週刊「印刷雑誌」

9巻 35号 2018年9月25日
Japan Printer weekly vol.9, no.35

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
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◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

 

■印刷からの拡がり

キンコーズ,「楽天市場」にECギフトショップを開設

キンコーズ・ジャパンは9月19日,インターネット・ショッピングサイト「楽天市場」にECギフトショップ「Kinko’ s Gift 楽天市場店」を開設した。写真入れ,名入れサービスを中心としたオリジナルギフト商品を展開する。同ショップ限定のオリジナルTシャツプリントサービスも行う。

凸版印刷,江戸期の福井城をVRで復元

凸版印刷は,江戸時代の福井城天守をバーチャルリアリティ(VR)で再現し,現在も残る石垣や水堀と往時の姿を重ねながら現地をめぐる観光体験を提供するアプリ「ストリートミュージアム」で9月20日より公開した。同アプリでは現代地図の上に古地図を重ねて見ることができ,城郭内の建物の配置や旧町名など,古地図でしか知ることのできない歴史的背景も確認できる。

凸版印刷,大仏修復の歴史を解説

凸版印刷は9月14日,東大寺と大仏の歴史を記す歴史資料やバーチャルリアリティ(VR)作品を活用して,大仏造立と修復に関わった人々の思いを伝える映像作品を制作したと発表した。同寺敷地内のミュージアムで公開し,常設展示している。

大日本印刷,チラシデータを活用した動画広告サービス

大日本印刷は9月21日,Kaizen Platformおよびロカリオと連携し,チラシの制作データを活用して,広告用の動画素材を短時間で制作し,チラシが新聞に折り込まれるのと同じタイミングで動画広告としてインターネットに配信できるサービスを始めた。動画広告の素材はKaizen Platformが印刷物の制作データから48時間以内に制作し,動画広告メニューはロカリオと連携することで,動画共有サイト「YouTube」を中心とする広告ネットワークと,「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」で配信する。大日本印刷は企画・制作・全体の進行・管理を行う。

凸版印刷,Webサイトの多言語化サービス

凸版印刷は9月18日,シックス・アパートが提供するWebサイト構築のためのCMS(コンテンツ管理システム)プラットフォームと,凸版印刷が東日本電信電話の文化観光業界特化型AI翻訳サービスを活用して提供する翻訳サービスとを連携するサービス「ジャパリンガル for MovableType.net」を始めた。CMSの管理画面から翻訳発注できる機能が実装され,Webサイトの翻訳を短納期かつ低コストで実現できるようになる。

凸版印刷,世界農業遺産の情報発信支援

凸版印刷は9月19日,岐阜県が内水面漁業の振興と世界農業遺産「清流長良川の鮎」に関する情報発信拠点として6月に開設した「清流長良川あゆパーク」の展示設計製作ならびに映像制作を受託したと発表した。同社は,長良川流域の水中映像,空中映像および陸上映像を交えた映像コンテンツと,鮎漁や伝統工芸品をはじめとする長良川流域の文化や歴史を紹介する常設展示の企画・設営を行っている。

凸版印刷,文化体験観光事業に参入

凸版印刷は9月20日,トッパントラベルサービスと共同で,訪日外国人向けに日本の伝統文化を体験できるツアープログラムの販売を始めたと発表した。伝統ある神社・仏閣から日本の歴史や倫理観を学ぶ企業幹部向けプログラムや,和食文化の一つである日本酒を通じその魅力やものづくりの極意を学ぶ国際視察向けプログラムなどがある。

■新製品発売

エプソン,定額プリントサービスにA4複合機とプリンタの新商品

セイコーエプソンとエプソン販売は10月3日,機器本体を購入することなく本体・インク・保守サービスが毎月定額従量料金で利用できるプリントサービス「エプソンのスマートチャージ」に,A4判カラーインクジェット複合機「PX-M880FX」とプリンタ「PX-S880X」を投入する。新商品は従来機に比べ,設置面積比を約64%に小型化した。

