週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻5号 2011年2月7日
Japan Printer weekly vol.2, no.5
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

DNPアートコミュニケーションズ,徳川美術館の収蔵品画像を貸出
 大日本印刷の子会社であるDNPアートコミュニケーションズは1月31日,徳川黎明会と徳川美術館の収蔵品画像データ提供に関する契約を結び,同画像データの貸出サービスを2月1日より始めた。貸出しデータは,愛知・名古屋の同美術館が所蔵する徳川家康の遺品をはじめとした大名家の道具や美術品で,国宝『源氏物語絵巻』や重要文化財「長篠合戦図屏風」「白天目」などを含む約550点からサービスを開始。データはWebサイトでダウンロードできるほか,CD-Rで受け取ることもできる。

廣済堂,MCBook形式の電子書籍を販売
 廣済堂は2月1日,iOS向け電子書籍書店アプリ「BookGate」を更新し,モリサワの電子書籍ソリューション「MCBook」で制作されたテキスト形式の電子書籍の販売を始めた。発売を記念して2月14日まで同形式の4作品をキャンペーン価格(350円)で提供している。今後はすでにAppStore上で発売中の作品も追加して,文字情報中心の書籍ラインナップを強化していく。

買う市,4万5000コンテンツで電子書籍販売
 買う市(株)は2月2日,同社が企画・運営するオンライン書店「livedoor BOOKS」で電子書籍コンテンツの販売を始めた。同コンテンツはパピレスが提供するe-books販売システムから提供されるもので,約4万5000コンテンツから始める。同オンライン書店はこれまで新刊本や中古本を同一カートで決済できるなどのシステムを構築しており,電子書籍コンテンツも同様のシステム内で販売される。

アンテナハウス,クラウド型書籍編集制作サービスを開発
 アンテナハウスは2月1日,Webブラウザ上で書籍の内容を入力・編集し,EPUB形式などの電子書籍,および紙の書籍印刷用高品質PDFを作成できる「クラウド型汎用書籍編集・制作サービス」(CAS-UB)を開発した。1度の編集工程で紙の書籍と電子書籍を同時に出力することで制作効率を向上させる。今後はEPUB3.0形式へも対応していく。

アドビシステムズ,電子出版の国内事例を紹介
 アドビシステムズは2月1日,東京のベルサール六本木で「Adobe Digital Publishingフォーラム」を催し,同社の電子出版ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」を採用した企業の事例発表を行った。国内初の有償コンテンツとなった三栄書房の電子書籍『ゴルフトゥデイ』や,ロータスエイトのiPadアプリ「ヘッドポーターカタログ」などが紹介された。

TCA卒業アルバム組合,イメージコピーを策定
 イシクラ,加藤写真印刷所,キョーコロ,トーコロ,東京写真工芸,明正総合写真印刷で組織するTCA卒業アルバム組合は2月4日,「学園生活の記念出版物」として卒業アルバムの良さを広めるために同組合のイメージコピーを策定した。コピーは組合各社の社員から募集し,「そっと そばに,ずっと そばに,卒業アルバムは時代をこえて」に決まった。同組合は今後,印刷製品としての卒業アルバムの価値を全国規模で紹介し,アルバムを通して公益的な活動を展開する。

凸版印刷,電子チラシサイト「Shufoo!」がアンケートサービス開始
 凸版印刷は,電子チラシサイト「Shufoo!」の会員向けに,アンケートに回答すると,買い物などに使えるお得なポイントを獲得できる新サービス「Shufoo!くらしリサーチ」を2月1日より始めた。無料のモニター登録を行い,Webサイト内でのアンケートに回答することでポイントを獲得。獲得したポイントは,ポイント数に応じて,提携先企業のプラスチック型ギフトカードにチャージ(入金)することができ,様々な店舗での買い物に利用できる。

メディアテクノロジージャパン,印刷業向けCFP認証の支援サービス
 メディアテクノロジージャパンは1月31日,クレコ・ラボと協業し,印刷業界向けのカーボンフットプリント(CFP)認証支援サービスの提供を始めた。両社はすでに,金羊社で定期開催されている「ミュージックジャケットギャラリー常設展」の案内チラシでCFPの認証支援を実施し,正式に認定されている。今後はCO2排出量算出ソフトウエアを提供し,排出量の見積もりを可能にするサービスを展開する予定。

