週刊「印刷雑誌」

10巻 33号 2019年9月9日
Japan Printer weekly vol.10, no.33

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

 

■印刷を楽しむ

帆風,全店でその場でオリジナルデザインが作成可能に

帆風は9月2日より,タブレット上でデザインを編集し,その場で仕上イメージを確認できるデザイン編集システムを,都内7店舗・大阪1店舗の全店に導入した。操作は,店舗スタッフがサポートする。デザインができない人でもオリジナルアイテムを作れるよう多くのデザインテンプレートを用意。商品アイテムは,名刺からTシャツまで広くラインナップしている。

帆風,9月14日に青山店でトートバッグをチャリティ販売

総合印刷会社の帆風は9月14日(表参道・青山・原宿エリアで開催される「VOGUE FASHION’S NIGHT OUT 2019」(FNO)にVanfu青山店として参加し,FNO限定イニシャルトートバッグをチャリティ価格で販売する。FNOは,コンデナスト・ジャパンが主催するファッションの祭りで,開催目的のひとつでもある“ファッションによる社会貢献”実現のため,毎年チャリティ企画も行っている。

富士フイルム,フォトブックシリーズの楽しみ方を拡大

富士フイルムは,スマホやデジカメで撮影した画像を使って,印刷仕上げのおしゃれなフォトブック「PhotoZINE」の楽しみ方を広げる新サービスを9月3日より店頭で順次受付を始めた。PhotoZINEの注文受付ソフトに,ダイアリーや手帳,寄せ書きなどが作成可能なページデザインを選択できる「デコレーション機能」を新たに搭載した。お気に入りの写真が入った,オリジナルの手帳や旅の思い出を書き留めた旅行記などを作成でき,幅広い用途・シーンで活用できる。

大日本印刷,楽譜流通チャネルを創出

大日本印刷は8月,タブレット端末上で瞬時に“移調”できる電子楽譜活用アプリ「MuseCloud」の提供や,オンデマンド印刷による紙の楽譜の販売など,統合的なサービスを提供する次世代型の楽譜流通販売事業を8月に始めた。楽譜を所有する国内外の出版社や所蔵機関と,楽譜を利用する演奏者の両方にサービスを提供し,楽譜の印刷・販売,アプリ関連のサービスを提供する。

DNPコミュニケーションデザイン,LINEアカウントに新機能

DNPコミュニケーションデザインは8月21日,LINE公式アカウントを活用した店頭でのマーケティング強化に向けて,スタンプラリー機能,プレゼント・クーポン機能を追加したと発表した。本機能によって,顧客一人ひとりに合わせた情報が提供できるようになり,企業側は実店舗への来店を促進できる。第一弾として,女性向けスキンケア商品のロクシタンジャポンの公式アカウントで運用されている。

キンコーズ,新たなサービスを提供

キンコーズ・ジャパンは8月23日,法人向けサービス「働き方改革ソリューションWIL」の提供を始めた。4つのコンテンツとクラウドサービスで,業務効率化につながる新しい働き方を提案する。コンビニでのプリントが可能になったほか,PDF資料の電子カタログ化,クラウド上でデータを管理する名刺発注システム,データ入稿サービスが利用できる。

キヤノン,スマホから簡単プリントの家庭用インクジェット複合機発表

キヤノンは,家庭用インクジェットプリンター「PIXUS」シリーズの新製品として,多機能モデル“TS8330/TS7330/TS6330/TS5330”と,高画質・低ランニングコストを両立したプレミアムシリーズ“XK60”の計5機種を9月5日より発売した。新製品は,SNSと連携したプリントサービスを拡充することで,日常生活の中で簡単にプリントを楽しむことができる。また,スマートスピーカーとの連携をさらに強化し,声だけでプリントできるコンテンツが増加したほか,アイロンプリントシート(11月発売予定)に対応し,オリジナルTシャツが作れるなど,新しい楽しみ方を提案している。オープン価格(参考価格はXK60で40,980円)。