エプソン,A4モバイルスキャナー3モデルを発売

セイコーエプソンとエプソン販売は10月5日,A4判モバイルスキャナーの新商品として「ES-50」「ES-60WB」「ES-60WW」を発売する。本体サイズ272×47×33.8mm,質量300g以下,読取速度はES-50は5.5秒/枚,ES-60WB/WWは4秒/枚。また,コピーするような手軽さでスキャン操作ができるPC用のスキャナーアプリケーション「Epson ScanSmart」を10月1日より無料で提供する。

EIZO,23.8型フレームレスモニター2機種を発売

EIZOは9月13日,23.8型液晶モニター「FlexScan EV2450-Z」と「FlexScan EV2450-M」を発売すると発表した。2014年9月から販売している23.8型フルHD解像度(1920×1080)の液晶モニター「FlexScan EV2450」の後継機種で,画面周囲の額縁が1mmのフレームレスデザインや,内蔵の人感センサーによる省エネ性能が特長の同機種に,用途に合わせて最適な映像信号ケーブルを付属することで,より導入しやすくした。

大日本印刷,植物由来の原料を使用したインキを開発

大日本印刷は9月20日,植物由来の原料を一部に使用することで環境への負荷を軽減できる「バイオマテックインキ」を開発したと発表した。石油由来のインキと同等の物性を有しており,洗剤やシャンプーなどの詰替えパウチや,ボイルやレトルト,電子レンジなどに対応可能な機能を必要とする包装材の印刷インキとしても使用できる。

■プロの世界

共同印刷,危機管理産業展でウォーターバッグを出展

共同印刷は10月10〜12日,有明の東京ビッグサイトで開かれる「危機管理産業展2018」に出展する。フィルム製で軽く,天地2ヵ所にある本体と一体化した持ち手により持ち運びがしやすいウォーターバッグ「ハンディキューブ」紹介する。

包装展で新製品を紹介

「東京国際包装展:TOKYO PACK 2018」が10月2〜5日,有明の東京ビッグサイトで開かれる。エスコグラフィックスは,カッティングマシーンの実演のほか,パッケージ製作に役立つデザインの3次元化,ワークフローやプリプレスのデータ加工などのソリューションを紹介する。マーケム・イマージュは,小文字用インクジェットプリンタや印字検査ソリューション,サーマルインクジェットプリンタ,情報管理システムソフトウェアなどを出展する。

田中印刷所,「バーチャルマネキン」を上海で出展

田中印刷所は11月5〜10日,中国・上海の国家会展中心で開かれる「中国国際輸入博覧会」に出展する。人型のスクリーンにキャラクターの映像を投影して案内などをする「バーチャルマネキンEZR」と,立体成型のスクリーンに映像を投影する「キュービックスクリーンmini」を出品。中国語によるナレーションの映像コンテンツを作成した。

来年5月に「JP2019 ICTと印刷展」

印刷産業展「JP2019 ICTと印刷展」が2019年5月31日・6月1日,インテックス大阪で開かれる。テーマは「Start up Ocean Front〜自動化設備を満たす需要創出策から始めよう」。出展者を2018年11月12日まで一次募集,12月12日まで二次募集している。主催はJP産業展協会。

レディバードクラブ,11月に名古屋と岡山で地区大会

レディバードクラブは11月2日,名古屋の名鉄グランドホテルで「中部・北陸地区大会」を開く。IGAS2018以降のトレンドやJR九州の唐池恒二会長による「夢みる力が“気”をつくる」の講演などで構成。
また同会は11月5日,ホテルグランヴィア岡山で「中国・四国地区大会」を開く。IGAS2018以降のトレンドに加え,加来耕三事務所の加来耕三氏による「歴史に学び,未来を読む」の講演などで構成。

日本自費出版文化賞,大賞は『石川啄木と北海道―その人生・文学・時代―』

日本グラフィックサービス工業会は10月6日,東京のアルカディア市ヶ谷で「日本自費出版文化賞」の表彰式を行う。大賞は福地順一氏(札幌市)の『石川啄木と北海道―その人生・文学・時代―』(鳥影社)。

