週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻13号 2011年3月22日
Japan Printer weekly vol.2, no.13
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

東日本巨大地震に対して,謹んで災害のお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧,復興をお祈り申し上げます。
株式会社印刷学会出版部

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

終作,節電・防災ポスター作成を無料受付
 グラフィックスソフト開発を行う(株)終作は3月14日,節電や防災関連のポスター作成の無料受付を始めた。同社が販売するイラスト素材集「さし絵スタジオ」を利用してデザインし,依頼から10分で納品する。また私用商用を問わず無料で利用できるイラストやポスター画像の提供も始めた。4月以降の同サービスの提供は検討中。

東洋インキ製造,ノンVOCインキ製品拡充を発表
 東洋インキ製造は3月15日,ノンVOCインキ「TK NEX NV100」シリーズの製品拡充を発表した。既存のプロセスインキに加え,今後新たに中間色55色を設定することで,枚葉インキ製品の全面的なノンVOC化を進める。4月から発売予定。

リョービ,OpenTypeフォント3書体を開発
 リョービは,OpenTypeフォントの新製品「ファンシーパック2」(4万1000円),「筆書系パック3」(4万8000円),「平成書体パック」(4万1000円)を開発し,3月30日から受注を始める(販売はリョービイマジクス)。Macintosh,Windowsそれぞれに対応する。

X-Rite社,新しい標準
 X-Rite社は,2011年出荷分の測定器に関し,旧X-Riteと旧GretagMacbethの測定器のモデル間誤差を少なくするため,新しい標準XRGAを採用した。
 日本での販売代理店である日本平版機材は,購入,修理,再較正の依頼に関し,次の点で対応する。XRGAへの変更を依頼しない場合:旧GretagMacbethの標準のままキャリブレーションを行い,返却する。XRGAへ変更する場合:XRGAの新しい標準でキャリブレーションした機材を返却する。測定器側面にシールが貼られ,XRGA対象機種である説明書類が添付される。

幸和システム販売,モノクロカードプリンタの下取りでカラーへ
 幸和システム販売は3月14日から4月28日まで,カラーカードプリンタ「FARGOダイレクトカードプリンターDTC1000」を注文した顧客を対象に,モノクロカードプリンタを下取りするキャンペーンを行っている。24万8000円で,プリンタ本体,カラーリボン,PVC白無地カード100枚などのセットがキャンペーンの内容。

日本プリンティングアカデミー,15人が新たな門出
 日本プリンティングアカデミーは3月18日,東京・小石川の同校で第32回卒業・修了式を開いた。グラフィックメディア専門科3人,同基礎科8人,特別研究コース4人の計15人が卒業・修了し,新たな門出を迎えた。文部科学省認定の「印刷専門士」は3人に授与された。

コニカミノルタ事業会社に,山名新社長が内定
 コニカミノルタビジネステクノロジーズの新社長に山名昌衛氏(現コニカミノルタホールディングス取締役常務執行役)が内定した。4月1日就任予定。

凸版印刷,鈴木和夫・元社長のお別れの会
 凸版印刷・元会長,東京書籍・元社長の鈴木和夫氏が1月18日死去した。両社は4月5日,東京・日比谷の帝国ホテルでお別れの会を開く。

日本印刷産業連合会,経済産業省へ要請
 日本印刷産業連合会は3月16日,東日本巨大地震をはじめ,災害に関し,次の5点を経済産業省に依頼した。
 1.被災した企業が受注・契約を交わした官公庁関連の納期等についての配慮。2.公共インフラへの優先供給を基本に,全企業・家庭による総量規制の導入と自家発電施設への円滑な燃料供給を優先し,計画的生産スケジュールが可能になるような施策。3.納期等の受注契約(民間取引)の弾力的運用に関する政府通達等。4.印刷用紙等関係諸資材の供給円滑化に関する指導。5.物流機能早期回復。

