週刊「印刷雑誌」

11巻 18号 2020年5月11日
Japan Printer weekly vol.11, no.18

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

 

●新型コロナ対応

プリントパック,飲食店向け無料ポスター進呈

プリントパックは「新型コロナウイルス」の影響で苦労している飲食店を応援するため,テイクアウト,宅配,弁当販売などをしている飲食店に,好きなデザインの店頭告知用ポスターを無料で進呈することを始めた。送料も同社が負担。

帆風,オンラインショップでのぼりのキャンペーン

帆風は同社の「バンフーオンラインショップ」で,新型コロナウイルスの影響で多くの問合せがある,「のぼりの印刷」のキャンペーンを5月31日まで行っている。最大30%オフで,パターンの一例として,幅600×高さ1800mm,素材はポンジ(ポリエステル系素材),印刷は昇華転写,オプションでポール,スタンド台など。

コンテンツワークス,フォトブックサービスでギフト券の有効期限を延長

コンテンツワークスは,プロ写真家向けのフォトブック作成サービス「Photoback for Biz」が新型コロナウイルス感染拡大につき,スタンダード・プロプラン会員へ毎月プレゼントしている3000円分のフォトブック購入時に利用できるギフト券(有効期限が2020年4月末・5月末・6月末のもの)を2020年7月末まで,一律で延長した。会員の手続きや申請などは特に必要なく,既に自動的に反映されている。

RMGT,スマートグラスの無償貸出しで遠隔支援サポート

リョービMHIグラフィックテクノロジー(RMGT)は,機械の稼働率が低下している期間に印刷機の集中メンテナンスへの遠隔支援のために,スマートグラスなどのウェアラブル端末一式を2週間無償で貸し出している。印刷機を自主メンテナンスする映像を遠隔から確認しながら,同社のサービススタッフがアドバイスやサポートをする。

全印工連,全印政連,経産省・議連・自民にコロナ対策要望

全日本印刷工業組合連合会と全日本印刷産業政治連盟は4月22日,新型コロナウイルス感染症が拡大して,中小印刷会社の経営に大きな影響を及ぼしていることから,「新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書」を経済産業省,自由民主党中小印刷産業振興議員連盟,自由民主党商工・中小企業関係団体委員会へ提出した。要望書は,同連合会で4月1日~10日に行った「新型コロナウイルス感染拡大の影響に対する緊急調査」(47都道府県工組の組合員571社から回答)の結果を集約したもので,受注減少による新たな補助金の創設や税制優遇,終息後の対応などを記している。

日本印刷技術協会,コロナの影響と対応を調査

日本印刷技術協会は5月7日,「印刷会社へのコロナショックの影響と対応に関するアンケート」の結果を発表した。結果概要は,2020年3月実績は売上高8%減,4月見通しは売上高19%減。自社への影響は,イベントの延期・中止による受注減が多かったほか,取引先の減産,顧客のテレワークへの移行による営業難などが挙げられた。

●印刷をたのしむ

大日本印刷,京都文化遺産の映像を期間限定で無料配信

大日本印刷は5月25日まで,「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」と毎日放送と共同で,これまで保存してきた京都文化遺産の映像を,期間限定でYouTubeにて無料配信している。大日本印刷のデジタルアーカイブ技術を用いた高精細映像により,自宅にいながら四季折々の美しい京都の姿を楽しむことができる。
https://www.youtube.com/channel/UCy2GYU2WI-0nDoOCmdGdYpQ

大日本印刷,アート作品のバーチャル展示会を開催

大日本印刷は5月31日まで,世界に179万人以上のフォロワー(Instagram)を持つ人気イラストレーターのイリヤ・クブシノブ氏の個展「“Virtual VIVID” Ilya Kuvshinov Works Exhibition」をVR(仮想現実)コンテンツとして仮想空間上で開催している(バーチャル展示会)。バーチャルSNS「Cluster」またはVRプラットフォーム「VRChat」を操作可能な環境で入場できる。
http://vivid.gugenka.jp/

ミリアド,キャンペーンコンテンツ制作ソフトが可変印刷に対応

ミリアドは4月23日,キャンペーンコンテンツ制作ソフト「QLEAR」がバリアブル印刷に対応したと発表した。DMを配布する時などにQLEARで制作したコンテンツと組み合わせることで,開封率だけでなく,顧客の行動履歴を追うことも可能になった。

