週刊「印刷雑誌」

11巻 17号 2020年4月27日
Japan Printer weekly vol.11, no.17

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

 

●コロナ対策

大日本印刷,非テレワーク職場における新型コロナ感染防止対策調査

大日本印刷株の子会社のシーピーデザインコンサルティングは,緊急事態宣言下の非テレワーク職場における新型コロナウイルス対策の事例を調査し,4月18日に調査結果をWebサイトで公開した。調査結果の概要は,(1)BCP(事業継続性)の視点での組織的・人的対応について,(2)「非テレワーク職場」共通の対策および事務所・店舗・製造現場ごとの対応について,(3)従業者の感染防止意識の醸成などに役立つ資料へのリンク集。
https://www.cpdc.co.jp/column/2020/04/post-18.html

佐川印刷,オリジナル布マスクの製作

佐川印刷(愛媛)はこの度,ハッピ等の布製品を作っているノウハウを生かし,オリジナル布マスク「ハッピィマスク」を作り販売を始めた。また,表地をオリジナルプリントできる布マスクも作製している。
https://sakawa-mask.jimdofree.com/

POPKIT,新型コロナウイルス対策POPが作れる素材セットを無料提供

POP作成ツールのサービスを行っているPOPKITは4月22日,新型コロナウイルス対策を行う店舗向けに,専用POPセットの無料提供をすると発表した。テンプレートそのままの利用ほか,自店の内容に自由にアレンジすることができるので,数分でオリジナルPOPを作成することが可能。「ウイルス対策セット」は,セールスプロモーション・POP広告事業を手掛けるアルファ(岡山)のデザイナーにより制作されている。
https://www.popkit.net/coronavirus

AMIX,無料デザインテンプレート拡充

デザイン事務所のAMIXは4月21日,Webサイト「ASOBO DESIGN」にて,無料デザインテンプレートのラインナップを拡充し,100種類以上がダウンロードできるようにしたと発表した。誰でも編集しやすいようにデザインしたシンプルな構成のテンプレートをラインナップしている。
https://asobo-design.com/nex/

●プロの世界

大日本印刷,AI活用の業務知識活用プラットフォーム発売

大日本印刷は,企業が持つ業務文書を自然言語処理AIを用いて知識グラフ化し,これを活用することで保険会社や金融機関等の加入申込審査や広告の校正・校閲,社内ナレッジの横断的な検索・分析などを可能にする「DNP業務知識活用プラットフォーム」を5月に提供を始めると発表した。本プラットフォームを用いることで業務経験の浅い担当者でも専門的な業務知識を容易に導き出すことができ,業務効率向上と社員のビジネススキル平準化を図れる。価格は1年間950万円(システム規模により変動)。2023年度までに関連サービスも含めて30億円の売上を目指す。

大日本印刷,IDカード裏書き業務効率化システム発売

大日本印刷と子会社のDNPアイディーシステムは,自治体が窓口でマイナンバーカードや在留カードなどの本人確認書類の記載事項を変更する「裏書き業務」を効率的にサポートする「DNP券面プリントシステム」の販売を7月に始めると発表した。ICリーダーとスキャナー,プリンター(エボリス社製)の機能を備えた一体型システムで,A4サイズの場所に設置できる。全国の自治体向けに本システムを販売し,2024年度までに約3億円の売上を目指す。

凸版印刷,長野県にDX開発拠点

凸版印刷は,長野県飯綱町の廃校となった小学校を活用した施設「いいづなコネクトEAST」内に入居し,開発拠点「ICT KŌBŌ」を新設。4月20日より稼働を始めたと発表した。DX(デジタルトランスフォーメーション)における事業の核となるシステム開発部門の体制強化を目的とし,地元教育機関の卒業生やU,I,Jターンの採用によるデジタル人材の確保と育成も行う。開設時,社員4人が駐在し,今後は現地の人財採用を進める。

キヤノンメディカルシステムズ,枚葉インクジェット追加

キヤノンメディカルシステムズは,同社が採用する医療機器製品マニュアル自動化生産システムに,枚葉インクジェット印刷機「VarioPrint i300」を追加導入した。同社は世界150以上の国や地域に医療機器を提供しており,2万種以上の小ロット・多品種の医療用機器マニュアルを自社で製作している。出力機をインクジェットに統一し,従来トナー方式のカット紙プリンターで出力していた月間40万ページの手差しページの印刷と,リプリントジョブを同システムに取り込むことが可能になる。6月より新システムの本稼働を始める予定。

日本印刷技術協会,通信教育「よくわかる印刷技術・基本コース」リニューアル開講

日本印刷技術協会は通信教育「印刷技術・基本コース」を全面改訂し,5月に開講する。1.印刷技術基礎1,2.印刷技術基礎2(デジタル印刷機,ワークフローフォーマットなど),3.印刷を支える技術1(組版,光と色など),4.印刷を支える技術2(製本,用紙など)。受講期間は4カ月,受講料(税込)は会員18,700円,一般24,200円。

