週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻29号 2011年7月19日
Japan Printer weekly vol.2, no.29
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

VPJ,電子書籍オープンフォーマットの販促を開始
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは7月,WoodWing社(オランダ)が開発した電子書籍のオープンフォーマット「ofip」のマーケティング活動を始めた。動画,スライドショー,HTML5などリッチコンテンツの組み込みやインタラクティブな表現効果をもたせた“ビジュアル系電子書籍”の配信を行うためのフォーマットで,すでに米国TIME社のTIME MAGAZINEや,国内では毎日新聞社のPhotoJ,スターツ出版のOZ storeなど世界36ヵ国,300本以上のアプリケーションで採用されているという。現在は,Adobe InDesingからのofipファイル書き出しと,iOS・Android・HP WebOS・Playbook・HTML5ブラウザへのアプリケーション配信を行うことが可能。

メディアシップ,Androidアプリの販売プラットフォーム開設
 北米を中心にAndroidアプリを提供しているメディアシップは7月11日,日本発のAndroidコンテンツ販売プラットフォーム「Android Application Point Platform」を開設した。動画,書籍,コミックなどのコンテンツをアプリ化して販売することができる。ポイントが共有でき,全コンテンツを共通アプリ内課金ポイントで購入することも可能。

凸版印刷,洗剤パッケージにユニバーサルデザイン
 凸版印刷とライオンは,食器洗い機(食洗機)専用洗剤「CHARMYクリスタパウダー」パッケージのデザインをリニューアルした。ユニバーサルデザインの視点により,濡れた手でも洗剤がつきにくい「スプーン入れ」を収納ケースの内側に取り付け,スプーンを投げ込むだけできれいに使えるようにした。また,形状を縦長に変更し,従来容器よりも持ちやすくし,さらにキッチンでの収納がしやすくなるとともに,陳列時のディスプレイ面が拡大し,店頭での訴求力も向上した。
 この洗剤は,具体的な検証に基づいたユーザビリティ性の向上などが評価され,5月に日本包装技術協会が主催する「第35回木下賞」の包装技術賞を受賞した。

大日本印刷,東京駅で電子ペーパーのサイネージ
 大日本印刷は,JR東京駅構内のびゅうスクエアに設けた東日本復興支援スペース“お祭りストリート”で「応援ありがとう!ふくしま観光物産 大感謝祭」として7月15日〜17日に福島県の観光・物産情報を提供した。省エネ・節電に対応したフルカラー電子ペーパーを活用したもので,電子ペーパーはブリヂストンが開発。A3判の電子ペーパーを9枚組み合わせた約60インチのサイズで表示した。

DNPデジタルコム,Facebook利用のサービス
 大日本印刷の子会社で,電子メディアの企画制作を行うDNPデジタルコムは,マーケティングなどの事業活動にソーシャルメディアを活用したい企業を対象として,Facebookページの構築から運用,ユーザー属性調査などを行うサービスを7月11日に始めた。サービスは,利用可能な機能に応じた3段階の「Facebookページ構築サービス」のほか,Facebookページの開設後,ファンとの良好な関係を構築するための「運用サービス」,Facebookを本格的に活用するためページ構築と運用を組み合わせたパッケージサービス,ユーザーの属性調査など効果検証を行う「レポート作成サービス」の6種。2012年度までに1億円の売上を目指す。

グラフィック,通販でパッケージ印刷のサービス開始
 印刷の通信販売を行うグラフィックは,同社の通販Webサイト上で「パッケージ(箱型)印刷」の受注を始めた。基本は「キャラメル箱」「地獄底」「ワンタッチ底」の3種類で,希望の形状とサイズを入力して発注する。自由設計の形状にも展開図作成から対応するほか,オプションでPP貼りやUVニス,箔押し,エンボス加工も付与できる。9月30日まで,オープニング割引として各種商品制作を半額で提供している。