日本HP,湿式トナー印刷機の最上位機種を発売
 日本ヒューレット・パッカードは2月2日,湿式トナーデジタル印刷機「HP Indigo」シリーズの最上位機種「Indigo 7500」を発売した。粉体トナーの約5分の1となる平均1μmの極小粒子の液体トナーでオフセット印刷に匹敵する印刷品質を再現でき,ライトシアンやライトマゼンタのほかホワイトインキや特色対応など,最大7色印刷が可能。A3判ノビまで対応し,最速で両面カラー毎分120枚(A4判換算)を出力する。8000万円。

日本アグフア・ゲバルト,新面付けソフト発表
 日本アグフア・ゲバルトは2月2日,テンプレートと言った“ひな型”は使わず条件に合わせてその場で面付けを作成する機能「:APOGEE Impose」を搭載したプリプレスワークフロー「:Apogee 7」を発表した。印刷機や用紙などの条件を指定し,あらかじめ定義しておいた各社ごとのルールに基づいて最適な面付けを自動生成する。いったん面付けが済んだジョブに対しても印刷機や用紙の条件を変更することで自動で再面付けを行う。

エプソン,インクジェットプリンタ4シリーズ発表
 エプソンは2月3日,次の一般向けインクジェットプリンタを発表した。
 カラ―FAX,有線・無線LAN対応複合機「PX-673F」(予想市場価格3万円台後半)と自動両面印刷対応「PX-603F」(2万円台後半),モノクロ専用低インクコストの「PX-K100」(1万円台中盤),4色顔料インク多機能モデル「PX-403A」(1万円前後),A3判延び顔料高画質対応「PX-5V」(8万円台後半)。

エプソン,軟包装モックアップ用フィルム基材発売
 エプソンは2月1日,水性ホワイトインク搭載インクジェットプリンタ「PX-W8000」の専用メディア「クリアプルーフフィルム〈薄手〉」(3月中旬発売)と「クリアプルーフフィルム〈のり付き〉」(2月中旬発売)を発表した。フィルム基材部の厚さを従来品の半分の50μmにしたことで,より軟包装モックアップ作成用途に適した素材となった。

ジェットグラフ,IJ写真用紙3種を追加
 ジェットグラフは,プロ向けのインクジェット写真用紙「イルフォードギャラリー」シリーズに新製品3種を追加し,2月1日から販売を始めた。「スムースグロスIGSGP11」は従来品から品質を向上し,広い色再現域とシャープネスを持つコーティングによって銀塩写真同等の品質を再現する。「スムースパールIGSPP11」はパール面半光沢で反射を抑え,指紋がつくのを防ぐ。「リミテッドエディション」は前記の新製品2種を含む計6種類の用紙10枚ずつがセットになった試用パック。

グラフィック社,『デザインの引き出し12』特集は型抜き
 グラフィック社は『デザインの引き出し12』を2月25日に発行する。特集は,印刷物の抜き加工について作品や平打ち抜き機,加工方法を紹介する。B5判144ページ,2100円。

エイブリィ・デニソン,物流センターの体制強化
 エイブリィ・デニソン・ジャパンは,千葉の物流センターの体制を強化し,2月1日から稼動を始めた。加工効率を改善した設備の増強やクリーンルームの新設,作業体制を2シフト制にするなど,従来の2倍以上の対応能力となった。

凸版印刷,エレクトロニクスと商業印刷が好調
 凸版印刷は1月31日,同社の近況を発表した。2011年3月期第2四半期は,エレクトロニクス関係が好調であり,また商業印刷分野も増収増益となった。金子眞吾社長は次のように語った。
 今年の経営スローガンを「“印刷テクノロジー”でビジネスモデルの変革を進めよう。」とした。具体的には,1.事業構造改革の遂行(コスト削減を年間385億円に),2.新たな事業やサービスの創出(高機能フィルムや電子書籍,個人向けメディア),3.グローバル市場への展開(2015年に海外売上高30%に),を実施する。通期の連結業績は,売上高1兆6100万円,営業利益465億円,経常利益475億円を見込む。

