週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻26号 2011年6月27日
Japan Printer weekly vol.2, no.26
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

大日本印刷,デジタル写真プリンタを発売
 大日本印刷は,写真専門店だけでなく遊戯施設や催事場など多様な場所で,写真プリントが楽しめるデジタル写真プリンタ「Snap Lab(スナップ ラボ)」2機種を開発した。同社と,グループ会社のDNPフォトルシオ,DNP Photo Imaging America社,DNP Photo Imaging Europe社が10月から販売を始める。
 10ヵ国語に対応し,6言語の操作画面表示設定が可能,1枚約8秒でプリント,顔認識技術により自動的に顔の色調を自然の肌色に修正,マット仕上げやウォーターマークなど付加価値プリントのバリエーション,表面は光沢仕上げとマット仕上げの2種から選択,などの特徴がある。本体外形サイズは,幅275×奥行380×高さ300mm・11kgと幅338×奥行454×高さ442mm・23kg。オープン価格で,今後3年間で2万台の設置を見込む。

DNPデジタルコム,ムック本の電子書籍を発売
 DNPデジタルコムは,航空自衛隊(空自)の装備と組織を徹底分解したムック本『空自マニア!』(講談社ビーシー)のiPhoneおよびiPad向けアプリを6月13日に発売した。350円。同社は写真集ビューアによる販促を出版社および電子書籍を販売する企業に向けて行い,2012年度までに1億円の売上を目指す。

凸版印刷,画像のアーカイブ支援サービス
 凸版印刷は,映像や静止画のアーカイブノウハウを活用し,企業が持つ貴重なフィルム映像,ビデオテープ,ポスターなどのアナログ資産のデジタル化,修復,管理,公開を行う総合アーカイブ構築支援サービスを開発,6月下旬から提供を始めると発表した。フィルム素材などの映像修復については,パナソニック映像のもつデジタル修復技術を活用し,当時の色を再現したデジタル化を行う。デジタル修復は16mmフィルム30秒(CM)で2万円〜(100本の場合),総合アーカイブサービスは月額80万円〜(初期カスタマイズ費用などは別途)。2015年度までに印刷物や映像作品,公開施設の施工など,関連受注を含めて20億円の売上を目指す。

凸版印刷,三越の中元ツイッターキャンペーン
 凸版印刷は,三越伊勢丹が6月15日〜7月31日に行う東日本応援の中元キャンペーン「三越お中元ツイッターキャンペーン」に,凸版印刷のTwitterを活用するキャンペーンシステム「ツイキャン」を提供した。キャンペーンサイトに掲載されている中元商品(東日本産地中心の商品)の中から,欲しい商品を選択しツイートすることで,キャンペーンに応募でき,参加者の中から抽選でツイートした中元商品がプレゼントされるしくみ。

大日本印刷,女性誌の広告効果調査
 大日本印刷と,同社子会社で,顧客とのコミュニケーションに関するコンサルティング事業を手がけるエムズコミュニケイト,および大日本印刷と資本・業務提携している主婦の友社の3社は,資生堂の協力を得て,女性誌に掲載された広告の効果を2010年10月〜12月に調査した。女性向けの新商品発売時には,情報高感度層がよく読む女性誌に広告を出稿すると,低コストでありながらも,高い広告効果を得られる可能性があることなどがわかった。

ユーホウ,高精度レンチキュラーをPR
 印刷会社のユーホウは,ヘキサクロームの印刷でも定評あるが,値下げ競争にならないよう他社に真似できない技術やマーケティングを志向している。このたび中国産で高精度のレンチキュラーレンズと900線の印刷によるインパクトある3D印刷を始めた。同社は6月22日〜24日に東京ビッグサイトで開催された複合展「日本ものづくりワールド」にこの技術・製品を出展し,注目を集めた。

マイアルバム,iPhone内写真のプリントサービス
 マイアルバムは,iPhoneからフジカラー純正印画紙での写真プリント注文ができる「DPE宅配便」アプリの提供を6月20日からAppStore上で始めた。iPhoneに保存している写真をL判から4PWまで9種類のサイズで出力し,最短翌日納期で届ける。

