週刊「印刷雑誌」

10巻 43号 2019年11月18日
Japan Printer weekly vol.10, no.43

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
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■印刷をたのしむ

集英社,モアレ除去AI技術を採用

集英社の「ヤングジャンプ定期購読デジタル」で配信中の「デラックス版」は,共同印刷が開発したAI技術を活用して高品質なまんが電子書籍画像を生成する「eComicScreen+」を採用した。極小エリアにおけるスクリーントーンの認識モレや複雑な形状をしたスクリーントーンの認識ムラ,細い線とスクリーントーンが重なった部分の細線のボケなどを改善する。

キヤノン,オリジナルデザインでのアイロンプリントシート発売

キヤノンは,好きな写真やイラストをプリントして,Tシャツやバッグなどのオリジナルグッズ作りが楽しめる“アイロンプリントシート”を11月8日から発売した。アイロンプリントシートに好きなデザインをプリントし,アイロンをかけることで,布製のオリジナルグッズを作ることができる。使用する生地の色に応じて,きれいな発色でプリントできるように,「白生地用」と「カラー生地用」の2種類が用意されている。

共同印刷,小倉遊亀「つかのま」高級美術複製画発売

共同印刷は11月8日,小倉遊亀画伯「つかのま」の高級美術複製画を,限定300部で制作,販売を始めた。本作品は,小倉遊亀が八十八歳,末広がりの「八」が二つ重なる大変おめでたい米寿の年に制作された。凛と伸びる枝や,満開に咲いた白梅の「つかのま」の美しさが,画伯の優しい眼差しを通して力強く,かつ繊細に描かれている。
同社が独自開発した複製画の技法「彩美版」を駆使し,さらに作品一部ずつを職人がシルクスクリーン手刷りで仕上げた。画面寸法は天地45.5cm×左右37.5cm,額・軸(各)18万5000円(税別)。

富士ゼロックス,デジタルカラー複合機旗艦モデル拡充

富士ゼロックスは,デジタルカラー複合機の旗艦モデル「ApeosPort-VII C / DocuCentre-VII C」シリーズに,新たに「ApeosPort-VII C 3372 / DocuCentre-VII C 3372」の2機種を追加し,11月15日に発売した。シリーズの低速機ラインアップを拡充するカラー,モノクロともに連続複写速度30枚/分(A4判横)の新モデル。138万円~243万円。

キヤノン,A3判モノクロレーザー複合機発表

キヤノンは「Satera」シリーズの新製品として,ビジネス向けA3判モノクロレーザー複合機「Satera MF7525F」を12月上旬に発売する。毎分25枚(A4判片面)の印刷速度,7.0型カラー液晶タッチパネルの採用による視認性・操作性の向上と,標準給紙容量の増強を図った。本体稼働状況のモニタリングにより,複合機の管理負荷を削減する無償オンラインサポートサービスに対応している。79万円。

キヤノン,有線/無線LAN対応のドキュメントスキャナー発表

キヤノンマーケティングジャパンは,キヤノン電子製のドキュメントスキャナー「imageFORMULA」シリーズの新製品として,有線/無線LANに対応したA4判ネットワークモデル「DR-S150」を11月下旬より発売すると発表した。PCを使わずにファイル送信が可能。10万円。

■プロの世界

電子出版制作・流通協議会,『電子図書館・電子書籍貸出サービス調査報告』発刊

電子出版制作・流通協議会は,公共図書館及び大学図書館における「電子図書館サービス・電子書籍貸出サービス」の導入について,そのメリット・デメリットや行政・自治体・民間で導入の際に整理すべき事項を取りまとめることを目的に,7~8月にアンケートを行った。その分析~集計結果をもとに『電子図書館・電子書籍貸出サービス 調査報告2019』を11月20日に発行する。
植村八潮/野口武悟/電子出版制作・流通協議会 編著,B5判,3200円(税別),印刷学会出版部 発売。

ディノス・セシール,グーフに出資

ディノス・セシールは,印刷プラットフォームサービス事業を展開中のグーフに対して,第三者割当増資引受により出資することを11月18日に発表した。後者は,顧客企業の決済などのデータと連携して個別化された印刷データを生成し,最短24時間での印刷を可能とするサービスを提供している。前者は,今後も紙メディアが事業戦略の中心となると想定し,アナログとデジタルの融合を加速させる新たなソリューション提供企業として,後者が今後の重要なビジネスパートナーともなり得ると判断した。

日本アグフア・ゲバルト,大型広告などに適する大判プリンター発売

日本アグフア・ゲバルトは11月13日,ロールメディア用の大判プリンタ-「JETI TAURO H3300 LED」の販売を始めたと発表した。大型の広告幕,懸垂幕などの出力時間を短縮し,独自の搬送システムにより大型幕の出力・生産工程の効率化を図ることができる。出力速度は最高453m2/時,実用的印刷モードで226m2/時。3.2m幅・50m巻きのロールメディアは1本あたり40分ほどで印刷が終わる。ロールユニットは直径600mmまでが搭載可能でメディア交換の頻度を減らす。

キヤノン,IDカードプリンターの新製品発表

キヤノンマーケティングジャパンは,キヤノンファインテックニスカ製のIDカードプリンターの新製品として,印刷とICカード・磁気カードへのエンコードを同時に行える再転写印刷方式の「IX-R7000」を12月中旬に発売する。ダイレクト方式と比べ,非接触ICカード等の表面に凹凸があるカードへの印刷,フチなし全面印刷も可能。約25秒/枚の生産性,600dpiの解像度。オープン価格だが,市場参考価格69万8000円。