PAGE展,約7万4000人来場で盛況
 印刷の前工程の動向を中心とした展示会PAGE2011(日本印刷技術協会主催)が2月2日〜4日,東京・池袋のサンシャインシティで開かれ,7万3720人が来場した。電子書籍制作ソリューションやデジタル印刷によるフォトブック制作,環境対応や生産効率改善に向けた各種製品やシステムなどの提案があった。(月刊『印刷雑誌』4月号〈3月22日発行〉参照)

ギフト・ショー,自慢の製品をアピール
 2月1日〜4日に有明の東京ビッグサイトで,ビジネスガイド社が主催する「ギフト・ショー」が開かれた。丸信はシール・ラベルと紙器の印刷加工や,同社のデザイナーによる筆文字に特化したデザインを提案した。大同紙工印刷はPPや再生PET素材の販促用品として,封筒になるクリアケースや折り畳めるうちわ,マスクケースなどを紹介した。藤徳紙器はスピードくじや気泡緩衝材(プチプチ)を組み合わせたうちわや,金箔加工をした貯金箱やティッシュ箱などの紙製品を出展した。

小森コーポレーション,新型菊全判機発表とオンデマンド実演
 小森コーポレーションは2月1日,菊全判オフセット枚葉機「リスロンG40」を発表した。従来機リスロンS40の給・排紙装置を改良しスムーズな紙挙動にした。またベンダーレスの版交換システムが特長。紙厚は0.04〜0.6mmに対応し,爪台の調整で0.8mmまでが可能。最高速度は毎時1万6500部。4月より出荷を始める。
 同社は2月3・4日,茨城・つくば市の同社グラフィックセンターで同機と「オフセットオンデマンド」をテーマに内覧会を開いた。「オフセットオンデマンド」は,菊半裁判4色機にオゾンレスUV装置「H-UV」を付け,さらに品質管理装置などにより20枚で目的濃度の印刷をパウダーなしで行った。印刷後すぐに裏面を印刷し,その後すぐに断裁と折りの実演をした。新型機「リスロンG40」にも同様に「H-UV」を搭載し,パウダーレスの印刷および厚紙の印刷実演を行った。

ハイデルベルグ・ジャパン,新型菊全判片面機と新型品質管理装置発表
 ハイデルベルグ・ジャパンは2月1日,東京・東品川の同社で,IPEX展(2010年5月,バーミンガム)で発表された菊全判片面専用枚葉オフセット印刷機「スピードマスターCX102」の実演会を開いた。従来機「CD102」のプラットフォームに,「XL105」機の技術を継承した機種。最高印刷速度は毎時1万6500枚。2,4〜8色モデルをベースにロングデリバリやコーター,インライン箔押しなどのモデルもある。また,コントロールストリップまたは絵柄を読み取り,インキ壷へデータを送る紙面品質管理装置「Image Controll II」も発表した。光源は白色LED,走査は5000万画素,解像度は100dpi・0.25mm,最小コントロールストリップは3.24×4mm,PPFを読むことによりコントロールストリップやコントロールしたい色のエリアを自動認識する,などの特長がある。
 さらに,同社はこのたび,環境対応の提案を拡大した。カーボンオフセット(排出権購入システム)では,ドイツ・ミュンヘンのクライメートパートナー社のCO2計算ソフトやノウハウを利用していく。カーボンフットプリントでは,三洋電機の「エレモス」電力測定・遠隔監視サービスを使い,エネルギーの見える化をサポートする。

日本アグフア・ゲバルトとコムテックス,UVインクジェットで提携
 日本アグフア・ゲバルトとコムテックスは2月2日,AGFA社のUVインクジェット印刷機「:Dotrix」の販売で,協力していくと発表した。同機は,軟包装,紙器・パッケージ,シール・ラベル分野向きと言われており,コムテックスの販売・サポート力による全国展開を図る。