日本印刷産業連合会,50工場と3製品をGP認定

日本印刷産業連合会は9月21日,第51回グリーンプリンティング(GP)認定委員会において,新規として,太陽堂印刷所の第二工場,エイト印刷の常盤台工場,アド印刷の本社,同大刀洗工場,同福岡工場,ニッコーグラビア印刷の本社・工場を認定した。また更新44工場を認定し,同認定工場は全390工場となった。さらにGP資機材では,洗浄剤1製品とドライトナー型デジタル印刷機2製品を認定し,平成30年度の認定登録製品は678製品となった。

「UCDAアワード」選考結果発表会

ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会は9月28日,東京・新橋の電通ホールで「UCDAアワード2018」の選考結果発表会を行う。

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障がい者を含めた多くの人が視覚的に情報を理解できるメディア・ユニバーサルデザインという視点。その現状調査や企業・団体の取り組み,技法,適応例をオールカラーで解説。『メディア・ユニバーサルデザイン』

光村印刷,新村印刷を子会社化へ

光村印刷は9月10日の取締役会において,新村印刷の全株式を取得し,子会社化することを決めた。同日,株式譲渡契約を結び,10月1日に株式譲渡を実行する予定。

 

石田大成社,アルバム出版の遠藤写真工芸所を買収

石田大成社は,学校アルバム出版・印刷の老舗企業である遠藤写真工芸所(京都)を買収し,10月1日付で完全子会社とする。買収額は4億円で,草津市の印刷工場や全従業員80人を前者が引き継ぐ。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

10月15日締切,山元紙包装社がペーパーバッグのデザインを募集

山元紙包装社は,Web画面でパッケージのデザインができる「AIパッケジャー」上で,ペーパーバッグ(紙袋)のデザインコンテストを行う。「世界一おいしい○○○」をテーマに10月15日まで作品を募集。最優秀の「YAMAGEN大賞」受賞作は100袋を無償で製品化する。
http://ai-packager.yamagen-net.com/design-contest/

10月3〜5日,大阪で「設計・製造ソリューション展」

製造業向けのITソリューションが一堂に出展する「第21回 関西 設計・製造ソリューション展」が10月3〜5日,インテックス大阪で開かれる。主催はリードエグジビションジャパン。入場料5000円(招待券持参で無料)。
ローランド ディー.ジー.は,3D切削加工機とUVプリンタ,半導体レーザー箔転写機を展示する。
http://www.dms-kansai.jp

10月3〜22日,大日本印刷が少女まんが雑誌の付録をテーマにイベント

大日本印刷は10月3〜22日,東京・市谷のDNPプラザで,集英社の少女まんが雑誌『りぼん』の付録に焦点をあてたムック本『りぼんのふろく「カワイイ」のひみつ』とコラボレーションしたイベントを開く。同雑誌の実際の付録を展示するほか,ワークショップや,同プラザ内のカフェでラテアートとイラストの入ったコースターのセット販売などがある。入場無料。火曜休館。
https://www.dnp.co.jp/news/detail/1190323_1587.html

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音楽ジャケット制作エピソード徹底解剖!デザイナーがこだわり抜いた音楽パッケージのデザインクリエイティブと製造技術,それらに関わる人々のエピソードを豊富な写真とインタビューで紹介。『ミュージック・ジャケット・ストーリーズ-見て楽しむ特殊パッケージの世界-』

10月5日,日本印刷産業連合会が「知財公開フォーラム」

日本印刷産業連合会は10月5日,東京の中央区立日本橋公会堂で「知財公開フォーラム」を開く。テーマは「みんなで考えようデジタル時代の知的財産」で,東京2020大会エンブレムの作者であるアーティストの野老(ところ)朝雄氏による講演などがある。入場無料。要申込,定員400人。
https://www.jfpi.or.jp/topics/detail/id=3942

