週刊「印刷雑誌」

11巻 16号 2020年4月20日
Japan Printer weekly vol.11, no.16

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

 

●印刷のお役立ち

シンプレスジャパン,木更津市に感染予防ポスター提供

シンプレスジャパン(東京・麹町)は4月10日,自社工場がある木更津市と協力し,同市が保育園・小中学校・市の公共施設に配布する,厚生労働省が作成した「新型コロナウイルス感染予防対策」ポスターを無償で印刷,提供すると発表した。3密防止と手洗い・マスクのポスターの2種。同社は,オンライン印刷「ビスタプリント」を運営している。

図書印刷,カーボンオフセットを埼玉県に寄付

図書印刷は,埼玉県における地球温暖化防止対策の取組み「ゼロカーボン埼玉」に賛同し,3月23日に同社の川越工場が埼玉県目標設定型排出量取引制度により創出したカーボンオフセットクレジット4349トンを埼玉県に寄付したと発表した。

モノタイプ社,Webでヒラギノフォント販売

SCREENグラフィックソリューションズが開発・販売する「ヒラギノフォント」が,Monotype Imaging Incの運営するフォントオンラインストア「fonts.com」において販売が始まった。それとともに,以前から要望の多かった,海外で利用可能なWebフォントも発売された。
Monotype Imaging Inc.は,書体,技術,専門知識を通じて表現力のほか,顧客接点での一貫したブランド体験を世界中に提供している。Monotypeライブラリには,Helvetica,Univers,Frutigerなど広く知られ,使用されているフォントファミリーなど,2万以上の書体が収録されている。

●プロの世界

ハイデルベルグ・ジャパン,3製品セットをオンラインショッピングで無償提供

ハイデルベルグ・ジャパンは印刷必需品のオンラインショッピングサイト「ハイデルベルグeShop」において感染予防対策として「サフィラ」の3つの製品サンプルをセットで無償提供している。製品サンプルは,塗料専用ハンドクリーナー「ペイントバスター」,ローラー保護剤「サフィラローラープロテクション」,毎日の給水装置ローラーメンテナンスに適する「サフィラローラー親水処理剤AK-1」の3製品。1社1回まで,5月31日発注分までで,なくなり次第申込終了,5月初旬より順次発送予定。

キヤノン,大判インクジェットプリンター新製品発売

キヤノンは,大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF PRO」シリーズの新製品として,写真やアート作品,商業広告などの市場向けに8色インクモデル2機種,12色インクモデル3機種を4月13日より発売する。60インチ(紙幅1524mm)からA1判ノビまで対応。ロール紙交換時の自動化をはじめ性能が向上している。32万8000円から最高機種は7月上旬発売で149万円。

エプソン,デジタルラベル印刷機専用RIP発売

エプソン販売は,デジタルラベル印刷機「SurePress」専用の純正ソフトウェアRIP「Epson Edge Print Label」を4月13日に発売した。独自の色再現性を高めるカラーマネジメント技術「Color Control Technology」を採用し,オプションの測色計(X-Rite社製「i1 Pro2」)と合わせて利用することで,コーポレートカラーや既存成果物と同色の再現など,高い精度が求められる調色でも,短時間で仕上げることが可能になる。5年間ライセンスのパッケージで120万円。

凸版印刷,日本初の世界最高水準のホログラム認証取得

凸版印刷は4月10日,世界最高水準のセキュリティ・マネジメントシステムの要件を規定した国際規格ISO14298の認証を取得したと発表した。本認証によりISO14298で定められた工程管理のもと製造されたホログラムを世界各国の紙幣,パスポート,IDカードなどに向けて提供することが可能になる。現在,全世界で50ヵ国,140ヵ所以上の工場が認定されているが,日本では凸版印刷が初めてという。

FFGS,バリアブル印刷ソフトバージョンアップ

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズは,自動組版機能を持つバリアブル印刷ソフト「FormMagic5」を3月末に発売した。宛名書き・差し換えソフトの領域に加え,宣伝効果の高いバリアブル(可変)印刷データを作成できる。流し込む項目データの有無やフラグを判断し,レイアウトを可変させる「自動判断組」や,グラフ作成,イメージバリアブルなども可能なため,顧客情報に合わせて宣伝商品や表現を変えるワンtoワンの明細書,健康診断レポートなど,リッチデザインが求められる印刷物に適する。

