週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』1巻16号 2010年8月30日
Japan Printer weekly vol.1, no.16

本メディアは,紙メディアである月刊『印刷雑誌』と連携し,月刊誌では遅くなってしまう情報を中心に掲載します。グラフィックアーツに携わる方々のお役に立てば幸いです。

FFGS,ワークフローソフトを更新
 富士フイルムグラフィックシステムズは,台進行管理などの機能を搭載したハイブリッドワークフローシステム「FUJIFILM WORKFLOW XMF V3.0」の販売を始めた。 作業効率を高め,複雑なジョブの台進行管理を効率化するほか,束見本校正をJDF対応,非対応のプリンタでも出力できるようにした。製本イメージの3D校正も新たにZ折りや観音折りに対応した。合わせて,これに連携するWeb入稿時の汎用ファイルアップロード機能などを備える「XMF Remote R5」も発売した。

ミマキがEFIとプリンタ販売提携
 ミマキエンジニアリングは8月26日,米国EFI社の子会社であるオランダEFI社とEFI社のVUTEkプリンタの日本国内販売契約を結んだ。EFI社のハイエンドプリンタを商品に加えることで,初級から上級まで幅広い顧客層に販売展開する。販売開始は10月1日から。

ローランドDG,紙器・パッケージ向け大判IJプリンタ発売
 ローランドディー.ジー.は,54inch(1371mm)幅の大判UVインクジェットプリンタ「VersaUV LEC-540」の販売を始めた。コートボール紙など板紙が使用できるフラットテーブルを標準装備したほか,箱状に組み立てるのに必要な折罫を入れる機能,ミシン目カット機能などを備え,紙器・パッケージの試作用途やガラス装飾のディスプレイ製作に向く。出力速度は従来モデルの2倍となった。680万円。

ソフトウェア・トゥー,3DやDTP関連ソフト発売
 ソフトウェア・トゥーは,米国Strata社が開発した3D制作ソフトウェア「STRATA DESIGN 3D CX 6 日本語版 for Windows」を9月10日から販売する。Adobe製品と類似のユーザーインターフェイスを備え,Adobe製品との連携機能を多く持つ。モデリング機能やレンダリングエンジン,ライティング,アニメーション機能など,3D制作に必要な機能がすべて含まれている。12万8000円。
 また,ベルギーEnfocus社が開発した「PowerSwitch 09」「FullSwitch 09」「LightSwitch 09」の日本語版の販売を8月31日から始める。同シリーズは制作や印刷に関連する作業を自動化するソフトで,従来手動で行われてきた,コピー,仕分け,リネーム,メール/FTPでの受送信など,頻繁に行われるデータの移動作業を自動化する。今回の更新でMac OSX10.6とWindows7のOS環境とAdobe CS5に対応した。

エイブリィ・デニソン,曲面対応の高光沢フィルムを改良
 エイブリィ・デニソン・ジャパンは,車両ラッピング・建築材料向け粘着フィルム「MPI 1005 Supercast」シリーズの販売を始めた。複雑な3次曲面や接合部分でのフィルムの浮きを最小限に抑えた設計で,表面機材の高光沢化と平滑化で色彩再現の向上も図った。設計価格3000円/m2。

防火認定素材のラテックスインク対応メディア発売
 リンテックは,同社が販売する防火認定取得のメディアをヒューレット・パッカード製インクジェットプリンタに搭載する水性ラテックスインクに対応するメディアとして製品化した。新シリーズのデジタルプリント壁紙「プリンテリアSOLatex」のほか,屋内・屋外用粘着シート,デジタルプリント素材などがある。

