週刊「印刷雑誌」

9巻 34号 2018年9月18日
Japan Printer weekly vol.9, no.34

毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
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◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行しています。

 

■新製品発売

Monotype,ヨコ組に特化した仮名フォントを発売

Monotypeは9月11日,日本語書体「たづがね角ゴシック」シリーズの新製品として,デジタル環境に対応しヨコ組に特化した仮名が特徴の「たづがね角ゴシックInfo」を発表した。より簡潔で幾何学的なデザインで,10ウェイトで展開。新たにデザインした仮名と,従来からの漢字,和文に合わせて調整した欧文フォント「Neue Frutiger」を搭載している。1ウェイト約1万9800円,全ウェイトパック約11万430円(米ドルベース)。10月19日まで割引販売も行っている。

ダイナコムウェア,多言語統一デザインの書体を提供

ダイナコムウェアは9月12日,年間ライセンスの契約者向けに,多言語統一デザインによるグローバルフォント「金剛黒体」の多言語90書体を提供し始めた。中国語,韓国語,ラテン語,ベトナム語など15種類6ウェイトで,日本語の同書体を加えると合計108書体となる。同フォントはIoT産業における開発需要に応えるフォントとして開発されたもので,電子機器での視認性や読み心地が特長。

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和文を中心に文字,書体に焦点をあて,書籍や雑誌をはじめとした印刷媒体や,さらにデジタル機器の表示までの文字の基本,デザインへの応用までを多数の図版を使ってオールカラーで解説。『印刷技術基本ポイント 文字・書体編』

組版とページ割りの基本知識をカラ―図版とわかりやすい説明でまとめた,初歩的な知識がすぐに身につく基本テキスト。『印刷技術 基本ポイント組版・ページネーション編』

エプソンダイレクト,「クリエイターPC」に新モデル追加

エプソンダイレクトは9月12日,高負荷処理が求められる動画クリエイター向けに,厳選したパーツを搭載することで快適な制作体験を提供する「クリエイターPC」シリーズに「Endeavor Pro5900 動画編集Select」を追加した。価格は税抜33万9600円。

whoo,カスタムデザイン名刺サービスにクラフトペーパーを追加

whooは9月7日,パソコンやスマートフォンからオシャレな名刺が作成できるサービスの新たな商品としてクラフトペーパーの提供を始めたと発表した。古紙で作られた独特な色味と風合いを持つ用紙で,適切に管理された古紙パルプを100%使用したリサイクル認証紙でもあり,環境にも配慮している。

エプソン,IJプリンタの無料アプリケーションに新機能を追加

エプソンは9月13日,スマートフォンやタブレット端末から多彩なプリントを楽しめる同社製インクジェットプリンタ専用の無料アプリケーションに新たな機能を追加した。スマホやタブレットに保存された写真や描いたイラストデータからオリジナルのデザインペーパーを作成,プリントできる。また,コラージュやディスクレーベルの作成時に写真を自由に配置できるなど,使い勝手を向上した。

■印刷からの拡がり

大日本印刷,仮想空間で絵画や立体作品を鑑賞するシステム

大日本印刷は9月10日,ヘッドマウントディスプレーを装着して,バーチャルリアリティ(VR)の空間に作られた仮想の美術館で,彫刻などの立体作品や絵画を手に取っているかのように鑑賞できるシステム「DNP Virtual Gallery」を開発したと発表した。動画や360度ぐるりと鑑賞できるパノラマVRのほか,鑑賞者がVR空間で気に入った絵画などの複製を購入できる機能も搭載している。

凸版印刷,電子チラシをコミュニケーション・ロボットに提供

凸版印刷は9月11日,講談社が2017年より定期刊行していたパートワーク『コミュニケーション・ロボット 週刊 鉄腕アトムを作ろう!』で完成する「コミュニケーション・ロボットATOM」に,電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の保有する流通小売企業のチラシ情報を提供すると発表した。マピオンの地図コンテンツとも連携しており,AIが組み込まれた同ロボットに話しかけると,近隣店舗の特売情報や最寄りのスポット検索,イベント情報を教えてくれる。

大日本印刷,書籍ランキングを医療機関向けデジタルサイネージへ提供

大日本印刷は9月13日,同社グループの書店およびトゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto」が保有する“週間ランキング情報”を,メディネットが運営する医療機関向けデジタルサイネージに提供し始めた。同書店の販売データから,総合書籍,コミック,電子書籍ストア,邦画・洋画DVDのランキングを表示する。

凸版印刷,パラスポーツ体験を提供

凸版印刷は9月23日,新横浜公園で開かれるスポーツイベント「YOKOHAMA SPORTS DAY 2018」の実行委員会に参画し,会場でパラスポーツ体験会を実施する。車いすバスケットボールとパラリレーレースを体験できる。後者の競技は,走る人,車いすに乗って走る人,アイマスクをして伴走者に伴走をしてもらいながら走る人を組み合わせたリレー。同イベントの参加は一部有料。