大日本スクリーン製造,CTPワークフローの新製品発表
 大日本スクリーン製造は7月12日,入出力自動処理,CMS管理,版面設計機能を強化し,製版工程の自動化・省力化を図るワークフロー「EQUIOS PT-R」を発表した。工程間の壁を取り払うことにより,個々のオペレータに依存していた専門作業の自動化・省力化を図り,ミスの発生を最小限に抑える。プロフェッショナル向けのカラーマネジメント技術や面付け機能を継承し,強化するとともに,チケット管理など運用面での煩雑さやGUIを改善した。また,各社プロダクションプリンタ(トナー式POD)との相互連携の強化により,デジタル印刷工程を含むワークフロー全体の管理・統合を推進する。

富士ゼロックス,環境配慮型のモノクロ複合機
 富士ゼロックスは7月12日,オフィスの環境負荷低減を図ったモノクロ複合機「DocuCentre-IV 3060」と「同2060」を発売した。それぞれA4判で毎分30枚と25枚を出力する。「国際エネルギースタープログラム」適合基準への対応のほか,出力ごとの「エコ度」を利用者に通知する「エコプリントの見える化」機能も搭載した。

エプソン,A4判プリンタの新製品
 エプソン販売は,A4判レーザープリンタの新製品としてカラー機「LP-S620」(毎分12枚出力)「同S520」(毎分10枚出力)とモノクロ機「LP-S120」(毎分24枚出力)を7月下旬に発売する。省スペース,低価格,節電効果の向上を図り開発した。オープン価格。

サミット・グローバル・ジャパン,小型写真プリンタを発売
 サミット・グローバル・ジャパンは,レディー・ガガがデザインした新ブランド「Grey Label」シリーズの第1弾として小型写真プリンタ「GL10インスタントモバイルプリンター」を9月上旬に発売する。スマートフォンやデジタルカメラで撮影された画像や,PC内の画像を1枚約40秒で出力する。連続出力は約40枚。昔ながらのポラロイドフレームを付けた出力も可能。写真加工用のAndroid用アプリも提供している。

FFGS,湿し水の新製品発売
 富士フイルムグラフィックシステムズは7月14日,オフ輪印刷の大きな技術的課題である調量ローラーの汚れトラブルを軽減し,生産性向上を図った湿し水「ECOLITY L1/L2」を発売した。従来製品の特長である過乳化抑制技術を継承し,給水ローラーの親水化力を強化することで改善を図った。

キヤノン,オンラインの帳票・印刷サービスを提供
 キヤノンマーケティングジャパンは,セールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型の営業支援・顧客管理サービス「Salesforce」と連携し,各種の帳票をキヤノン製複合機やレーザープリンタから出力できる「Canon Business Imaging Online帳票・印刷サービス」の提供を8月下旬から始める。Salesforce上の情報データを,ボタン操作のみで見積書,請求書,議事録,報告書などさまざまな文書レイアウトに加工してプリンタ出力やPDF出力ができる。スマートフォンにも対応する。

富士ゼロックス,全体の出力環境最適化
 富士ゼロックスは7月11日,オフィスのほか集中出力センターやモバイル環境も含む企業全体の出力環境を包括的に管理する「エンタープライズ・プリント・サービス」の提供を日本とアジア地域で始めたと発表した。

アドビ,CS5.5のデザイン向けパックを特別価格で提供
 アドビシステムズは7月13日〜8月26日の期間,同社ソフト単体製品の所有ユーザー限定で,デザイン編集ソフト「Adobe CS5.5 Design Standard」のライセンス版を95,000円(通常13万4200円)で販売している。詳細は同社Webサイトで紹介している。

共同印刷,今後は情報系と生活・産業資材系の事業を拡大
 共同印刷は7月14日,近況と今後の展望を発表した。今後は社会・市場環境の変化に迅速に対応する企業を目指し,印刷・IT・加工・包材・資材などの技術を活かして売上の向上を図る。デジタルコンテンツビジネスや業務支援サービス,販促サービスなどの情報系事業と,高付加価値包材や機能性フィルム材料などの生活・産業資材系事業を拡大させる。とくに医薬品分野と電機・電子分野に注力し同社の新たな根幹事業にしていくという。

東京地区印刷協議会,米国のソリューションプロバイダーを学ぶ
 東京地区印刷協議会は7月11日,アルカディア市谷で勉強会を開いた。「米国のソリューションプロバイダー先進企業視察報告」としてアドピアの臼田真人社長は,やり方次第で印刷業は利益を上げることができると述べた。
 またパネル討論を行い,米国の企業を視察した臼田真人,日本印刷技術協会の相馬謙一,創文印刷工業の木村篤義,東洋美術印刷の山本久喜,大成印刷の古畑武郎,太陽堂封筒の吉澤和江の各氏が,保有している印刷機の性能ではなく,ビジネスの仕組み,仕掛けづくりが重要だと報告した。

