週刊「印刷雑誌」
9巻
32号
2018年9月3日
Japan Printer weekly
vol.9,
no.32
毎週月曜日(休みの場合は翌日)10時発行
◆週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
◆紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日(休日の場合,火曜日)発行しています。
■印刷を楽しむ
ノーリツプレシジョン,全部おまかせの写真プリントサービス
ノーリツプレシジョンは8月27日,一般ユーザーがスマートフォンやパソコンから写真プリントとアルバム収納を,おまかせで注文できるWebサービス「丸投げおまかせプリント」を始めた。同サービスでは,撮り溜まった画像を選ばず発注できる。
whoo,ITフリーランスへ名刺サービスを提供
whooは8月27日,パソコンやスマートフォンからオシャレな名刺が作成できるサービス「whoo(フー)」を,ギークスが提供するITフリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」利用者へ提供し始めたと発表した。同プログラム利用者は専用クーポンの利用で割引が受けられる。IT従事者向けのデザインテンプレートも用意した。
帆風,Tシャツとパーティーグッズの専門店を開設
帆風は8月28日,東京のVanfu ShibuyaにオリジナルでTシャツを作れる専門店を開設した。流行のアイスクリームをモチーフにしたTシャツや,好きなメッセージを入れるデザインテンプレートを用意した。また同日,東京のVanfu Aoyamaに1個からオリジナルトランプやプロップスが作れる専門店を開設。結婚式や誕生日,贈答用などに使えるデザインを用意した。両店舗とも期間限定。
阿芙,インク不要のモバイルプリンタを販売
阿芙は10月22日まで,写真やメモ,ラベルなどをモノクロ出力できるポケットサイズの感熱型プリンタ「PAPERANG-P2」の先行予約販売を,国内クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で行っている。同製品はBluetooth経由でスマートフォンと接続でき,専用アプリで操作すると出力できる。解像度300dpi。重量160g。対応する感熱紙は,通常の白のほかカラー用紙,連続ラベルなどがある。
エプソン,ビジネスからホームまでプリンタ11機種16モデルを発売
エプソン販売は9月13日より,セイコーエプソン製のインクジェットプリンタの新製品を順次発売する。大容量インクタンクを搭載の「エコタンク搭載モデル」A4判カラー複合機6機種7モデルは,筐体に白色を加えたりした。A4判カラー複合機「カラリオプリンター」3機種7モモデルは,スマートフォンやタブレット端末とのワイヤレス接続を簡単にした。「ハガキプリンター」1機種1モデルは,300種類のデザインを収録した「年賀状デザイン集2019」を同梱。ビジネスインクジェットプリンタ1機種1モデルは,A3判ノビに対応。2.4型のチルト式カラー液晶パネルを搭載したほか,レーベル印刷や無線LAN に対応した。
凸版印刷,東京国立博物館でVR作品「江戸城の天守」再演
凸版印刷と東京国立博物館は,過去に同館で上演したバーチャルリアリティ作品について投票を行い,最多の得票数を獲得した「江戸城の天守」を10月3日~12月24日に再演する。同作品は江戸城最後の天守の姿をデジタルで再現し, その天守がどのようにつくられたのかを解説する。
■プロの世界
エプソン,大判IJ SureColorシリーズ
エプソンは,商業・産業向け大判インクジェットプリンター「SureColor」シリーズ水性顔料4色機の新商品として22~44インチの3シリーズを9月11日から順次発売すると発表した。クラス最小設置面積・軽量のA1判プラス対応入門機「SC-T3150N」を含む「エントリーシリーズ」(オープン価格),CADやポスター用途で学校向けにも適する「スタンダードシリーズ」(21万8000~55万8000円),ダブルロールモデルや大判複合機能などの「ハイパフォーマンスシリーズ」(25万8000~99万8000円)。耐水性ある全色顔料インクを採用し,水濡れや色あせに強く,屋外用途でも使える。
田中印刷所,「バーチャルマネキン」新製品
田中印刷所は8月25日,人型のスクリーンに映像を映し出して案内や宣伝を行う「バーチャルマネキン」の新製品「バーチャルマネキンEZR 卓上型」を発表した。スクリーンを上半身部分のみにして小型化した製品で,重量12kg,高さ940×幅400×奥行300mm。軽自動車に積み込めるようにした。