大日本印刷,調理に活用するパッケージを開発

大日本印刷は9月11日,パッケージを調理に活用することで調理時間や洗い物の手間を減らすことができるパッケージ「DNPかんたん調理包材」を開発したと発表した。森永製菓が8月21日に発売した「もみもみホットケーキミックス」に採用された。ミックス粉の入ったパッケージに牛乳と卵を入れて袋を閉じ,手で揉んで生地を作ることができる。加える牛乳の量を示す点線も印刷されている。

■プロの世界

大日本印刷,包装展に出展

大日本印刷は10月2〜5日,有明の東京ビッグサイトで開かれる「TOKYO PACK:東京国際包装展」に出展する。包装関連におけるSDGsの取り組み紹介や,それぞれの利用シーンでの課題を解決する多種多様な製品・サービスを提案する。

ノーリツプレシジョン,ドイツの「フォトキナ2018」に出展

ノーリツプレシジョンは9月26〜29日,ドイツのケルン市で開催されるフォトイメージングおよび映像機材見本市「フォトキナ2018」に出展する。銀塩プリンタや業務用インクジェット写真プリンタ,Webプリント注文サービスなどを紹介する。

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日本を代表する雑誌「アンアン」「クロワッサン」「エル・ジャポン」などで鋭感覚のレイアウトをプロデュースしてきた著者が,理論と技法を多数の実例でわかりやすく展開する。『写真を活かすレイアウト』

日本印刷産業連合会,カレンダー展はじめ各種催事

日本印刷産業連合会は次の各種催事を予定している。「第70回カレンダー展」と「第60回カタログ展」は2019年1月21日に東京・大手町のサンケイプラザで表彰式,同日〜25日に東京サンケイビルのブリックギャラリーで展示会。またカレンダー展は1月29日〜2月7日,カタログ展は2月25日〜3月7日にともに南船場の平和紙業ペーパーボイス大阪で展示会。今年度のカレンダー展は総理大臣賞(5年に1度)が授与される。
「第58回ジャパンパッケージングコンペティション(JPC展)」は4月16日に東京・竹橋の如水会館で表彰式,4月15〜17日に東京・新富の日本印刷会館で,4月22〜26日に平和紙業ペーパーボイス大阪で展示会。

日本印刷学会,「日本印刷学会技術賞」の候補募集

日本印刷学会は11月30日まで,印刷技術の発展に顕著な功績があった人や企業を表彰する「日本印刷学会技術賞」の候補者を募集している。

日本印刷学会,「印刷技術研究奨励金」の交付希望者募集

日本印刷学会は11月30日まで,印刷に関する研究全般を対象とし,「印刷技術研究奨励金」の交付希望者を募集している。交付金は20万円。2019年2月に開催予定の通常総会で交付者を発表する。

J SPIRITS,「汎用指示書設計コンテスト」開催

J SPIRITSは,PrintSapiens年間サポート契約者が応募できる「汎用指示書設計コンテスト」を開いている。10月12日に東京の品川区総合区民会館で開く,同社設立10周年記念のカンファレンスで展示し,参加者の投票で優秀作品を決定する。

エプソン,乾式オフィス製紙機が受賞

エプソンは9月13日,乾式オフィス製紙機「PaperLab A-8000」が「エコプロアワード」で「経済産業大臣賞」を受賞したと発表した。同製紙機は,使用済みのオフィス用紙の情報を完全に抹消した上で,その場で新たな100%再生紙を生産できる。

■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール

9月27日,日本出版学会がライトノベルの研究会

日本出版学会は9月27日,東京・水道橋の日本大学で研究会を開く。「雑誌メディアからたどるライトノベルの誕生・発展の軌跡」と題し,目白大学の山中智省氏が,ライトノベルの誕生・発展に対して“ライトノベル雑誌”ひいては雑誌制作に携わっていた編集者と作家が,どのように寄与してきたのかを話す。参加無料。要申込。問合せは事務局へ,メール(info@shuppan.jp)。

9月29日〜10月27日,山陽印刷が横浜でアート展

山陽印刷は9月29日〜10月27日,横浜・福浦の同社で「会社まるごとギャラリー2018“1+1=10!?”」展を開く。社屋の内外を使って5人の作家や美術大学の学生らがアート作品を展示したり,ワークショップを行う。同社が運営しアーティストと地域社会や企業のつながりを支援する「アーティストネットワーク+コンパス」が主催するイベントで,同社のほか,同地域の山装,坪倉興業,鶴見金網,協和タイヤ商会,ヨコハマ機工の社屋でも展示を行う。入場無料。予約制のギャラリーツアーもある。
http://www.anc3434.com