電子出版制作・流通協議会,電流協アワード2020発表

電子出版制作・流通協議会は4月17日,第3回「電流協アワード」の受賞者を発表した。大賞は“マンガ図書館Z”とその立案・運営/(株)Jコミックテラス・赤松健氏,特別功労賞は萩野正昭氏/(株)ボイジャー,そのほか特別賞4件。

小森会,2020年度の各地域のブロック会中止

小森コーポレーションの顧客を中心に組織する小森会は,新型コロナウイルスの感染拡大のため,北海道から九州・沖縄まで8地域のブロック会を2020年度は中止する。

●印刷・デザイン・出版関連イベント案内

6月25日まで,東京ビジネスデザインアワードで2020年度のテーマ企業募集

東京ビジネスデザインアワード事務局(日本デザイン振興会)は6月25日まで,「東京ビジネスデザインアワード」の2020年度のテーマ企業を募集している。同アワードは東京都内のものづくり中小企業と優れた課題解決力・提案力を併せ持つデザイナーとが協働することを目的とした,企業参加型のデザイン・事業提案コンペティション。中小企業の高い技術や特殊な素材等をコンペティションの「テーマ」として募集し,選定する。
5月27日に赤坂のミッドタウン・タワーのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで説明会を催す。
https://www.tokyo-design.ne.jp/news/2020/200414/

6月26日,日本画像学会が東京・芝公園の機械振興会館でシンポジウム

日本画像学会は6月26日,「イメージング技術が残した足跡,示した進化:画像技術/シミュレーション技術の進歩を振り返る」をテーマに東京・芝公園の機械振興会館でシンポジウムを催す。参加費は,会員10,000円,非会員17,000円,学生2,000円。
http://www.isj-imaging.org/event/symposium/symp_2020/2020_symp_tokyo.html

7月9・10日,日本画像学会が東工大すずかけ台キャンパスで技術講習会

日本画像学会は7月9・10日,第84回「技術講習会」を横浜市の東京工業大学すずかけ台キャンパスで行う。各種ノンインパクトプリンティング技術に関する基礎と展望を学ぶことができる。参加費は,会員25,000円,学生3,000円,非会員38,000円。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_course/2020_tech_84.html

10月9・10日,全日本印刷文化典長野大会

全日本印刷工業組合連合会は関東甲信越静地区印刷協議会,長野県印刷工業組合とともに10月9・10日,ホテル国際21で全日本印刷文化典長野大会を開く。
http://www.nagano-pia.jp/insatsubunkaten/

SOPTECとうほく2020中止

宮城県印刷工業組合は4月13日,主管する印刷イベント「SOPTECとうほく2020」(7月2・3日,仙台卸商センター産業見本市会館サンフェスタ)を中止すると発表した。なお,「SOPTECとうほく2021」は2021年7月1・2日に開催を予定している。

●新型コロナウイルス関連の編集部コラム

書籍や雑誌,新聞,チラシなどに関し,感染者が直接手にした印刷物をすぐに次の人が手にしたら,その人も感染するかもしれないが,印刷された紙媒体を受け取るのに新型コロナウイルスの感染リスクはほとんどないようだ。WHOも,新型コロナウイルスが報告されているエリアから荷物を受け取ることに関し,問題ないとしている。
最近の研究発表では,新型コロナウイルスは段ボールの表面で最長24時間,プラスティックやステンレスの表面では最長2〜3日ほど生存していたという(あくまで実験結果)。
周知のとおり,新型コロナウイルスの潜伏期間は1~14日(一般的には5日)とされているが,それは人の体に入ってからのことであり,WHOは感染エリアからの荷物の受け取りに「感染した人物が商品を汚染する可能性は低く,移動,およびさまざまな条件と温度にさらされたパッケージから新型コロナウイルスを受け取るリスクは低い」と言っている。印刷工場から消費者が印刷物を手にするという流れは,感染のリスクは低いだろう。(つづく)

 

 

 

◆月刊『印刷雑誌』最新号のご案内

2020年5月号【 特集:工夫を凝らす紙器印刷 】(4月20日発行)
今月はさまざまな紙器の活用を紹介します。
POP的なもの、飛び出す絵本的なもの、AR、VRへの誘導、デジタルでの可変印刷などさまざまな話題を盛り込みました。
新型コロナウイルスの影響で、仕事が減っている印刷会社は少なくないでしょうが、軟包装や紙器、とくに小売の食品系は増産が見込まれているようです。印刷を生業としている皆さまに本特集がご参考になれば幸いです。

https://www.japanprinter.co.jp/monthly_magazine/202005/