キヤノン,特大容量タンクのビジネス向けインクジェット複合機発表

キヤノンは,大容量タンク「GIGA TANK」を搭載したインクジェットプリンターの新製品として,カラー複合機“G7030”と,モノクロ複合機“GM4030”を11月上旬より発売すると発表した。G7030は自動原稿送り装置(ADF)やファクス機能を搭載。GM4030はADF搭載。GIGA TANKは,G7030でブラックインクボトル(別売り)1本分の容量で約8300ページ,カラーインクボトル(シアン/マゼンタ/イエロー・別売り)の場合は約7700ページの印刷が可能。インクコストは2機種ともA4判モノクロ文書1ページ当たり約0.4円,G7030はA4判カラー文書1ページ当たり約0.9円。オープン価格(参考価格としてG7030は44,980円)。

■プロの世界

金羊社,特注プリントガラスフィルムで空間全体のデザインを展開

金羊社は8月30日,特注プリント建材の製造・販売を行う「CRIOS」から,これまでのプリント床・壁タイル・塩ビタイル,タイルカーペットに加え,新たに「特注プリントガラスフィルム」を建材のラインナップに追加したと発表した。今回新たに追加したのは,オフィスなどで使用される「プリントガラスフィルム【目隠し】」とインテリアや店舗のショーウィンドウなどで使用される「プリントガラスフィルム【フルカラー】」の二種類で,それぞれ1平方メートルから製作が可能。

凸版印刷,新型パウチを開発

凸版印刷は8月26日,電子レンジでの調理後その容器のまま食べられる「いただきパウチ」を開発したと発表した。電子レンジで調理したレトルトパウチの開封状態を維持でき,食器に移し替える手間がない上,トレイ型に比べプラスチックの使用量を50%削減できる。

エプソン,昇華転写プリンターの新製品発表

エプソングループは9月10日,商業・産業向け大判インクジェットプリンター「SureColor」シリーズ昇華転写プリンターの新商品として,2つの新モデルを発売する。純正の昇華転写インクは汗・水に強く,繊維製品の国際的安全基準であるエコパスポート認証を受けており,乳幼児の衣料にも安心して使うことができる。
「SC-F550」(34万8000円)は一般的なオフィスデスクに置ける24インチサイズ。ロール紙と単票紙を同時にセットでき,自動的にプリントする用紙を切り替える。4.3インチのタッチパネルで,インク残量やエラーの内容をPCなしで確認できる。「SC-F6350」(84万8000円)は従来機でサービスエンジニアを呼ぶ必要があったヘッドキャップのクリーニングを,顧客自身でメンテナンス可能にした。オプションで自動巻取ユニットを追加することで,大量プリント時の作業効率の向上が図れる。
※昇華転写:昇華型インクでプリントした転写紙に熱を加えインクを気化させ,ポリエステルなどの素材に染み込ませるプリント方式で,スポーツアパレルなどの制作に利用されている。

ミマキエンジニアリング,IJプリンターとカットプロッター新製品

ミマキエンジニアリングは,看板市場向け環境対応溶剤インク搭載の1371mm幅大判インクジェットプリンター「JV300-130 Plus」(190万円)とカット機能が付いた「CJV300-130 Plus」(268万円),カッティングプロッター「CG-130FXII Plus」(98万円)を9月末から発売すると発表した。無人連続カットを可能にする新機能と,ネットワークケーブルを通じてプリンターにデータ送信可能な新接続方式Ethernet接続を追加することで,省人化と効率化を図った。環境対応インクカートリッジ(8色,600ml)は,プラスチックケースを再利用して,利用者が中身のインクパックを入れ替える。コストは従来比15%減。

エプソン販売,カラーマネジメント技術発表

エプソン販売は10月1日から,商業・産業印刷における色再現性を高めるカラーマネジメント技術「Color Control Technology」を活用した2つの役務提供を始めると発表した。プリンター導入後の顧客の色合わせプロセスにおいて,4つの技術「色予測」「色解析」「色変換」「色最適化」を用い,短時間で高精度なカラーマネジメントを図る。
「プリンターカラーマッチング」では,従来製品の色味をエプソンプリンターで高精度に再現できるよう,スタッフが直接プリンターの設定・調整を行う。「メディアプロファイル作成」では,各メディアに応じた画質・発色で印刷できるメディアプロファイルを,訪問した同社のスタッフが作成する。