レディバードクラブ,ITと人との縁を聞く
 大日本スクリーン製造のユーザーを中心に組織するレディバードクラブは2月3日,パレスホテル大宮で関東甲信越静地区ブロック大会を開いた。
 「クロスメディア時代が促す印刷業界の変格」としてネットイヤーグループの石黒不二代社長が,「人のご縁ででっかく生きろ!」と題しクロフネカンパニーの中村文昭社長が講演した。

ハイデル・フォーラム21,環境研究会開催
 ハイデルベルグ製品のユーザーで組織するハイデル・フォーラム21は2月1日,東京・東品川のハイデルベルグ・ジャパンで環境研究会を催した。「印刷業界におけるカーボンフットプリントの最新トレンド:経営・営業ツールとしての「CO2の見える化」」をプリンティングアドバイザーの樋口宗治氏が,「カーボンオフセットの必要性と取り組み事例」をハイデルベルグ・ジャパンの木下郁子氏が講演した。

千葉大学画像工学同窓会,技術講演会開催
 千葉大学画像工学同窓会は2月4日,池袋サンシャインシティで技術講演会を催した。
 「生体のダイナミックイメージング」のテーマで,千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センターの羽石秀昭教授が,関節や肺,整形外科や臓器(器官)に関する3次元動画イメージングについて解説した。また,「インクから見たワイドフォーマットIJプリンタの動向」のテーマでミマキエンジニアリングの田林勲取締役が,インクジェットの記録方式,インクセットや乾燥のメカニズム,同社の機器やインクの展開,屋外広告への適性,色再現域,看板施工例などを紹介した。

5月8日まで,印刷博物館P&Pギャラリーが「店頭デザイン大解剖展」
 東京・飯田橋の印刷博物館P&Pギャラリーは5月8日まで,「店頭デザイン大解剖展」を開いている。購入者が商品を“つい”買いたくなる陳列方法やPOPの使い方,音や光の用い方などの事例を展示。商品をタワーのように積み上げたものや,ブランドイメージの色で統一した商品陳列,レンチキュラーレンズを用いた3D印刷のPOP,店員が目利きをして商品の解説を付けた手書きのPOPなどを見られる。また,店頭をデザインするクリエイターの考え方や,購入者の店頭の見方も紹介している。毎週月曜日休館(3月21日は開館,3月22日休館),入場無料。
http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/110201/index.html

ggg,2月28日までザ・デザイナーズ・リパブリック展
 東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーは2月28日まで「イアン・アンダーソン:ザ・デザイナーズ・リパブリックがトーキョーに帰ってきた。」展を開いている。1986年にイアン・アンダーソン氏が設立したイギリスのデザイン事務所「ザ・デザイナーズ・リパブリック」の作品を紹介している。既存のロゴやアイコン,日本のカタカナなどを独自の視点で再解釈・再構築した鮮烈なビジュアル表現が特徴で,会場は柱や壁のようにした作品で仕切られ,まるで迷路を進むように作品との出会いを楽しめる。日曜・祝祭日休館,入場無料。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

3月4日,日本パッケージデザイン協会がデザインの将来性セミナー
 日本パッケージデザイン協会は3月4日,東京・ミッドタウンのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで「クリエイティブのタクトをふる」と題し講演会を催す。会員12,600円,一般16,800円。
http://www.jpda.or.jp/activities/seminar/sem35/sem35.html

5月18日〜21日,大阪でA-Pack
 包装関係の展示会「A-Pack2011」が5月18日〜21日,インテックス大阪で開催される。主催は日報アイ・ビー。入場無料。
http://www.nippo.co.jp/apack011/

5月24日,日本印刷学会が微細加工の講演会
 日本印刷学会のP&I(パターニング&イメージング)研究会とE&S(エレクトロニクス&スクリーンプリンティング)研究会は共催で,5月24日に東京・日本橋のDICビルで「プリンタブルエレクトロニクスの現状と将来展望」と題して,7件の講演会を行う。会員・協賛団体所属員10,000円,教職員・シニア会員8000円,学生3000円,非会員13,000円。
http://www.jspst.org/event/110524.html

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週刊『印刷雑誌』2巻5号
2011年2月7日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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