印刷技術懇談会,3D-CGの利用法と展望を聞く
 印刷技術懇談会は7月15日,中野坂上の東京工芸大学で勉強会を開き,ダッソー・システムズの落合克人氏から,インタラクティブ3D技術の特徴や利用の現状を聞いた。平面図ではわかりにくい物体の構造や建物,地図,商品などあらゆるものを立体的に表現し,人が任意に動かせる3D-CG技術により,欧米を中心に商品販促やプレゼンのほか,事故対応,機器操作,運転などのシミュレーション教育など用途が広がっている事例を聞いた。

日本印刷学会,初心者向けの新聞印刷セミナー
 日本印刷学会のコミュニケーション委員会は7月15日,東京・新富の日本印刷会館で「新入社員・初心者のための新聞印刷技術の基礎知識講座」を開いた。新聞印刷におけるGCRと高精細印刷について読売新聞社の坂元昭智氏が,新聞輪転機を東京機械製作所の竹之内仁氏が,ブランケット・ゴムローラーを金陽社の越路文夫氏が,製版・CTPを富士フイルムグラフィックシステムズの大西和比古氏が,インキをサカタインクスの梶田貴之氏が,用紙を王子製紙の八木橋昭和氏が,それぞれ基礎知識と最新情報を解説した。

12月15日まで,エプソンがフォトコンテスト作品募集
 エプソン販売は12月15日まで,インクジェットプリンタで出力した写真作品を対象としたコンテスト「エプソンフォトグランプリ2011」を行っている。「ネイチャー部門」と「ヒューマンライフ部門」のグランプリにはそれぞれ賞金100万円が贈呈される。
http://www.epson.jp/photogra/

7月20日,日本印刷学会が危機管理とビジネスモデルでセミナー
 日本印刷学会は7月20日,東京・新富の日本印刷会館で「夏期セミナー」を催す。災害に対する印刷会社の危機管理や,新たな印刷ビジネスモデルと関連する最新技術について講演がある。参加費は会員13,000円,教職員・学生7000円,非会員18,000円。要予約。
http://www.jspst.org/event/110720.html

7月26日,プリントミックスが営業支援ビジネスのセミナー
 プリントミックスは7月26日に東京のルノワール新宿三丁目ビッグスビル店で,印刷会社における営業支援ビジネスのセミナーを開く。印刷ビジネスと営業支援サービスの違いや,コンテンツビジネスと営業支援市場の関係などを解説するほか,顧客の営業部からの仕事を深堀受注した成功事例も紹介する。参加費は一般2000円,会員無料。要予約,定員30人。
http://www.printmix.org/modules/pico/index.php?content_id=65

7月26日,正しく伝わる営業ツールの作り方セミナー
 陽幸社は7月26日,東京・九段北の環境保全協会で「マーケティング視点で考える,正しく伝わる営業ツールの作り方セミナー」を催す。参加費4000円,要予約。現在使用しているパンフレットやチラシ,名刺,会社案内など持参。
http://www.souzougumi.jp/diary/2011/07/post-106.html

8月3日,エスコグラフィックスがフレキソ技術セミナー
 エスコグラフィックスは8月3日,東京の新宿NSビルでフレキソ印刷技術のセミナーを開く。パッケージ制作ソリューションや,水性フレキソ印刷の動向について講演がある。参加無料,要予約。問合せは,電話03-5909-7631。

8月11日東京,8月24日大阪でトライアイが印刷ビジネスセミナー
 マーケティングコンサルタントを手がけるトライアイは8月11日,東京・日本橋のICS通商セミナールームで印刷会社向けのビジネスモデルセミナーを開く。また8月24日に大阪(開催場所未定)で同様に開催する。ともに参加費3000円,要予約。
http://www.insatsutop1.com/seminer/

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週刊『印刷雑誌』2巻29号
2011年7月19日発行
編集長:高尾悠太
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 

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