同社は9月6日,滋賀の彦根ビューホテルで開かれる「しがちゅうしんビジネスマッチングフェア商売繁盛創設所2018」に出展し,同製品や試作機などを紹介する。
日本印刷産業連合会,GP認定制度が「東京都グリーン購入ガイド」に採用
日本印刷産業連合会は8月29日,グリーンプリンティング認定制度が「東京都グリーン購入ガイド」の水準2に4月より採用されたと発表した。同ガイドは東京都が環境に配慮した物品や役務を調達するさいの基準で,水準2は必須条件ではないが配慮することが望ましいとするもの。対象には,印刷物(紙製の報告書類,ポスター,チラシ,パンフレットなど)が含まれる。
レディバードクラブ,10月に東北と九州で大会
レディバードクラブは10月10日,東北地区大会を開く。「歴史に学び未来を読む」と題し,加来耕三事務所の加来耕三代表が講演する。また10月16日,九州地区大会を開く。「IT活用による旅館改革とその展望」と題し,陣屋の宮崎知子・女将が講演する。
IT投資は技術革新への対応や省力化に対する投資が優先
矢野経済研究所は8月23日,2017年度のプリンタ世界市場の調査結果を発表した。それによると,プリンタ(出力機器)の世界出荷台数は前年度比98.0%の9,845万8,000台,同出荷金額は同96.4%の5兆7,426億円(いずれもメーカー出荷ベース)。家庭での出力機会の減少や,企業オフィスにおけるプリンタの設置台数の減少などにより市場は微減となった。IT関連では技術革新への対応や,人手不足解消のための省力化に対する投資が優先され,機器の入れ替えも進まなかった。2018年度は中国で金融業界に対する規制の強化が始まることなどから,成長率が低下する見通し。
印刷工業会,情報編集力を身につける
印刷工業会は8月28日,東京・新富の日本印刷会館で「9月印刷の月」協賛講演会を行った。元リクルート社フェロー,元高校校長の藤原和博氏が,今後AI化が進む社会では情報処理型の仕事は減り,正解の無い状況で納得解を導く思考力や,人間力が必要な仕事の必要性が増すため,情報編集力を養う教育や訓練が重要となると解説した。また健康寿命が延びた現代社会では,仕事や目標を複数持つことが可能で,そのために希少価値の高いキャリアを築くことが重要と語った。
■印刷・デザイン・出版イベントスケジュール
9月8日まで,プリントギャラリーでヘルムート・シュミット展
東京・白金のプリントギャラリーは9月8日まで,「ヘルムート・シュミットを偲ぶ会」の展覧会を開いている。今年7月2日に急逝した,オーストリア生まれのタイポグラファー,ヘルムート・シュミット氏を偲んでの展覧会。同氏は1981年以降は大阪を拠点に活動し,大塚製薬「ポカリスエット」や資生堂「MAQuillAGE」,IPSAなどの仕事も手がけた。入場無料。9月1・2日に偲ぶ会も行った。
https://www.printgallerytokyo.com/memory-of-helmut-schmid.html
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9月5日~10月20日,東京・銀座で横尾忠則展
東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは9月5日~10月20日,「横尾忠則 幻花幻想幻画譚 1974-1975」展を開く。美術家およびグラフィックデザイナーの横尾忠則氏が,1974~75年に東京新聞に連載された瀬戸内晴美(現・瀬戸内寂聴)による時代小説『幻花』のために描いた挿絵原画全371点を展示。自由奔放な発想と実験的手法で生み出された,超絶技巧の挿絵の宇宙を紹介する。入場無料。日曜・祝日休館。9月21日にトークショーも開く。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000728
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9月11・26日,東京と大阪でITビジネスの展示会
ITビジネスの展示会「Networld .next 2018 DX(Deluxe)」が,9月11日に東京コンファレンスセンター・品川で,9月26日にグランフロント大阪で開かれる。50社以上による展示と講演会やセミナーがある。主催はネットワールド。入場無料。事前登録制。
https://www.networld.co.jp/networld_next2018/
