週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻21号 2011年5月23日
Japan Printer weekly vol.2, no.21
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

講談社,電子雑誌アプリの配信を開始
 講談社は5月19日,Androidマーケットで電子雑誌アプリ『熱犬通信』の配信を始めた。NTTドコモのAndroid搭載スマートフォン専用で,10月末まで毎週木曜日に無料で配信する。紙の雑誌『HOT-DOG PRESS』と同様,若い男性向けにニュースやエンターテインメント,マンガ,スポーツ,ファッションなどの情報を発信するほか,小説やコラム,グラビアなどの連載もあり,毎月100本を超える動画も配信する。1度ダウンロードしたコンテンツはオフラインで閲覧できる。また,ツイッターや,同社が販売するほかの有料雑誌アプリとも連動する。

山と溪谷社と大日本印刷,アウトドア雑誌のデジタル版
 山と溪谷社と大日本印刷は,山と溪谷社が発行している女性向けアウトドア季刊雑誌『Hutte(ヒュッテ)』の最新号vol.03のデジタル版を制作し,5月17日から,iPad,iPad2向けに600円で販売を始めた。同誌のデジタル版はAdobe Digital Publishing Suiteを利用して制作し,紙版のデータを端末の画面サイズに変換するだけでなく,動画やアニメーションなどを組み入れて独自のデジタル雑誌として再編集した。コンテンツ追加型アプリケーションを用いたデジタル雑誌として,国内出版社で初めての発売となる。

BIGLOBEと小松左京事務所,SF作品の電子書籍出版
 NECビッグローブとイオ・小松左京事務所は5月16日,国内の人気SF作家の作品を電子書籍化して出版・販売する「SF作家の書店 プラネタリアート」を始めた。海外向けに英語版も提供していくほか,タブレット端末ならではの操作性や表現力を活かした新しい電子書籍を制作していく。開始当初はiPad,iPhone向けの配信のみ。2013年までに3000作品,売上1億円を目指す。

近代美術,沖縄特化の電子書籍ストアを正式オープン
 出版・印刷・広告代理業を手がける近代美術は5月23日,テナント型電子書店モール「wook」内に沖縄に特化した電子書籍販売Webサイト「沖縄eBooks」を開設した。写真月刊誌『オキナワグラフ』の電子書籍化など,本格的な情報発信を行っていく。

学研ホールディングス,音声付き電子書籍アプリを発売
 学研ホールディングスは5月19日,音声付きの電子書籍アプリ『パート別 最速攻略 “これだけ”単熟語 英検2級』を,同社「学研電子ストア」で発売した。アイコンをクリックすると対応した例文などの英語音声が再生される。

凸版印刷,電子チラシサイトをAndroid版アプリで公開
 凸版印刷は,同社が運営する電子チラシサイト「Shufoo!」のチラシコンテンツを閲覧できる無料アプリ「シュフーチラシアプリ」の提供を5月19日から「Androidマーケット」で始めた。すでにiOS向けに公開しているものと同様で,49,000店舗のチラシ情報を閲覧できる。

紀伊國屋書店,書籍ギフトカードサービス開始
 紀伊國屋書店は,「紀伊國屋ギフトカード」サービスを6月1日に始める。本サービスには,凸版印刷と富士通エフ・アイ・ピーが共同で展開する「ギフトカードASPサービス」を採用している。同ギフトカードは,同書店の店舗,オンラインストアで書籍および電子書籍の購入に利用できるプリペイドカード。3000円,5000円,1万円から希望の金額を選ぶことができる。

廣済堂,石川県で地域共通ポイントサービス
 廣済堂とフェリカポケットマーケティングは,石川県内の70店舗が加盟したポイントサービス「まるっとサービス」を5月16日から始めた。FeliCaポケットの機能を活用したICカードを使う。

ティービーアイ,デジタルサイネージへのコンテンツ配信クラウドサービス
 デジタルサイネージシステムの販売を行うティービーアイは5月16日,サムスン社製デジタルサイネージソフト「MagicInfoPro」と連携するコンテンツ配信クラウド・サービス「MagicSign」を始めた。手作業による配信や自社サーバの設置が不要になり,低コストでの配信ネットワークが構築できる。

日本HP,携帯可能な小型インクジェットプリンタ発表
 日本ヒューレット・パッカードは,外出先に携帯可能なビジネス向け小型インクジェットプリンタ「HP Officejet 100 Mobile」を5月27日に発売する。顔料黒インクと染料カラーインクを搭載し,インク交換なしでA4判560枚が出力でき,インク切れ時のバックアップ機能も備える。バッテリー耐久は500枚連続出力(オプション使用時)が可能。19,000円。

ウチダテクノ,引締力2倍の帯掛け機を発表
 ウチダテクノは,従来の2倍の結束引締力を出せる帯掛け機「テーピットWX」を6月1日に発売する。結束引締力を5〜40N(ニュートン)で調節できるほか,結束テープは最薄60μmまで使用でき,資材コスト削減が図れる。タオルなど柔らかいものに対しゆっくりと締め付けて結束を補強する機能を備え,また直流のブラシレスモーターの採用で50Hzと60Hzを共通化した。最大毎分30回運転。62万円。