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音楽ジャケット制作エピソード徹底解剖!デザイナーがこだわり抜いた音楽パッケージのデザインクリエイティブと製造技術,それらに関わる人々のエピソードを豊富な写真とインタビューで紹介。『ミュージック・ジャケット・ストーリーズ-見て楽しむ特殊パッケージの世界-』

10月3日,日本出版学会が「中小規模版元から見る出版産業」研究会

日本出版学会は10月3日,東京・水道橋の日本大学で研究会を開く。「中小規模版元から見る出版産業の現実と展望」と題し,語研の高島利行氏が話す。参加費は一般500円,会員と学生は無料。要申込,定員40人。問合せは同学会の鈴木親彦氏へ,メール(chikahiko80szk@gmail.com)。

10月3日〜12月14日,日本印刷技術協会が養成講座

日本印刷技術協会は10月3日〜12月14日,全9回で「第21期プリンティングコーディネータ養成講座」を開講する。原稿,版,印刷,紙,インキ+加工の原点から印刷の強みを考える構成で,今回,特殊印刷や加工技術の分野の講座を増やした。参加費は一般31万円,会員22万円。要申込,定員15人。
https://www.jagat.or.jp/archives/47855

10月4・5日,紙パルプ技術協会が年次大会

紙パルプ技術協会は10月4・5日,埼玉・大宮のソニックシティで年次大会を開く。特別講演として,東京大学の池谷裕二教授による「AIがもたらす未来:人工知能の現在とこれからの社会」,国立科学博物館産業技術史情報センターの鈴木一義センター長による「日本のものづくりの現状と今後:イノベーションと日本のものづくりの果たすべき役割」がある。そのほか一般講演と資機材メーカーによる展示がある。参加費は両日で一般4万9000円,会員3万5000円。要申込。
http://www.japantappi.org/fileinfo/data/kaikoku/2018/61_program_j.pdf

10月5日,日本画像学会が大阪で粒子の研究会

日本画像学会は10月5日,吹田の大阪大学で研究会を開く。「粒子の素顔を探ります:世界初!粒子の濡れ性・分散性の数値化&分布ではない粒子径測定」と題し,カワノラボの河野誠代表が話す。参加費は一般2000円,会員1000円。要申込,定員40人。
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/yokoku181005k.html

10月5〜7日,竹尾が大阪でペーパーショウ

竹尾は10月5〜7日,グランフロント大阪で「takeo paper show 2018 “precision”大阪展」を開く。6月に東京で開催したものの巡回展。入場無料。事前登録制。
http://www.takeopapershow.com

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印刷技術と用紙の関係,加工特性,規格などの基本事項から,背景にある技術的原理やデザインとの関係まで,印刷用紙との「つきあい方」を体系的にわかりやすく解説。新人から中堅まで,印刷用紙に携わるすべての人に。『印刷用紙とのつきあい方』

10月6・7日,エプソンが東京と大阪で写真愛好家向けイベント

エプソン販売は,10月6日に東京の新宿三井ビルで,10月7日に梅田のハービスOSAKAで,写真愛好家向けフォトイベント「エプソン ニューフォトフォーラム 2018」を開く。写真家などによる講演のほか,用紙やプリンタ,フォトブックや額装作品の展示を行う。参加無料。
https://www.epson.jp/katsuyou/photo/npf2018/?rdct=photoforum

10月10日,「質感のつどい」がフォーラム

質感に関心を持つ人の情報交換の場「質感のつどい」は10月10日,神奈川・すずかけ台の東京工業大学でフォーラムを開く。美術や3Dプリント,脳科学,光学などの観点から,講演会のほかポスター発表とデモ展示がある。参加無料。要申込,9月20日締切。
http://www.shitsukan.jp/tsudoi/event/30.html

10月12日,Tooがデザインセミナー

Tooは10月12日,東京の虎ノ門ヒルズで「design surf seminar 2018:デザインの向こう側にあるもの」を開く。市場にデザインを提供する側にある環境の変化など,デザインをビジネスの側面から捉えた8つのセミナーを行う。参加無料。要申込,定員は各セミナー120人。
https://www.too.com/dsurf/

10月24〜26日,幕張メッセで「Japan IT Week」

「Web&デジタル マーケティング EXPO」や「情報セキュリティEXPO」「通販ソリューション展」などITに関する10の展示会で構成する「Japan IT Week」が10月24〜26日,千葉の幕張メッセで開かれる。入場料5000円(招待券持参で無料)。主催はリードエグジビションジャパン。
http://www.japan-it.jp/aki/

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本の歴史とICT技術の発展の双方を見つめ続けてきた著者が,「本」と印刷,そして情報化社会を生きる人間の今と未来を語る。『電子書籍は本の夢を見るか–本の未来と印刷の行方–』

 

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週刊『印刷雑誌』9巻34号
2018年9月18日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部