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン,RPAソリューション製品発表

ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは8月,印刷・出版業界向けにRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ソリューション「Made To Print」を発売した。InDesignファイルの印刷やPDF書き出し,パッケージなど複数処理を一括で実行し,定型作業の手間・時間の削減を図る。ホットフォルダに対して用途に応じたジョブ設定を行うことで,エクスポート処理を全自動で行うことが可能。生成するファイル名や出力先フォルダの階層の指定を自動化することもできる。処理前には自動でプリフライトチェックが行われ,問題のないデータのみ処理が実行される。

ホーユー,ヘアカラー業界で初めてUCDA認証を取得

ホーユーはこの度,ヘアカラー業界で初めてUCDA認証「見やすいデザイン」を取得した。ヘアカラーメーカーの商品を使うとき,使用説明書が大きな役割を果たすが,ユニバーサルコミュニケーションデザインの考え方を取り入れ,「見やすく,わかりやすく,伝わりやすい」説明書を目指しした。

モリサワ,神戸大学に協力した“動きながら読む”フォントの可読性が英国学会で発表

モリサワは,同社が協力する神戸大学の研究が,9月11~13日にロンドンで開催される,ウェアラブルコンピューティング分野における国際会議「ISWC 2019」で登壇発表されると発表した。研究は,神戸大学大学院 工学研究科電気電子工学専攻 教授 寺田努氏のチームによるもので,テーマは,「頭部装着ディスプレイでの画面揺れを考慮したフォントの可読性・可視性」。

沖データ,化学物質管理ミーティングで卓上型カラーLEDラベルプリンター出展

9月18~19日にパシフィコ横浜で「化学物質管理ミーティング2019」が開かれるが,沖データは5月に発売を始めた,世界初という卓上型カラーLEDラベルプリンター「Pro1050」を出展する。

方正,ネット上の記事不正利用をAIでパトロール

方正は,記事コンテンツがインターネット上に無断で転載されているかどうかをAIによって検知し,その類似度も判定するコンテンツ不正利用監視サービス「CosmosEye」のクラウドサービスを始めた。調査対象の記事コンテンツをこのサービス上に登録すればWeb上をパトロールし,無断転載の可能性のあるコンテンツを一覧化,AIによる自然言語処理によって元のコンテンツと対象コンテンツを比較し,100段階で類似度を判定する。類似したサービスとの比較では,類似記事の発見数は1.5倍から2倍以上。単一記事の調査のほか,継続して複数のコンテンツを無断転用している悪質なサイトを明示する機能もある。パトロールは設定次第で,数ヵ月から1年後まで継続して行える。
サービス価格は従量課金制で,たとえば100記事をパトロールする場合5000円。大量のコンテンツの調査を行う場合は,コンテンツデータベースなどとシステム連携するためのAPIを提供する。

セイコーエプソン,イノベーションラボ開設

セイコーエプソンは8月26日,「インクジェットイノベーションラボ富士見」を,長野・諏訪の富士見事業所に開設したと発表した。インクジェット技術の応用範囲を拡大することを目的に,広く研究機関や企業と連携してオープンイノベーションの強化を目指す。

日本印刷技術協会,10月に会員大会

日本印刷技術協会は10月23日,東京・目白のホテル椿山荘東京で会員大会「JAGAT大会」を開く。講演「JAGAT最新調査から読み解く印刷業界の最新動向」日本印刷技術協会・藤井建人部長,「商売と経営~売れて・喜ばれて・儲かる」高倉町珈琲・横川竟社長,討論「実践!デジタル×紙×マーケティング+AI」アウトブレイン ジャパン・本間充顧問,SENSY渡辺祐樹社長,日本印刷技術協会・郡司秀明専務理事,などがある。

■印刷・デザイン・出版関連イベント

9月10日締切,日本印刷学会が研究発表会講演募集

日本印刷学会は10月31日と11月1日に京都工芸繊維大学で第142回研究発表会(2019年秋期研究発表会)を開催するが,9月10日まで,講演を募集している。予稿締切は10月1日。
http://www.jspst.org/event/kenkyu/invite142th.html

9月13日まで,日興美術とデジタル総合印刷がSDGsをテーマに展示会

日興美術とデジタル総合印刷は共同でSDGsをテーマに,9月13日まで東京・神田須田町のLAB.AS TOKYOで展示会「LAB.AS TOKYO SDGs Week」を開いている。SDGs貢献のために印刷会社ができることを紹介している。入場無料だが事前予約制。
https://www.dps-company.jp/lf/labas-sdgs-week/?lfcpid=3