ミマキエンジニアリング,広幅カッティングプロッタ発売
 ミマキエンジニアリングは,輪郭カットを行う広幅カッティングプロッタ「CG-100SRII」(最大カット幅1070mm)を5月20日から発売した。プリントした印刷物のトンボ(クロップマーク)を自動で連続的に読み取り,個々に自動補正しながら複雑な形状も輪郭カットすることができる。最大4点のトンボを読み取り,印刷時やラミネート時のゆがみも補正しながらカットする。また,独自の「点線カット機能」により,ミシン目状の“つなぎ目”だけを残して台紙をカットすることが可能。成果物はわずかに台紙と一体となっているだけなので,必要なときに簡単に手で切り離すことができる。カッティングソフトも標準添付。48万円。

インフォプリント,印刷ワークフロー管理ソフトの新バージョン
 インフォプリント・ソリューションズ・ジャパンは,印刷・郵送業務のワークフロー管理ソフト「InfoPrint ProcessDirector」の新バージョン2.2を2011年秋に発売する。PDFデータへの対応を強化したほか,ジョブの受信時間管理やレポートの自動生成機能などを追加する。

大日本スクリーン製造,UD対応フォントがカーナビ採用
 大日本スクリーン製造のユニバーサルデザイン対応フォント「ヒラギノUniversalシリーズ」がこのたび,パイオニアのHDDカーナビゲーションの画面表示書体として採用された。搭載製品は5月下旬から発売される。

ゼロックス,トナーが優良脱墨性の認証
 富士ゼロックスとゼロックス・コーポレーション社(米国)は5月18日,同社が開発したデジタルカラー印刷機「Xerox iGen4 Press」「700 Digital Color Press」「Color 1000 Press/Color 800 Press」に使用されるトナーについて,脱インク工業国際協会から「優良脱墨性」の認証を得たと発表した。

印刷OEM研究会,OEM基準の普及を推進
 印刷OEM研究会は5月17日,東京・鵜の木の金羊社で総会を開き,各議案を承認した。新理事に濱照彦氏(日本プリンティングアカデミー)と丸井康弘氏(博進紙器製作所)が,新監事に小粥将直氏(サンヨー印刷)が就任した。新年度はこれまで実証実験を重ねてきたOEM基準の普及活動を推進するため,7月の「SOPTECとうほく」展および9月の「IGAS」展に出展する。

印刷教育研究会,秀英体の構造を知る
 印刷教育研究会は5月20日,東京・水道橋の都立工芸高校で勉強会を開いた。大日本印刷の高橋仁一氏と宮田愛子氏から書体「秀英体」の歴史や,改刻プロジェクトにおけるデザイン上の注意点,変更に至る経緯などを聞いた。

愛知県印刷会館が建て替え工事
 愛知県印刷会館が,5月23日〜2012年1月の予定で立て替え工事を行う。同会館内の事務所は仮移転する。新住所:〒461-0005名古屋市東区東桜2-9-22愛知県製本会館5F,電話052-508-5201。

6月2日まで「N.Y.TDC展」,6月6日〜24日に「日本タイポグラフィ年鑑2011作品展」
 日本タイポグラフィ協会は6月2日まで,東京・神田の竹尾見本帖本店で「ニューヨークタイプディレクターズクラブ展」を開いている。タイポグラフィに関わるデザイナーの国際的組織である同クラブで受賞したポスターや書籍,パッケージ,インテリア,フォントなど約200点を紹介している。また,6月6日〜24日に同所で「日本タイポグラフィ年鑑2011作品展」も開く。同年鑑に掲載された優秀作品約250点を展示する。入場無料,土日祝日休館。
http://takeo.co.jp/site/event/central/201103.html

6月5日まで,「日本のデザイン 2011」展
 6月5日まで,六本木の東京ミッドタウン・デザインハブで「日本のデザイン 2011」展が開かれている。テーマは「Re:SCOVER NIPPON DESIGN デザイナーが旅する日本」。入場無料。
http://www.designhub.jp/exhibition/2011/03/08-2323.html

6月13日まで,松屋銀座で「日本パッケージデザイン大賞2011展」
 日本デザインコミッティーと日本パッケージデザイン協会が共催の「日本パッケージデザイン大賞2011展」が東京・松屋銀座のギャラリーで開かれている。同賞の入賞作品43点と審査員の推薦作品10点を展示している。食品や飲料品,化粧品,記念品,輸送用ケースなど,消費者の生活や時代を反映させた商品パッケージを見ることができる。入場無料。
http://designcommittee.jp/information/2011/6761953-jpda502011.html