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9月22日,日本出版学会が翻訳出版の研究会
日本出版学会は9月22日,東京・曙橋のアイディで研究会を開く。「産業翻訳業界はどうなっているか」をテーマに,日本翻訳連盟の高橋聡理事が,変化の激しい技術英語の翻訳の歴史と現在を話す。参加費は一般2000円,会員1000円,学生無料。要申込。問合せは同学会事務局へ,メール(info@shuppan.jp)。
9月25日,日本出版学会が大阪出版の研究会
日本出版学会は9月25日,大阪・梅田の立命館大学で研究会を開く。「青木嵩山堂を中心に見た明治期大阪出版業」と題し,ライターの青木育志氏が話す。明治期の大阪の代表的な出版社である青木嵩山堂について,創業者の曾孫である同氏が長年の史料調査から考察する。参加費は一般500円,会員300円。問合せは立命館大学の湯浅俊彦氏へ,電話075-466-3136。
10月18日,日本出版学会が文学全集テーマに研究会
日本出版学会は10月18日,東京・水道橋の日本大学で研究会を開く。「出版文化史上の文学全集を考える」をテーマに,元慶應義塾大学教授の田坂憲二氏が話す。出版文化史上重要な位置を占める各種文学全集について考察し,今日求められる文学全集企画の方向性,営業面を含むさまざまな問題点についても議論する。参加費は一般500円,会員と学生は無料。要申込,定員40人。問合せは同学会の飛鳥勝幸氏へ,メール(asuka@sanseido-publ.co.jp)。
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10月19日,日本画像学会がトナー技術の研究会
日本画像学会は10月19日,東京・新富の日本印刷会館で研究会を開く。この20年の現像剤技術開発において種々開発され発展してきた特徴的なトナー技術を一堂に集め,これまでの現像剤技術に対する要望と課題,そしてその課題解決に対するそれぞれのトナー技術の対応に関して知見を深める。参加費は一般1万円,学生2000円,会員7000円。要申込。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_seminar/2018_smr_137.html
10月22日,日本画像学会が富士ゼロックス技術歴史館の見学会
日本画像学会は10月22日,「カールソン方式発明80周年記念研究会」と題して,富士ゼロックス社歴代の機械を保存展示する同社技術歴史館(神奈川・塚原)の見学会を開く。講演会もある。当日は小田原駅より専用送迎バスがある。参加費は一般5000円,学生1500円,会員3000円。要申込,定員60人。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_seminar/2018_smr_138.html
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デジタル印刷に関して,業態を変えずに印刷会社として何ができるのか。「印刷会社の内情やデジタル印刷への指針」「デジタル印刷のしくみ」「ユーザーの情報」を元に,デジタル印刷の成功への道筋を解説。『印刷会社とデジタル印刷 -成功への道-』
10月30日,日本画像学会が電子ペーパーとフレキシブル技術の研究会
日本画像学会は10月30日,東京・御茶ノ水の日本化学会で研究会を開く。「電子ペーパーとフレキシブル技術の新展開」と題し電子ペーパーとフレキシブルの両技術の最新動向と応用を解説する。参加費は一般1万円,会員7000円,学生2000円。要申込,定員100人。
http://www.isj-imaging.org/event/tech_seminar/2018_smr_139.html
11月15~17日,日本印刷学会が京都で研究発表会
日本印刷学会は11月15~17日,京都工芸繊維大学で「2018年度秋期研究会(第140回研究発表会)」を開く。テーマは「協創で築く豊かな画像文化」。
http://www.jspst.org/event/kenkyu/index.html
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週刊『印刷雑誌』9巻32号
2018年9月3日発行
編集:末包愛,古性基樹
編集・発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部