エプソン販売,大判インクジェットプリンター消耗品価格改定

エプソン販売は大判インクジェットプリンターのインクカートリッジとクリーニング液の一部の標準価格を,2020年2月1日より改定する。平均改定率は6%の値上げ。

富士フイルム,印刷関連材料製品の価格改定

富士フイルムは製版材料をはじめとした印刷関連製品の価格を2020年2月1日から改定する。アナログ方式で印刷版を作成する際に必要な製版材料などの需要が大幅に減少しているため。対象製品は,製版フィルム,フォトマスク用フィルム,これらの処理薬品。改定率は25%以上の値上げ。

セイコーエプソン,ノズル自己診断システムが受賞

セイコーエプソンは11月14日,インクジェットプリンターのドット抜けを自動的に検知し,適切な回復処理を行う「高速プリンターインク吐出異常検出装置」の発明が,発明協会が主催する「令和元年度関東地方発明表彰」において,日本弁理士会会長賞を受賞したと発表した。今回表彰の対象となった発明は,ノズルごとにドット抜けの原因を特定し,適切な回復処理をするもので,スループット低下を抑制できる。大量印刷時のドット抜けによるプリントミスなどの無駄を抑える効果が期待できる。

モリサワ,車いすバスケットボール連盟とサポーター契約

モリサワは11月12日,日本車いすバスケットボール連盟とオフィシャルサポーター契約を結んだとに発表した。同社は2015年から日本障がい者スポーツ協会のスポンサー企業としても,障がい者スポーツの普及ならびに支援やサービス向上に努めている。

■印刷・出版・デザイン関連イベント

12月20日まで,丸善日本橋店がSDGsのブックフェア

東京の丸善日本橋店は12月20日まで,「2030年“誰一人として取り残さない”世界は可能か」をテーマにSDGsに関するブックフェアを行っている。
https://honto.jp/store/news/detail_041000039661.html?cid=M019_20191108_pc

11月19日~2020年3月29日,六本木の森美術館が未来と芸術展

東京・六本木の森美術館は11月19日~2020年3月29日,「未来と芸術展」を開く。AI,バイオ技術,ロボット工学,ARなど最先端の技術とその影響を受けて生まれたアート,デザイン,建築を通して,近未来の都市,環境問題からライフスタイル,そして社会や人間のあり方を考える展覧会。入場料は,一般1800円,学生(高校・大学生)1200円,4歳~中学生600円,65歳以上1500円,前売り券あり。
大日本印刷の透明スクリーンが,クリエイティブ集団PARTYと建築事務所noizが制作するアート作品で採用されたが,本作品は「2025年大阪・関西万博誘致計画案」というタイトルで本展覧会で展示される。
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/future_art/index.html

11月19日,FFGS,ゼロックス,アビッド・フレックスが名古屋でパッケージフェア

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ,富士ゼロックス,アビッド・フレックスは11月19日,名古屋の富士フイルムで「ワークフロー改革のポイントはどこだッ!」と題するセミナーのほか,効率アップとコストダウンを図るフェアを行う。
https://www.avid-flex.co.jp/news/%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%BC%BE

11月27日,日本印刷技術協会が『印刷白書2019』発刊記念セミナー

日本印刷技術協会は11月27日,東京・中野富士見町の同協会で10月発刊の『印刷白書2019』に関するセミナーを催す。主要なトピックを解説し,「デジタル×紙×マーケティング」で印刷ビジネスがどのように変わるのかを探る。特別講演では,東京工科大学の藤崎実氏にSNSマーケティングの成功のポイントについて伺う。参加費は,会員(印刷白書なし)5500円,一般(印刷白書あり)15,400円。
https://www.jagat.or.jp/cm2019_hakusho2019

11月28日,東機産業がレオロジー講座

東機産業は11月28日,東京・新橋の交通ビルで「入門と測定技術」をテーマに第34回「レオロジー講座」を開く。受講料は5000円。
http://www.tokisangyo.co.jp/pdf/paper/34rheology.pdf

12月4日,大日本印刷が産業制御システムセキュリティのセミナー

大日本印刷は12月4日,東京・五反田の同社で「産業制御システムセキュリティのいまとこれからを考える」をテーマにセミナー行う。Society5.0社会ではOTとITの融合が進み,工場・設備へのサイバー攻撃対応・対処が不可欠となる。産業制御システムセキュリティの現状・今後の展望から対応・対処まで,有識者を交え解説する。参加無料。要申込。
https://www.dnp.co.jp/biz/eventseminar/seminar/1193132_1595.html

2020年2月5~7日,幕張メッセで販促・マーケティング総合展

販促やマーケティングに関係する,販促EXPO,Web販促EXPO,広告宣伝EXPO,営業支援EXPO,看板・ディスプレイEXPO,店舗運営EXPOの複合展「JapanマーケティングWeek 2020 春」(旧称:販促・マーケティング総合展)が2020年2月5~7日,千葉の幕張メッセで開かれる。主催はリードエグジビションジャパン。入場料5000円,招待券等で無料。
https://www.sp-world-spring.jp/ja-jp.html

 

 

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2019年12月号【特集:フレキソと軟包装デジタル】11月20日発行

日本印刷学会の「パッケージにおけるデジタル印刷の最新動向」の講演から市場から技術や、デジタル機の状況、水性インクジェット連続吐出技術を紹介。また、軟包装用のUVインクジェット印刷機の使用事例、水性インクジェットに挑戦しているシンク・ラボラトリーの開発中の一端を掲載したほか、フレキソ印刷機の動向についても紹介します。今秋、たび重なる台風により被害を受けた印刷工場も多くありました。今回水害対策のワンポイントマニュアルを掲載いたしましたのでご参考になれば幸いです。

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