11月30日締切,日本印刷学会が技術賞候補と技術奨励賞候補,募集

日本印刷学会は,印刷技術の発展に顕著な功績があった人に,選考のうえ「日本印刷学会技術賞」を贈り,表彰している。また,より幅広く会員各位の参画(応募・推薦)を図るため,評価,選考の基準を見直して新設した「日本印刷学会技術奨励賞」を表彰している。同学会は,11月30日まで,受賞候補者を募集している。
また日本印刷学会は,会員各位の研究費の一部を補助するため,大学(大学院を含む),民間および国公立研究機関などの若手研究者を優先的に,研究奨励金を贈呈している。自薦,他薦を問わず,11月30日まで交付金希望者を募集している。
http://www.jspst.org/prize/enter.html#gijutsho
http://www.jspst.org/prize/enter.html#sec_shoreikin

9月11~13日,ビッグサイトで新たな価値をプラスする素材・技術の展示会

新たな価値をプラスする素材・技術の展示会「エヌプラス」が9月11~13日,有明の東京ビッグサイト青海展示棟で開かれる。主催は,プラスチック工業技術研究会とアテックス。入場料2,000円,事前登録で無料。
http://www.n-plus.biz/

9月12日大阪,19日東京,次世代のEC×店舗戦略などのイベント

ネット&スマートフォン・コマース2019,インストアテック2019,アプリケーション・パフォーマンス2019が9月12日にグランフロント大阪で,9月19日に東京・丸の内のJPタワーホール&カンファレンスで開かれる。主催はナノオプト・メディア。来場無料,事前登録制。
https://forest.f2ff.jp/introduction?project_id=20190901
https://forest.f2ff.jp/introduction?project_id=20190903

9月18~20日,名古屋でエレクトロニクス開発・実装展

エレクトロニクス開発・実装展の第2回ネプコン ジャパン-エレクトロニクス開発・実装展-が9月18~20日,名古屋のポートメッセなごやで,リード エグジビション ジャパンの主催により開かれる。
https://www.nepconjapan-nagoya.jp/ja-jp.html

9月20日,VPJがRPA機能搭載InDesign自動処理セミナー

ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは9月20日,東京・渋谷の同社で,InDesignファイルの印刷・書き出しを自動化するエクスポート一括自動処理ソリューションを搭載した「ターボサーバーEXPRESS」を紹介するセミナーを催す。参加無料,定員30人,要申込。
http://www.vpj.co.jp/news/pickup/detail.html?pid=222

9月26日,電子出版制作・流通協議会がデジタル出版の未来のセミナー

電子出版制作・流通協議会は9月26日,東京・一番町のJCIIビルで「電流協アワード受賞者が語るデジタルパブリッシングの未来」をテーマにセミナーを催す。専修大学の植村八潮教授(日本出版学会会長)をコーディネーターに,鈴木綾一(講談社),籾山悠太(集英社),水野圭輔(ピースオブケイク),五木田隆(ベネッセコーポレーション),伊東敦(出版広報センター,集英社)の各氏が登壇する。参加費は,会員無料,一般2000円。定員100人,要申込。
https://aebs.or.jp/seminar20190926.html

10月8日,日本印刷技術協会が「プロセスオートメーションがもたらす未来」セミナー

日本印刷技術協会は10月8日,東京・中野富士見町の同協会で「プロセスオートメーションがもたらす未来」をテーマにセミナーを催す。ネットワークカメラ/画像処理による工程自動化,印刷画像検査へのディープラーニング適用,PrintOSによる印刷業務効率向上,印刷業界の将来像,の各講演で構成。参加費は,会員11,000円,一般15,400円。
https://www.jagat.or.jp/tg101520266

 

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2019年9月号【特集:表面加工と製本】

今月号の特集は、製本も含めた後加工に焦点を当てました。大興印刷から疑似エンボスを得意とするインラインフォイラーについて、東洋シールから付加価値シール印刷について、日本アーツから立体物への表面加工について、あけぼのから最新の自動無線綴じラインとその生産性向上を図る経営管理システム(MIS)について、またミューラー・マルティニ社から紙の書籍の未来に関して、ハイデルベルグ・ジャパンから印刷側からのデータを連携させて生産性を上げる内覧会の様子を紹介します。(中村幹:本誌編集長)

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