ポプラ社,『ポプラディア』にモリサワUD教科書体採用

ポプラ社は,2021年11月に発行する『総合百科事典ポプラディア第三版』に,モリサワの「UDデジタル教科書体」を採用した。同書は,全国の小・中・高等学校や公共図書館で広く採用されている子供向け総合百科事典。今回,10年ぶりの全面リニューアルにあたり,紙面全体を通してUDフォントを採用。小・中学生や教員を対象にアンケート調査を行い,「読みやすい」と人気の高かったUDデジタル教科書体を解説文の書体として採用した。

oricon ME,ネット印刷通販ランキング発表

oricon MEは5月1日,「ネット印刷通販」について使いやすいなどの調査結果を発表した。総合で,1位:グラフィック,2位:パプリ(アスクル),3位:ラクスル。調査方法はインターネットで,調査期間は2019年12月4~11日。

キヤノン,新自動原稿送り装置搭載のオフィス向け複合機

キヤノンはオフィス向け複合機の新製品として「imageRUNNER ADVANCE DX」22モデルを6月上旬より発売する。対応原稿サイズの拡張,読み取り品質と読み取り速度を向上させた新しい自動原稿送り装置を搭載。読み取った画像の傾きを自動補正するデジタル斜行補正機能により,原稿の傾きの機械的補正を排除し,両面読み取りスピードが毎分最大270ページになった。67万5000円~380万円。

大日本印刷,読売広告大賞グランプリ受賞

大日本印刷の企業広告「イノベーションは,このような形で突如現れる。」が4月24日,読売新聞社の第36回「読売広告大賞」のグランプリを受賞した。今回受賞した企業広告は,陸上競技で今は「あたりまえ」となったクラウチングスタートは,もとは一人の選手が挑戦を重ね,オリンピック競技大会で優勝という結果を出したことにより,革新的なスタートとして選手の間で受け入れられていった,というストーリーを伝えたもの。

●プロの世界

凸版印刷,紙素材使用のチューブ型パウチ開発

凸版印刷は,消費者の利便性向上と省資源化による環境配慮を両立し,チューブの使いやすさとパウチの絞り出しやすさを両立させた機能性パッケージ「チューブなパウチ」を開発した。従来のラミネートチューブよりも胴体フィルムの厚みを薄くすることにより,ラミネートチューブと比べ内容物の絞りやすさに加え,プラスチック使用量を30%削減している。この度,このパウチの胴部に紙素材を使用し,プラスチック使用量を50%削減した「チューブな紙パウチ」を開発した。

大日本印刷,スマートファクトリー向け物流位置検出マーク開発

大日本印刷は5月7日,スマートファクトリーの物流用自動搬送ロボット等の動きを制御するために,画像処理ソフトとカメラを活用し,角度±1度以下の精度でセンシングできるマーカ「DXマーカ」を開発した。フォトリソグラフィ技術を活用した,厚さ0.7mm,外形が1辺40mmと80mmのガラス基板で,パレットや倉庫の棚,建物のドアやコーナーの柱,離発着地点など位置を特定したい場所や自動搬送機器,ロボット,ドローンなど無人移動体に装着し,建物や無人移動体の本体に装着されたカメラでマーカを読み取って位置を高精度に位置を検出することができる。

電通,SDGsに関する生活者調査実施

電通は全国10~70歳代の男女計1400人を対象に,第3回「SDGsに関する生活者調査」を行い,4月27日結果を発表した。(1)「脱プラ」に続き,「ミニマリスト」「シェアリングエコノミー」「サーキュラーエコノミー」に高い関心,(2)今後増えそうなものは「在宅ワーク」「自動運転」,(3)生活者のSDGs認知率は29.1%増加し,若い世代の認知率が高いなどの結果となった。

日本印刷産業連合会,デジタル印刷の調査報告公開

日本印刷産業連合会は4月30日,「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査」の結果を発表した。同社のWebサイトで公開している。一例は,全体の売上に占めるデジタル印刷の割合は,2016年9.7%だったのが2019年は12.4%と増加。方式別では,トナー機が371台,大判インクジェット(IJ)機が186台,枚葉IJ機17台,巻取紙IJ機26台。
https://www.jfpi.or.jp/topics/detail/id=4671

小森コーポレーション,MBOを完全子会社化

小森コーポレーション(KOMORI)は4月30日,ドイツの製本機メーカーであるMaschinenbau Oppenweiler Binder GmbH & Co. KG(MBO)グループの株式譲渡を完了し,MBOはKOMORIの完全子会社となったと発表した。また,社名は「MBO Postpress Solutions GmbH」に変更する。

●印刷・デザイン・出版関連イベント案内

7月31日必着,日本発明振興協会が発明研究奨励金

日本発明振興協会は中小企業または個人を対象とし,令和2年度第40回「発明研究奨励金」を交付する。申請手続きは7月31日必着, 交付金限度額は1件当たり100万円。
http://jsai.org/Shoureikin/