全日本印刷工業組合連合会,災害義援金を募集
 全日本印刷工業組合連合会は3月17日,東北地方太平洋沖地震に関する災害義援金の募集を始めた。1口5,000円(何口でも可),送付先:三菱東京UFJ銀行 八重洲通支店,口座名:全日本印刷工業組合連合会 地震対策本部,口座番号:(普通)0086157,募集期間:3月17日〜4月28日,その他:義援金を拠出された企業名または個人名,住所等を必ず明記。義援金は全額損金算入が可能。長野県北部や静岡県でも地震が頻発し,この地域において災害救助法が適用された場合,今回の災害義援金の対象となる。
 なお,1995年阪神淡路大震災の際は,組合員から約1億1000万円の災害義援金の寄贈があった。

青森県印刷工業組合,人的被害や設備の損傷など大きな被害はなし
 青森県印刷工業組合の理事長である青森オフセット印刷の三上社長によると,組合員企業は3月17日現在,大きな被害はなかったというが,製紙工場や資材各社の宮城県拠点が被害を受け物流機能が停止している。紙・資材等は県内代理店各社在庫のみで,各社ともトラックの燃料不足により配送のめどがつかない。
 避難所では新聞が引っ張りだこになるなど,電気が無くなった時の紙メディアの強さは抜群だったという。

東北工組で連絡がとれない企業も
 全日本印刷工業組合連合会ではWebサイトで会員組合の状況を掲載している。岩手県印刷工業組合は3月17日時点で,大船渡市,陸前高田市は電話不通,釜石市は社屋2階まで水があがった。宮城県印刷工業組合は印刷会館,印刷団地の倒壊はないが,各社は機械にズレが生じ早期復旧は難しい。秋田県印刷工業組合は,軽微な被災にとどまった。

全国グラビア協同組合連合会,シリンダーの転倒等の被害
 全国グラビア協同組合連合会は3月18日,東北関東大震災においてお見舞いの声明を発表した。現在までの東北関東地域での状況は,一部の事業所においてはシリンダーの転倒等の被害が出ており,また,計画停電により業務に支障を来し苦慮している事業所も見受けられるという。過剰品質により従来廃棄していたものでも,使えるものは使っていただくよう顧客に交渉する労を惜しまないで頂きたいと訴えている。

富士フイルムグラフィックシステムズ,生産体制は問題なし
 富士フイルムグラフィックシステムズは3月17日,富士フイルムの各工場における生産体制や,製品在庫については重大な影響はなく,被災地のサービス関係以外は,通常使用分の諸製品については問題ないと発表した。刷版材料の生産工場である吉田南工場については,中部電力エリアのため電力供給にも問題ない。3月15日発生の静岡県東部を震源とする地震についても吉田南工場エリアの震度は3程度で,工場・倉庫共に被害なし。一方,一部地域については,計画停電によるインフラ影響や燃料の入手問題などにより,受注から納品において遅配となる場合がある。

日本アグフア・ゲバルト,東北地方に空輸でCTPプレート供給
 日本アグフア・ゲバルトは3月17日,燃料不足をはじめ道路や港湾の破壊,ドライバー確保の難しさなどにより,3月14日の羽田−青森便を皮切りに空輸でのCTPプレートの供給を始めたと発表した。

光文堂,救援支援の義援金
 全国に展開する印刷機材専門商社の光文堂は3月18日,東北巨大地震での被災者の救援支援のため,義援金を送ると発表した。

以下の各予定は,東日本巨大地震のため,また計画停電等により,変更になる可能性があります。各催事のURLでご確認ください。

3月24日,ビジュアル・プロセッシング・ジャパンが出版セミナー
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは3月24日,東京・渋谷区の同社でデジタル出版に関するセミナーを催す。スターツ出版の伊藤尚之氏が自社のデジタル出版の展開を話す。参加無料,要予約。
http://f.msgs.jp/r/c.do?NL_3_4e_rzs

3月25日,ビジュアル・プロセッシング・ジャパンがITセミナー
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは3月25日,東京・渋谷区の同社で顧客サービスによる付加価値を提供することで競合優位に立てるソリューションを紹介する。同社スタッフのほか,メディアテクノロジージャパンの担当者が解説する。参加無料,要予約。
http://f.msgs.jp/r/c.do?Ow_3_4i_rzs