ゼブラ・テクノロジーズ,販売戦略を発表
 米国ゼブラ・テクノロジーズは8月24日,日本を含むアジアパシフィックにおける販売戦略を発表した。バーコードやRFID,IDカードなどのプリンタやそれらによる管理システムソリューションを提供する同社は,1998年から日本進出を始め,パートナー企業を通じた販売により市場規模を伸ばしている。製造,輸送,流通,ヘルスケア,官公庁,モビリティ分野を主軸として展開し,各業界に強い企業とのパートナーシップを構築しながら,日本市場全体の10%の獲得を狙う。

キヤノン,デジタル一眼レフカメラを発売
 キヤノンは8月26日,中級者向けデジタル一眼レフカメラ「EOS 60D」を9月中旬から発売すると発表した。基本性能の向上を図ったほか,どの角度からでも液晶モニタを見ながらの撮影を可能にしたEOSシリーズ初となる「バリアングル・クリアビュー液晶モニタ」を搭載した。また,世界で初めて全周180度から対角線180度までの画角をカバーする魚眼ズームレンズ「EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM」を含む,EOSシリーズ用の交換レンズ6機種を11月より順次発売する。

ユニヴァーサルデザイン協議会,移動環境快適化を支援するツールを提供
 国際ユニヴァーサルデザイン協議会は,鉄道の駅やバスターミナルなどでの案内情報の“シーム”(継ぎ目)を発見するための「移動情報UD調査シート」を同協会のWebサイトで公開した。同シートは,対象地域の案内情報の有無や設置場所,表示位置の高さ,文字の大きさ,色使い,検索性,外国語への対応などの評価項目があり,街づくりや交通ターミナル開発における移動環境の調査に活用できる。また同Webサイトで調査の手引きも紹介している。

カラーコード・テクノロジーズ,携帯電話からの読み取りに対応
 カラーコード・テクノロジーズは,既存のコード規格と比較し,約5倍の情報を保持できる「カラーコンストラクトコード」(CCC)を開発し,販売している。9月1日からWeb上でサービス展開を図るため,CCCのサポートサイトを立ち上げるとともに,携帯電話(docomo,softbank)でCCCを読み取れる「Color C Code Mobile Reader」を発売する。

印刷工業会,電子流通の講演会開催
 印刷工業会は8月27日,東京・神保町の如水会館でセミナーを行った。「電子書籍時代のクロスメディアビジネス」と題して東京電機大学出版局の植村八潮局長が,現在の日常において既に文字情報は紙からディスプレイで取り扱われることが多くなっており,このデジタルの流通をビジネスとして捉える意識がこれからの印刷会社に必要とされると語った。

日本印刷学会中部支部,Japan Color認証の詳細を説明
 日本印刷学会中部支部は8月28日,名古屋市のウインクあいちで「印刷の標準化Japan Colorに向けて」をテーマにセミナーを行った。小森コーポレーションの大塚彰氏がJapan Color認証制度の概要と印刷機械メンテナンスの重要ポイントを,富士フイルムグラフィックシステムズの田子智久氏が認証制度の詳細と注意点を解説した。また,講演内容に関し,講師とJapan Color認証を取得したサンメッセの高橋肇氏が討論会を行った。

サカタインクス,IT戦略セミナーで未来提案
 サカタインクスは8月24日,東京・新富の日本印刷会館で印刷業の未来を見据えたIT戦略をテーマにセミナーを開いた。TRY Linkの堀裕介社長は,同社が行ってきた企業コスト削減の実例を踏まえ,コスト削減や値引きより顧客のアフターフォローの強化によるリピーター確保の重要性を話した。クリエイティブホープの大前創希社長はiPadやiPhoneの登場で変化する電子書籍業界の動きについて紹介し,電子書籍の普及には単価,キャリア,端末の壁を乗り越える必要があると述べた。

FFGS,IT関連のセミナー開催
 富士フイルムグラフィックシステムズは8月5日,東京・六本木の富士フイルムでセミナーを開いた。アサプリホールディングスの松岡祐司社長が,和の心を重んじたM&Aで売上高33億円超の企業へ成長させた経験をもとに,社員をリストラせずに収益を改善する仕組み作りについて解説した。また,同社グループ内の全出力データを一元管理するシステムも紹介した。同システム導入により各工場の印刷機が効率的に稼働して生産の全体最適化ができたほか,校正の効率化にもつながり顧客からも好評と話した。