アサヒ・ドリーム・クリエイト,パネル加工専門サイトを開設
 アサヒ・ドリーム・クリエイトは6月22日,パネル加工商品・販促支援サイト「パネルスタジアム(パネスタ)」を新設した。1枚から大ロットまで対応するほか,一貫製造により低価格化と短納期化を図っている。同時に,ワンタッチ自立式・360度方面対応のスタンドPOP「ミラクル・スタンディ」を開発し,受注を始めた。

日本HP,Latexインク搭載の大判プリンタに新製品
 日本ヒューレット・パッカードは6月23日,無臭で有害成分を出さず,耐候性に優れる水性ポリマー素材「HP Latexインク」を採用した大判インクジェットプリンタ「HP Scitex LX820」(2550万円)と「同LX850」(2980万円)を発売した。ともに3.2m幅対応で,印刷速度は最高で毎時88m2。新機能として両面出力機能を搭載した。インクも改良し,黒の再現性を向上したほかファブリック(生地)素材での耐水性,塩ビ粘着シートでの色域などを改善した。

メディアコンフォート,Memjetプリンタを発売
 メディアコンフォートは6月23日・24日,東京のテピア青山で製品展示会を開き,あわせて新商品3種の販売を始めた。Memjet技術を採用したインクジェットプリンタ「AstroJet M1」(169万円)はフルカラーでA4判毎時3600枚を出力でき,幅広のワンパスヘッドでフチなし印刷が可能。解像度は1600×1600dpiで1.2ピコリットルのインク滴で再現性にも優れる。このほか,低価格・省スペース化を図った圧着機で折りから封緘までを毎時1800枚で処理する「Pressure Sealer IS200i」(33万5000円),ハガキから最大厚み19mmの封筒が混在しても最大で毎時3万通を自動給紙できる「FlexxDeckフィーダ」(予価80万円)を紹介した。

ローランドDG,UV-LEDIJプリンタ製品を提案
 ローランドディー.ジー.は6月22日・23日,東京・後楽の同社でインクジェットプリンタ新製品の内覧会を開いた。厚さ10cmまで対応する卓上フラットベッド型の「VersaUV LEF-12」は紙以外の原反や立体物や球体などへ出力でき,クリアインクによる付加価値表現ができる。テーブルユニットを標準装備し,ロールメディアと両対応を図った「VersaUV LEJ-640」は最大幅1625mm,最大厚13mmまで白・クリアインク含めた6色で出力可能。さらに,新開発のUVインク「ECO-UV Sインク」は,シュリンクや真空成型時の伸縮性に優れ,ひび割れをなくすよう改良した。

キヤノンMJが日本オセを完全子会社化
 キヤノンマーケティングジャパンは6月23日,オセ社(オランダ)との間で,日本オセの完全子会社化について合意した。両社は6月30日に株式譲渡を行う。キヤノンマーケティングジャパンはこれにより,業務用大判プリンタ分野の製品をラインナップに加えて事業強化を図り,プロダクション事業全体で2013年に売上高500億円を目指す。

OEM研究会,OEM基準の実用性を確認
 印刷OEM研究会は6月24日,東京・鵜の木の金羊社で定例会を開いた。OEM模擬取引の実証実験結果のデータ検証が行われたほか,会員企業と会員外企業との間でOEM基準による色見本なしの印刷物比較を行ったところ,印刷機メーカーの違いや油性とUVの違いによる影響もなく,同等の印刷品質を確認できた事例が紹介された。

HDF21,抜き加工と箔押しを学ぶ
 ハイデルベルグ社製品ユーザーを中心に組織するハイデル・フォーラム21は6月22日,東京・東品川のハイデルベルグ・ジャパンで特殊印刷加工研究会を開いた。ハイデルベルグ・ジャパンの國井千明氏とカーマ社の平山英二・日本代表が,抜き加工と箔押しのワークフローを説明した。また有功社シトー貿易の谷口有三社長が,ドイツと日本の印刷紙器業界の動向を紹介したほか,クルツジャパンの岩佐啓一副社長が箔押し技術の「ホットスタンピング」と「コールドスタンピング」を解説した。