9月24・25日に延期,日本画像学会が東工大すずかけ台キャンパスで技術講習会

日本画像学会は7月9・10日に予定していた第84回「技術講習会」を,9月24・25日に延期した。詳細はおもに変更なし。横浜市の東京工業大学すずかけ台キャンパスで,各種ノンインパクトプリンティング技術に関する基礎と展望を学ぶことができる。定員250人。参加費は,会員25,000円,学生3,000円,非会員38,000円。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_course/2020_tech_84.html

10月7~9日,大阪で高機能素材Week

第8回「関西 高機能素材Week」が10月7~9日,南港のインテックス大阪で開かれる。5月開催予定からの延期。主催はリードエグジビションジャパンで,高機能フィルム展,高機能プラスチック展,高機能セラミックス展,高機能金属展,高機能塗料展,接着・接合EXPOで構成。桜井グラフィックシステムズは高機能セラミックス展にロールtoロールスクリーン印刷機を出展する。
https://www.material-expo.jp/ja-jp.html

10月16日,日本画像学会が慶応大学日吉キャンパスで4D研究会

これまでの3D造形・再現技術を超えていく新しい価値創造を目指した,日本画像学会内の4DFF研究会は10月16日,神奈川の慶應義塾大学日吉キャンパスで,講演や一般発表,作品展示などのコンファレンス「4DFF2020」を開く。
https://sig4dff.org/conference.html

11月5~7日,韓国で国際出版学術会議(国際出版フォーラム)

韓国ソウルで8月20~22日に開催予定だった国際出版学術会議(国際出版研究フォーラム)は,11月5~7日に延期になった。日本の窓口は日本出版学会(電話03-3313-7347)。

11月19・20日に延期,大阪でJP2020・ICTと印刷展

JP産業展協会は6月3・4日に南港のインテックス大阪5号館で「JP2020・ICTと印刷展」を予定していたが,11月19・20日に延期した。
http://jp-ten.jp/jp-ten/537/

●新型コロナウイルス関連の編集部コラム

今回,感染の犯人は新型のコロナ「ウイルス」である。菌ではない。周知のとおり,菌とウイルスは異なり,抗菌製品であっても抗ウイルス製品ではない。
一方,我々の周りには電車のつり革や子供向け玩具など抗菌と謳われている製品はけっこうあり,抗菌製品技術協議会(SIAA:Society of Intenational sustaining growth for Antimicrobial Articles)なるものがある。適正で安心できる抗菌・防カビ加工製品の普及を目的とし,抗菌剤・防カビ剤および抗菌・防カビ加工製品のメーカー,抗菌試験機関が集まってできた団体である。大日本印刷,凸版印刷,大洞印刷,ユニカラー,三進社,坂井印刷所,シルキー・アクト,サカエグラビヤ印刷,トーツヤ・エコー,新潟印刷,北東工業,富士フイルム,サカタインクス,都インキなどが会員になっており,抗菌対応の,各種インキ,フィルム,シート,ニス,包材,各種印刷物などが登録加工製品となっている。
同協議会は抗ウイルス加工製品も普及させると言っており,2019年7月より「抗ウイルス加工SIAAマーク」の運用を開始したとある。
抗菌仕様のクリアファイルやマスクケースを展開している印刷会社もあるが,今回の感染予防の関係で,抗菌,抗ウイルスの印刷物にもビジネスチャンスがあるかもしれない。(つづく)

 

 

 

 

◆月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2020年5月号【 特集:工夫を凝らす紙器印刷 】(4月20日発行)
今月はさまざまな紙器の活用を紹介します。
POP的なもの、飛び出す絵本的なもの、AR、VRへの誘導、デジタルでの可変印刷などさまざまな話題を盛り込みました。
新型コロナウイルスの影響で、仕事が減っている印刷会社は少なくないでしょうが、軟包装や紙器、とくに小売の食品系は増産が見込まれているようです。印刷を生業としている皆さまに本特集がご参考になれば幸いです。

https://www.japanprinter.co.jp/monthly_magazine/202005/

 

 

◆印刷学会出版部WEBショップ

販売中の全商品はこちらから購入いただけます。http://japanprinter.thebase.in/

◆WEBマガジン『週刊 印刷雑誌』会員募集中!

ご希望の方には,発行の都度お知らせのメールをお送りいたします。『週刊 印刷雑誌』では,テキストでの「一口宣伝広告」も募集しております。(5,000円~/税別) お申し込みやお問い合わせは shukan@japanprinter.co.jp まで。

◆フェイスブックでも情報収集を!

印刷学会出版部のフェイスブックで,業界ニュースなどをタイムリーに発信しています。どうぞご利用ください。http://www.facebook.com/JapanPrinter

◆印刷学会出版部のツイッターアカウント

@PrinterJapan ぜひフォローお願いします!