第1回学生グラフィックコンペ結果決まる
 印刷教育研究会が主催する第1回学生グラフィックコンペ(谷欣伍審査委員長)の結果が発表された。最優秀賞には都立六郷工科高等学校の浅野香純さんの「未成年者飲酒禁止ポスター」が選ばれたほか,優秀賞3点,入選4点,佳作5点,特別賞1点が選出された。同コンペは,会員学校の高校生以上の生徒・学生を対象に,日頃の実習作品で制作した作品を募集し,各賞を決める。来年度に第2回も予定している。

出版ビジネススクール,電子出版講座を開催
 出版ビジネススクールは8月25日,東京・神保町の岩波セミナールームで弁護士の村瀬拓男氏と東京電機大学出版局長の植村八潮氏を講師に,電子出版の現状と今後を探るセミナーを催した。村瀬氏は電子出版における出版社の役割の変化と出版契約,著作権や出版権の問題と議論の現状について解説した。植村氏は電子出版業界の現状の動きやこれまでの経過を踏まえ,電子書籍としての付加特性の必要性やビジネス展開の課題,フォーマット標準化の動向などを話した。また廣済堂スピーチオ販売の深見拓史氏を進行役に,電子書籍の未来についてパネル討論も行った。

コニカミノルタBT,インドに販売会社
 コニカミノルタビジネステクノロジーズは7月に,インドに独資の情報機器販売会社Konica Minolta Business Solutions India Private Limitedを設立した。プリンタやスキャナーなどの複合機や情報機器製品および消耗品や部品などの輸入販売とサービスを行う。初年度20人体制。

移転
(株)文化通信社 本社:〒113-0034東京都文京区湯島2-4-3,ソフィアお茶の水302,電話03-3812-7466。

9月2日からサイン・ディスプレイの機材展
 東京屋外広告美術共同組合は9月2日〜4日に有明の東京ビッグサイトで屋外広告に関する資機材展「サイン&ディスプレイショウ」を開く。162社が出展し,富士フイルムグラフィックシステムズが新製品の大判UVインクジェットプリンタを出品するなど注目の資機材を見ることができる。

誠晃印刷で「ハイブリッドUV」内覧会
 小森コーポレーションは9月3日,東京・新宿の誠晃印刷で「ハイブリッドUV」システム搭載菊半裁判5色オフセット枚葉印刷機の内覧会を開く。

印刷教育研究会,9月3日に勉強会
 印刷教育研究会は,9月3日18時30分から東京・水道橋の都立工芸高等学校で勉強会を開く。工画堂スタジオの門野孝介氏が「近代教育システムから切り離されたサブカルチャーの底流」をテーマに話す。

印刷技術懇談会,9月10日に勉強会
 印刷技術懇談会は,9月10日18時30分から中野坂上の東京工芸大学で勉強会を催す。小森コーポレーションKGC副センター長のNeil・Wrigglesworth氏が「不景気に立ち向かうイギリス印刷業界」をテーマに話す。

9月のggg,60年代米国のデザインを楽しむ
 ギンザ・グラフィック・ギャラリーは9月2日〜28日に企画展「プッシュピン・パラダイム:シーモア・クワスト,ポール・デイヴィス,ミルトン・クレイザー,ジェームズ・マクミラン」を開く。1960年代前後の米国グラフィックデザイン界で一世を風靡した「プッシュピン・スタジオ」の主要メンバー4名のポスター,原画,書籍,雑誌などを含め作品200点を展示する。

 

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重版出来 『新聞製作入門』(熊取義純著),1470円。
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週刊『印刷雑誌』1巻16号
2010年8月30日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部


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