10月12日,印刷技術懇談会が「印刷評価用照明」テーマに研究会

印刷技術懇談会は10月12日,中野坂上の東京工芸大学で研究会を開く。「これからの印刷評価用照明:色評価用蛍光灯を超える超高演色性LED」と題し,エムティサービス東日本の三木昌彦氏と金子正央氏が話す。参加費1000円。要申込。
http://info.morisawa.co.jp/hp02p0I00W0001g0M030CKy

10月13日,印刷志の会がオフセット印刷基礎講座

印刷志の会は10月13日,埼玉・美女木のテクノロールで「すっごくわかりやすいオフセット印刷基礎講座」を開く。第5回目の今回は油性ニス・UVニスをテーマに,東洋インキが話す。参加費500円。要申込,定員50人。問合せはテクノロールへ,電話048-449-7333。

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印刷に興味がある学生や,印刷企業の新入社員,再度基本から印刷を学ぶ人々を対象にした入門書。作業手順を覚える前の「印刷とは何か」「印刷技術の歴史」「印刷を製作するにあたり何が必要か」という基本的な知識を習得するとともに,作業の連携を学ぶことができます。『印刷技術基本ポイント 枚葉オフセット印刷編』

オフセットインキの基本知識から問題解決法までをコンパクトにまとめた。現場ですぐに役立つ一冊。『印刷技術ポイント オフセットインキ編』

印刷の短納期化や高付加価値印刷で注目を集める「UV印刷」。UV印刷技術の基本を知り,新たな業務展開を図るために,印刷を発注する人と印刷をする人に送る一冊。『印刷技術基本ポイント UVオフセット印刷編』

10月16日,東京で「水性フレキソ・グラビア未来共有会」

水性フレキソ印刷情報交流会と全国グラビア協同組合連合会は10月16日,東京・駿河台のソラシティカンファレンスセンターで,グラビア・水性フレキソ・フレキソ印刷の未来を共有する試み「未来共有会」を開く。「隣り合わせの市場で相互理解を深める」をテーマに,軟包装印刷の現状と課題を現場視点でグラビア・水性フレキソ印刷のリーダー各氏が意見交換する。参加費1万円。要申込,定員96人,10月5日締切。
http://www.jp-ten.jp/topics_detail?id=151

10月25日,共同印刷が物流セミナー

共同印刷は10月25日,東京・日本橋の東洋経済新報社でセミナーを開く。「業務効率化を実現する物流オペレーション改革」をテーマに,自動認識技術をはじめとしたロジスティクスのトレンドや業務効率化の事例などを紹介する。講演者は,流通研究社の菊田一郎社長,サトーの猪俣智大氏,共同印刷の齋藤智仁氏。参加無料。事前登録制。
https://toyokeizai.net/sp/kp2018/

11月2・3日,Monotypeが書体イベント

Monotypeは11月2・3日,東京の恵比寿ガーデンプレイスで書体のイベント「Type& 2018」を開く。入場料2000円。10月より申込受付。問合せは,電話03-5275-6251。

11月15日,日報ビジネスがパッケージデザインのトークショー

日報ビジネスは11月15日,東京のCreator’s District 神保町で「パッケージデザインの裏側」と題してトークショーを開く。デザイナーの永島学,牛島志津子,山崎茂,三原美奈子の各氏が登壇。デザイン制作の体験会もある。聴講料1万2000円。要申込,定員60人。問合せは事務局へ,電話06-6262-2402。

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2018年10月号【特集:IGASに見る印刷産業】(好評発売中)

日本でも海外でも,先進国はもちろんのこと,人件費を抑えるという意味では,発展途上国でも自動化は進むようです。IGASでも,印刷機や製本機そのもの,および周辺機器含め,自動化の進展を見ることができました。まさに「自動化IGAS」と言っていいでしょう。また,デジタル印刷においてRIPと出力機が多対多での対応が広まっており,印刷会社のフレキシブル性が高まってきています。「ワークフローIGAS」や「シームレスIGAS」であったといってもいいかもしれません。

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週刊『印刷雑誌』9巻35号
2018年9月25日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部