富士フイルムグラフィックシステムズ,収益改善と顧客価値づくりのセミナー
 富士フイルムグラフィックシステムズは6月23日,東京・六本木の富士フイルムでセミナーを開いた。大東印刷工業の佐竹一郎社長が,売上だけでなくコストや利益,社員一人一人の業務情報を管理して社員全員に「個人事業主意識」をもたせることが収益改善につながると話した。また富士フイルムグラフィックシステムズの中林鉄治氏が,顧客に歩み寄った独自のビジネスで成功している企業例を紹介し,顧客とともに新たな価値を創造していくことが重要と話した。

日本印刷学会,フレキソとグラビアの現状を探る
 日本印刷学会フレキソ研究会は6月24日,東京・新富の日本印刷会館で「フレキソ印刷の最新事情」をテーマに例会を開いた。グラビアとフレキソは敵対的関係でないことや,同じ顧客のパッケージでオフセット・グラビア・フレキソの各版式で印刷された例で見た目が変わらないこと,軟包装のCO2排出量は“溶剤型グラビアインキ>水性グラビアインキ>水性フレキソインキ”,“溶剤型接着剤>無溶剤型接着剤”,日本の品質要求は欧州よりかなり厳しい,などの発表があった。

7月8日,プリントミックスがソーシャルメディア活用セミナー
 プリントミックスは7月8日,東京のルノワール新宿3丁目ビックスビル店で,FacebookやTwitter,Webサイトなどのソーシャルメディア活用に関するセミナーを開く。参加費は一般5,000円,会員2,000円。要予約,定員15人。
http://www.printmix.org/modules/pico/index.php?content_id=63

7月11日,シーピーデザインコンサルティングがBCP策定セミナー
 大日本印刷の子会社であるシーピーデザインコンサルティングは7月11日,東京・五反田の大日本印刷でBCP(事業継続計画)策定に関するセミナーを開く。「3.11以降のBCP策定:その進め方と実践ポイント」のテーマで策定ステップを解説する。参加費5000円,要予約。
http://www.cpdc.co.jp/landing/bcpseminar.html

7月14日東京,7月25日大阪でTooがデザイナー向けセミナー
 Tooは,「Adobe CS5.5でマルチデバイス対応のクリエイティブワークを実現する」をテーマにデザイナー向けのセミナーを催す。7月14日に東京・西新宿のアップルジャパンで,7月25日に大阪・梅田のキヤノンマーケティングジャパンで行う。入場無料,要予約。
東京 http://www.too.com/event/2011/0714adobe/
大阪 http://www.too.com/event/2011/0725adobe/

8月21日,DTPエキスパートなどの認証試験
 日本印刷技術協会は,8月21日に第36期DTPエキスパート認証試験,第12期クロスメディアエキスパート認証試験,第7回色評価士検定を行う。7月21日まで(個人Web申請は7月28日まで)受付している。
http://www.jagat.jp/content/blogsection/7/364/

9月1日〜3日,札幌で北海道情報・印刷産業機材展
 「北海道情報・印刷産業機材展」が9月1日〜3日,アクセスサッポロで開催される。出展締切は7月8日。
http://www.print.or.jp/event/20110601.html

◇告知◇
長期品切れとなっておりました書籍『活版印刷人ドラードの生涯』(青山敦夫著)がこのたび待望の増刷刊行となりました。時は戦国時代末,天正遣欧使節の従者としてヨーロッパにわたり,グーテンベルク式活版印刷術を初めて日本に持ち帰りながらも時代に翻弄され,歴史の中に埋没してしまった日本人コンスタンチノ・ドラードの波乱の生涯を綴った好著です。ぜひ,この機会にご一読下さい。
http://www.japanprinter.co.jp/cgi-bin/bkdatabase/bookdatabase.cgi?key= 978-4-87085-170-2

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週刊『印刷雑誌』2巻26号
2011年6月27日発行
編集長:高尾悠太
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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