8月7日まで,印刷博物館でグラフィックトライアル展
 東京・水道の凸版印刷印刷博物館は8月7日まで,同館のP&Pギャラリーで「GRAPHIC TRIAL 2011」展を開いている。クリエーターの祖父江慎,佐藤可士和,名久井直子,山本剛久の各氏が凸版印刷のプリンティングディレクターとともに,オフセット印刷を用いて試行錯誤したポスターと制作過程を紹介している。わざとキズ印刷や劣化印刷を用いた作品やインキ代わりに調味料を用いたもの,重ね刷りやインキの盛り,線数による印刷表現の違いを比較してデータ化を試みたもの,オフセット1色校正機やフィルム出力による製版,古紙再生紙などを使いレトロな絵本の雰囲気を出した作品,木版画の質感を表現した作品といった実験的な印刷物を見られる。入場無料,月曜休館(7月18日は開館)。また,6月11日と7月8日にトークショー(要予約)も開く。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/110513/index.html

5月24日,日本印刷学会がプリンタブルエレクトロニクスの講演会
 日本印刷学会のP&I(パターニング&イメージング)研究会とE&S(エレクトロニクス&スクリーンプリンティング)研究会は共催で,5月24日に東京・日本橋のDICビルで「プリンタブルエレクトロニクスの現状と将来展望」と題して,7件の講演会を行う。会員・協賛団体所属員10,000円,教職員・シニア会員8000円,学生3000円,非会員13,000円。
http://www.jspst.org/event/110524.html

5月26日,出版ビジネススクールで出版契約に関するセミナー
 出版研究センターは5月26日,東京・神保町の岩波アネックスでセミナーを催す。「これだけは知っておきたい 著作権の基礎講座」と題し,日本書籍出版協会の樋口清一事務局長が出版契約を結ぶさいの法律問題について解説する。参加費7000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/20110526.html

6月1日〜7日,丸善本店でマッチラベルデザインの展示会
 6月1日〜7日,東京・丸の内の丸善で「LABEL match ART展:マッチラベル[燐票]デザインとアートの出会い」(加藤豊・なかむらじん)が開かれる。書籍『マッチラベルパラダイム:燐票商標様式美』(加藤豊編,木耳社)の出版記念によるもので,明治〜昭和初期のマッチラベルやコラージュ作品などを展示する。6月5日にギャラリートークを行う。入場無料。
http://www.maruzen.co.jp/Blog/Blog/maruzen02/P/12185.aspx

6月2日,日本出版学会が関西部会開催
 日本出版学会関西部会は6月2日,関西学院大学大阪梅田キャンパスで講演会を催す。「近代日本における〈主婦〉の誕生−大衆婦人雑誌の内容分析から」のテーマで大阪大学大学院人間科学研究科の木村涼子教授が話す。参加費は会員300円,非会員500円。
http://www.shuppan.jp/yotei/403-201116862.html

6月6日〜8日,日本画像学会が研究発表会
 日本画像学会は6月6日〜8日,東京・大井町のきゅりあん(品川区立総合区民会館)で第107回年次大会を催す。
http://www.isj-imaging.org/isj.html

6月6日〜28日,gggで「レイモン・サヴィニャック」展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは6月6日〜28日,第299回企画展「レイモン・サヴィニャック」展を開く。「41歳,“牛乳石鹸モンサヴォン”のポスターで生まれた巨匠」をテーマとしたサヴィニャック氏の作品を展示。6月10日に,山下純弘氏(ギィ アンティックギャラリー)がギャラリートークを行う。入場無料,日曜・祝日休館。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000551

6月7日,日本印刷学会グラビア研究会が勉強会
 日本印刷学会のグラビア研究会は6月7日,東京・水道の凸版印刷印刷博物館で包装技術の動向を学ぶ勉強会を開く。「日,欧,米,中で比較する食品包装材料法規制の現状と今後の課題」,「米国最大の国際包装展,パックエキスポ2010の視察報告」「デジタル印刷について」の講演がある。参加費は会員4000円,非会員6000円,要予約。
http://www.jspst.org/event/110607.html

6月8日,出版ビジネススクールでデジタル雑誌に関するセミナー
 出版研究センターは6月8日,東京・神保町の岩波アネックスでセミナーを催す。「デジタル雑誌ビジネスの課題と展望は」と題し,扶桑社デジタル・ライツ事業部の梶原治樹部長が,総務省デジタル雑誌配信実験の検証を交えながら報告する。司会・コーディネーターは文化通信社の星野渉編集長。参加費7000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/20110608.html

6月8日〜10日,画像センシング展
 「画像センシング展2011」が6月8日〜10日,パシフィコ横浜で開催される。画像センシングシンポジウムや光応用技術シンポジウムが併催。展示会は入場無料,シンポジウムは有料。
http://www.adcom-media.co.jp/iss/

6月9日・10日,日本印刷学会が春期研究発表会
 日本印刷学会は6月9日・10日,東京・新富の日本印刷会館で「第125回春期研究発表会」を催す。参加費は,正会員8000円,学生会員1000円,賛助会員社員8000円,非会員16,000円,予稿集のみ5000円。6月9日夕方に交流会開催(参加費2000円)。
http://www.jspst.org/event/kenkyu/110609.html

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週刊『印刷雑誌』2巻21号
2011年5月23日発行
編集長:高尾悠太
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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