対象(先着20人)。
共同印刷,クロード・モネ高級美術複製画「散歩,日傘をさす女性」発売
共同印刷は7月3日,印象派の巨匠クロード・モネの生誕180 周年を記念し,「散歩,日傘をさす女性」の高級複製画を,限定300 部制作し,販売を始めた。モネが,最愛の妻カミーユと長男ジャンのかけがえのない一瞬を描いた詩情豊かな作品。技法は「彩美版」シルクスクリーン手刷り,画寸は天地53.0×左右42.6cm,本体12万円。
大日本印刷,重要文化財とキャラクターのコラボ
大日本印刷は,音声合成システムのキャラクター初音ミクと,重要文化財「小袖 白綾地秋草模様」(こそで しろあやじあきくさもよう),通称「冬木小袖」(ふゆきこそで)のコラボレーションによる「〈冬木小袖〉ミク」のグッズを6月30日から発売した。〈冬木小袖〉ミクは,独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館と文化財活用センター,初音ミクを展開するクリプトン・フューチャー・メディアが共同制作。大日本印刷は,同社の「クリエイター共創サービス“FUN’S PROJECT”」の取り組みの一環として,〈冬木小袖〉ミクを題材とした作品をもとに,印刷技術を用いてコラボレーショングッズを制作・販売する。
凸版印刷,東京国立博物館でVR作品『風神雷神図のウラ』
東京国立博物館東洋館内「TNM & TOPPANミュージアムシアター」は,新型コロナウイルス感染防止のため休演していたが,7月1日から上演を再開した。10月4日まで,VR作品『風神雷神図のウラ-夏秋草図に秘めた想い-』を見ることができる。また,東京国立博物館本館7室にて7月21日~8月10日に,重要文化財「風神雷神図屛風」を展示。同期間中は,実物とVR双方を鑑賞できる。シアターの鑑賞料金は,高校生以上600円,小中学生300円。
凸版印刷,法人向け電子絵本・児童書配信サービス開始
凸版印刷は6月から,法人向けコンテンツ配信事業として,電子絵本・児童書配信サービス「えほんほーだい」の提供を始めた。本サービスは, 法人・企業が運営する店舗や施設のWi-Fi経由で電子絵本・児童書を読み放題で配信するもの。利用者は,店内に掲示されているポスター・チラシなどのQRコードを読み取り利用できる。
配信コンテンツはグループ会社であるフレーベル館が提供。幼児から小学生を対象とした電子絵本・児童書の合計50冊を読み放題で配信し,来店客の快適な待ち時間を演出する。なお,カラオケのコート・ダジュールの全国50店舗が6月1日から本サービスを導入している。
友野印刷,SIAA認証「抗菌印刷」開始
友野印刷(岡山)は7月1日より「抗菌印刷」のサービスを始めた。印刷後の表面に抗菌ニスを塗布することで,銀イオンによる細菌の増殖を抑制する効果があり,抗菌効果に加え,インキの原料である樹脂や植物油特有のニオイも抑制する防臭機能もある。不特定多数の利用者が手にする機会の多い印刷物を見込んでいる。7月3日より,紙製の「使い捨て抗菌マスクケース」の販売の販売を始めた。500枚入り4500円。
また同社は抗菌製品技術協議会(SIAA)が定めた抗菌性・安全性などの基準をクリアした製品に付与できる「SIAAマーク」を6月に取得。岡山県内の印刷会社では初の取得となり,同社で抗菌印刷した印刷物にはSIAAマークを掲載することができる。
図書印刷,飛沫感染対策ボード発売
図書印刷は6月29日,これまで培ってきた店頭POPをはじめとした紙製品の構造設計の技術を活かし,オフィスや店舗用の飛沫感染対策ボードを製造し販売を始めたと発表した。サイズは,天地90×左右59×厚さ1.4cm,脚サイズ (大)25×20cm×2個,(中)20×13cm×2個,(小)8×12cm×2個。約370g,参考価格は5個セットで28,200円(税込)。
DNPフォトイメージングジャパン,証明写真機事業拡大
大日本印刷の100%子会社のDNPフォトイメージングジャパンは6月30日,証明写真に関連したサービスを拡張していくため,KJS(株)の証明写真機事業を承継したKフォトイメージの全株式を取得した。今回の株式譲受により,大日本印刷グループが全国に設置する証明写真機の台数は7000台から1万台になり,国内トップシェアとなった。2024年度に証明写真関連のサービスで100億円の売上を目指す。
エプソン,ビジネス用コミュニケーションでのプリントサービス
エプソンは,ビジネス向けコミュニケーションアプリ「Slack」(Slack Technologies社)と連携したプリントサービスを6月29日から提供を始めた。Slackは間接対面型コミュニケーションを図るツールで,主にビジネスでの利用に主眼を置いている。今回エプソンが提供するプリントサービスは,Slack内にプリントアプリ「Epson Printer」を追加し,自分のエプソンプリンターを登録すれば,チャット画面上に写真や文書を送るだけでプリントできる。
●プロの世界
全日本印刷工業組合連合会,10月の長野大会1年延期
全日本印刷工業組合連合会は,10月9・10日に開催予定だった「2020全日本印刷文化典長野大会」の開催を1年延期することにした。なお,10月9日には,オンラインによる「全印工連フォーラム」を開き,組合員へ向けた情報発信を行う予定。
ユポ・コーポレーション,ユポタック原紙の新製品発売
ユポ・コーポレーションは7月1日より,ラベル原紙用合成紙「ユポタック」シリーズの高機能品として「SGM 80」と「SDI 80」の販売を始めた。ともに従来品の課題であった無機充填剤脱落によって生じる紙粉を低減。