3月29日・30日,上海で高品質パッケージ展
 第4回「Luxe Pack Shanghai」が3月29日・30日,上海国際コンベンションセンターで開催される。貴金属,酒類など高級嗜好品パッケージを中心としたフォーラムと展示会。
http://www.luxepackshanghai.com/accueil.php

3月29日〜4月27日,クリエイションギャラリーG8で河村要助展
 クリエイションギャラリーG8は,「伝説のイラストレーター:河村要助の真実」展を3月29日〜4月27日に開く。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201103/g8_exh_201103.html

4月7日,日本出版クラブで「2011年 出版産業の行末」講演会
 日本出版クラブは4月7日,東京・新宿区袋町の同所で講演会を催す。新文化通信社の丸島基和社長と東京電機大学出版局の植村八潮局長が,激変する「2011年 出版産業の行末」に関し,紙の本と電子出版の本の近未来を話す。受講料8000円(出版クラブ維持員社6000円)。
http://www.murapal.com/yotei/106-2011-03-11-03-14-02.html

4月13日〜15日,ビッグサイトで「ファインテックジャパン」
 4月13日〜15日,東京ビッグサイトでFPDの技術展「ファインテックジャパン」が開催される。主催はリードエグジビションジャパン。FPDのほか,ナノインプリント技術フェアやプリンテッドエレクトニクスフェアなどで構成。
http://www.ftj.jp/

4月21日,第4回「モリサワ文字文化フォーラム」開催
 モリサワは,第4回モリサワ文字文化フォーラム「“現代日本の漢字文化”:新しい常用漢字をめぐって」を4月21日,大阪・大国町の同社で開催する。2010年11月に29年ぶりに改訂された「常用漢字表」について,文化審議会国語分科会委員としてこの作成に参画した京都大学の阿辻哲次教授に,改訂の必要性や目的を聞く。参加費無料,要予約。
http://www.morisawa.co.jp/corp/effort/forum/

5月15日まで,昭和館で戦中・戦後のポスターと人々の生活を紹介
 東京・九段南の昭和館は,5月15日まで「ポスターに見る戦中・戦後」展を開いている。4月17日までの第1期は「公共事業・社会事業を中心として」を,4月19日からの第2期は「商業広告・文化催事を中心として」をテーマに,昭和初期〜中期の世相を表すポスター計180点を紹介している。商業広告や政策告知のポスターのデザイン,紙質,印刷技術の変化,また当時の人々の生活を感じることができる。入場は無料で月曜休館。
 常設展は,東北関東大震災の影響で期限未定で休室。今後,計画停電等の状況により開館について変更する場合があるので,来館のさいは電話で確認が必要(電話03-3222-2577)。
http://www.showakan.go.jp/tokubetsukikaku/index.html

10月26日〜28日,シンガポールでデジタルスクリーン印刷展
 10月26日〜28日,シンガポールのサンテックでデジタルスクリーン印刷展「FESPA Asia 2011」が開催される。
http://www.fespaasia.com

株式会社印刷学会出版部のWebサイトでは,
書籍『印刷現場の予防保全』の「印刷業の地震・水害対策」をテキストデータのみですが公開しています。
地震編
http://www.japanprinter.co.jp/pages/hozen-1.html
水害編
http://www.japanprinter.co.jp/pages/hozen-2.html

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月刊『印刷雑誌』3月号が単発で売れています。特集は「湿し水のおさらい」です。「湿し水」に関しましては,2010年4月号,2009年10月号・8月号,2006年8月号・2月号,2005年12月号・10月号,2004年7月号でも取り上げています。残部僅少ですので,この機会にぜひお買い求めください。
 お問い合わせは,info@japanprinter.co.jp または電話03-3555-7911にお願いします。

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週刊『印刷雑誌』2巻13号
2011年3月22日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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