コダック,新聞印刷向け無処理CTPプレート発表

コダックは4月14日,日本の新聞印刷市場向けの新製品として無処理CTPプレート「KODAK SONORA NX2」を発表した。2018年に日本で販売を始めたSONORA NXの基本性能を継承しつつ,より高感度になったうえ,機上現像性能も良くなった。また感光層の塗膜強度の向上により耐傷性がさらに向上し,現像ありプレートと同等の操作になった。

日本印刷産業連合会,GP認定新規11工場を認定

日本印刷産業連合会は,3月25日の第58回グリーンプリンティング(GP)認定委員会において,新規11工場,更新25工場を認定した。また,GP資機材に関し4社12製品(洗浄剤10製品,インクジェット印刷機1製品,ドライトナー印刷機1製品)を認定した。新規認定工場は,光村印刷草加工場,アート印刷川崎工場,望月印刷業平工場,みつわ(千葉市),博伸社(江東区),遠藤写真工芸所滋賀オフィス・滋賀工場,九州クラフト工業本社・工場,サングラビア(宮崎市),リーブルテック本社・本社工場,図書印刷川越工場・沼津工場,トッパン・フォームズ(トッパン・フォームズ・セントラルプロダクツ滝山工場)。認定有効期限は2023年3月31日。

小森コーポレーション,インクジェット印刷機がGP認定スリースター

小森コーポレーションは4月21日,日本印刷産業連合会が定める「グリーンプリンティング資機材認定」制度において,B2判インクジェット印刷機「インプレミアIS29」が最高ランク「スリースター」の認定を取得したと発表した。インキや洗浄剤等の有害物質が不使用な点や,インキのVOC含有率が0%であることなどが評価された。

●印刷・デザイン・出版関連イベント案内

10月1・2日,横浜でPHOTONEXT

プロ用写真機材や商材,関連セミナーなどのイベント「PHOTONEXT」は6月に開催予定だったが,10月1・2日に延期した。会場はパシフィコ横浜CDホール,主催事務局はプロメディア。入場無料(事前登録不要)。
http://www.photonext.jp/

画像関連学会連合会,6月の春季大会中止

日本印刷学会含む画像関連学会連合会は4月21日,京都工芸繊維大学で6月3~5日に開催予定だった第7回春季大会の中止を発表した。発表申し込みをした会員は,予稿を提出することで春季大会での発表が成立となる。

日本印刷学会,延期・中止行事

日本印刷学会は,6月10日開催予定のグラビア基礎講座と,7月10日開催予定のP&Iシンポジウムを延期する。また7月17日開催予定の夏期セミナーを中止する。
8月18日開催のフレキソ印刷技術研究会と,10月9日開催の秋期セミナーは実施予定。

●新型コロナウイルス関連の編集部コラム

マスクや消毒用アルコールが不足している。印刷会社では,愛媛の佐川印刷がハッピ等の布製品を作っているノウハウを生かし,オリジナル布マスクを製造したと発表した。印刷とは直接関係ないが酒造会社が消毒液の代替品として使えるアルコール濃度の高い酒を生産し始めたとニュースにもなっている。
消毒液には,次亜塩素酸ナトリウムがあり,ごく微量にはプールの消毒などにも使われているという。そして,もう一つの消毒液がアルコールである。
アルコールは,メチルアルコール,エチルアルコール,プロピルアルコール・・・と炭素の数や分子構造で何種類もあるが,平版オフセット印刷の湿し水によく使われているのが,イソ・プロピルアルコール(IPA)である。
IPAも消毒の効果があるため,コダック社(米国)は手指用消毒液の製造支援のため,米国ニューヨーク州にIPAを提供したと発表している。ただし,湿し水のIPAをそのまま消毒液には使えない。工業用IPAと消毒用IPAは,製品試験や保証が異なるので,消毒用には希釈方法など厳密に管理する必要があるという。(つづく)

 

※次週5月4日はお休みします。次回の週刊『印刷雑誌』は5月11日(月)の発行となります。

 

 

 

◆月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2020年5月号【 特集:工夫を凝らす紙器印刷 】(4月20日発行)
今月はさまざまな紙器の活用を紹介します。
POP的なもの、飛び出す絵本的なもの、AR、VRへの誘導、デジタルでの可変印刷などさまざまな話題を盛り込みました。
新型コロナウイルスの影響で、仕事が減っている印刷会社は少なくないでしょうが、軟包装や紙器、とくに小売の食品系は増産が見込まれているようです。印刷を生業としている皆さまに本特集がご参考になれば幸いです。

https://www.japanprinter.co.jp/monthly_magazine/202005/

 

 

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