前者は,インキ耐水密着・耐水擦過性や印刷時のニス工程削減など,レタープレス,オフセット,フレキソ,グラビアといったアナログ印刷適性の向上に加え,UVインクジェット印刷時のにじみが非常に小さく,微細な文字の印刷にも適している。また製品表面の耐熱性・トナー密着性を向上させたことで印刷時のカールを抑制。後者は,アナログ印刷適性の向上に加え,HP Indigoデジタル印刷機の認証を取得したユポタック原紙。プレコーティング無しで印刷可能。
リンテック,プラスチック代替ラベル素材の新製品発表
リンテックは,独自の特殊紙製造技術と粘着応用技術を融合させることで,フィルムの代わりに耐水性のある紙を表面基材に使用したラベル素材を開発した。合わせて木材パルプを原料とするセロハンを使ったラミネート素材もラインアップし,新ブランド「PLALESS」シリーズとして7月1日から販売を始めた。
共同印刷,マーケティングラボ発足
共同印刷はこれまで,女性インサイト(物事を見抜く力,心理)に関わるさまざまな調査研究を行ってきた。このたび,日々変化する女性の価値観をキャッチアップしながら,多彩な企業や専門家との取り組みをより深めるため,マーケティングラボ「WIC@LAB」を発足した。多様化する女性のインサイトを研究し,新たなマーケティング手法を創出する。企業や研究者,専門家などの多業種間の共創力で,次世代につながるマーケティングを追求する。
大日本印刷,NTT西日本と教育ICTプラットフォーム展開
大日本印刷は6月29日,西日本電信電話(NTT西日本)と,withコロナ,afterコロナ時代に求められる教育のデジタル化を推進するため,教育ICTプラットフォームと電子教科書・教材及び電子図書館等のソリューションを推進,展開すると発表した。学生・教員がオンライン授業において利用する学内システムLMS(Learning Management System)等から電子教科書・教材および電子図書館等サービスの利用を可能にする。
また,出版社,丸善雄松堂等の書店との連携によって,大学で利用される電子教科書・教材のオンライン購入や,オンライン閲覧,学習管理が可能となる仕組みを提供する。
凸版印刷,抗菌剤入りカード生産強化
凸版印刷は,電子マネーを利用したタッチ決済や社員証などで使用できる抗菌剤入りカードを供給している。6月29日,抗菌剤入りカードの生産体制7月より約50%増強すると発表した。本抗菌剤入りカードは,JIS Z 2801(抗菌仕様に関するJIS規格)に準拠しており,カード表面の大腸菌と黄色ブドウ球菌の繁殖率は1%以下で,衛生管理の徹底が必要な医療・医薬現場や,食品を取り扱う場所などで利用可能。価格は,抗菌性能のない通常のプラスチック基材のカードと比べ約1割増し。
大日本印刷,凸版印刷,プラスチックの再資源化事業開始
大日本印刷と凸版印刷は,サントリーMONOZUKURIエキスパート,東洋紡,レンゴー,東洋製罐グループホールディングス,J&T環境,アサヒグループホールディングス,岩谷産業,フジシール,北海製罐,吉野工業所の,プラスチックのバリューチェーンを構成する12社で,プラスチック課題解決に貢献すべく,使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社「株式会社アールプラスジャパン」を設立し,6月から事業を始めた。
アールプラスジャパンは,米国バイオ化学ベンチャーのアネロテック社とともに,環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進める。2027年の実用化を目指す。
凸版印刷,国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」の複製を販売
凸版印刷は,同社の印刷による複製技術「Refina Graphy」を用いて制作した国宝「洛中洛外図屛風(舟木本)」(東京国立博物館所蔵)の高品位複製を,7月1日より三越伊勢丹で販売を始めた。洛中洛外図屛風(舟木本)に描かれた景観の奥行き感や華やかさといった作品の持つ美しさを表現している。本複製は限定10点で,売り上げの一部は同博物館の文化財保護・普及・研究活動に役立てられる。1点1000万円の受注生産。
技能五輪選手選考会
日本印刷産業連合会は中央職業能力開発協会の依頼により,2021年9月に中国・上海で開催予定の第46回技能五輪国際大会「印刷」職種に出場する日本代表選手(候補者)の選考会を発表した。7月27日応募締切,8月7・29日教育セミナーや筆記試験・面接,9月12日調色訓練,9月19~21日実機訓練,10月28~30日最終選考,11月代表選手発表。
技能五輪国際大会は青年技能労働者(満22歳以下,一部職種は25歳以下)の国際交流と親善を目的とした大会で,1950年に始まり,現在は2年ごとに開催されている。「印刷」職種は2007年の第39回静岡大会から正式競技種目となっている。
全日本印刷工業組合連合会,10月30日締切でCSR認定募集
全日本印刷工業組合連合会は6月22日に外部の有識者で構成する第29回「全印工連CSR認定委員会」を開き,「ワンスター認定」新規2社と更新9社を認定した。CSR認定企業は117社。新規は,井上総合印刷(栃木・宇都宮)と丸信(福岡・久留米)。また,8月3日から第31期ワンスター認定を募集する(応募申込書の提出締切は10月30日)。
小森,SCREEN,ホリゾン,グローバルニッチ100選に選ばれる
経済産業省は6月30日,世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や,国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する優良な企業113社を,2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」として選定した。
小森コーポレーションが商業用オフセット印刷機,証券印刷機,B2判デジタル印刷機で,SCREENグラフィックソリューションズがロール式カラーインクジェット印刷機で,ホリゾンが4クランプ自動無線綴製本機で,それぞれ選定された。
ダイヤミック,ピクトリコを合併
ダイヤミックとピクトリコは6月25日に合併した。ピクトリコは解散し,ダイヤミック(株)が継承。
●印刷・デザイン・出版関連イベント案内
8月16日募集締め切り,凸版印刷がオープンイノベーションプログラム公募
凸版印刷は,スタートアップ企業を中心に優れた事業アイデアを募集し,同社の経営資源と融合させ,新事業を共創する公募型のオープンイノベーションプログラム「co-necto」を2017年より行っている。2020年度は,パートナー企業が参画し,実証事業をベースとしたプログラム「Open Innovation PoC Lab.」へ進化。凸版印刷,スタートアップ企業,パートナー企業の3者間連携により,さらなるイノベーションの発信を目指す。8月16日募集締め切りで,9月中旬に2次選考結果通知。
https://toppan-conecto.com/
8月29日まで,ギンザ・グラフィック・ギャラリーでTDC 2020展
DNP文化振興財団が運営する東京・銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリーは8月29日まで,第379回企画展「TDC 2020」を開いている。入場無料。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000753
9月6日まで,福島で「共鳴する刻[しるし]―木口木版画の現在地」展
DNP文化振興財団が運営する福島・須賀川のCCGA現代グラフィックアートセンターは9月6日まで,第81回「共鳴する刻[しるし]―木口木版画の現在地」展を開いている。入館料は一般300円,学生200円。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=3&seq=00000765
9月30日応募締切,コニカミノルタ科学技術振興財団,画像科学奨励賞を公募
コニカミノルタ科学技術振興財団は,光と画像領域の研究に従事する若⼿研究者(40歳以下)を対象に「令和2年度コニカミノルタ画像科学奨励賞」を公募している。異分野技術の融合によるイノベーション創出を助成すべく「連携賞」も設けている。応募締切は9⽉30⽇。優秀賞は4件程度で助成⾦100万円。
https://www.konicaminolta.jp/about/csr/contribution/corporation/research/foundation/index.html
10月3日まで,京都で「コントラプンクト タイプ Kontrapunkt Type」展
DNP文化振興財団が運営する京都・太秦の京都dddギャラリーは10月3日まで,第225回企画展「コントラプンクト タイプ Kontrapunkt Type」展を開いている。入場無料。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=2&seq=00000759
7月8日,エックスライトがカラーコミュニケーションのオンラインセミナー
エックスライト社は7月8日,オンラインセミナー「これからのリモート・カラーコミュニケーション 印刷実践初級編」を催す。初めて色の数値管理を取り入れる人向けに,エックスライトの分光測色計を使用した管理方法を同社の岡松英二氏が紹介する。参加無料。
https://www.xrite.co.jp/event/841-remote-color-communication-webinar-2.html
7月16・17日,大阪産業創造館で機能性フィルム展
大阪産業創造館は7月16・17日,中央区本町の同館で機能性・付加価値を高めるフィルム素材や加工技術の見本市「機能性フィルム展2020」を開く。入場無料だが,完全予約制,参加時間固定制。
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=30717
◆月刊『印刷雑誌』最新号のご案内
2020年7月号【 特集:無処理版は今! 】(6月19日発行)
今月号は、無処理版(プレート)を取り上げました。
どこまで主流となるか、あるいは有処理版とほぼ完全に置き換わるのかはまだわかりません。しかし、活版印刷から平版オフセット印刷や、製版フィルム工程のCTPの置き換わりを考えると、無処理版が当たり前になるのかもしれません。歴史や現状製品の性能、市場導入状況、導入メリット、運用の実例などをメーカーからの寄稿も含め、多角的に解説しました。
https://www.japanprinter.co.jp/monthly_magazine/202007/
週刊「印刷雑誌」
編集 古性基樹
編集・発行人 中村幹
発行所 株式会社印刷学会出版部
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