週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』臨時号 3巻12号 2012年3月22日
Japan Printer weekly vol.3, no.12
毎週月曜日10時発行

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』(1470円)と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

世界最大の印刷機材展であるdrupa(5月3日〜16日,デュッセルドルフ)の情報をお知らせします。

5月に世界最大の展示会drupa:日本の大きな存在価値
 世界最大の国際印刷資機材見本市のdrupa(ドルッパ)が5月3日〜16日,ドイツ・デュッセルドルフの見本市会場(メッセ・デュッセルドルフ)で開催される。51ヵ国から1766社・団体(内ドイツ577社・団体)が16万5487m2で出展する(2月21日現在)。
 前回2008年は53ヵ国から1953社・団体が17万4681m2で出展したので,今回はほんの少し規模が小さくなった。印刷産業は世界的に見ても減少するようにも思えるが,Pira(the Print Industry Research Association)は世界の印刷市場は2016年までに年率1〜1.5%成長すると予測している。周知のとおり,中国やインド,ブラジルなどが牽引するのだろう。なお,Piraは世界でのデジタル印刷(POD)の市場は今の25%から2018年には50%にまでなると言っている。また,50%の印刷会社が,PODを利用しての,印刷の周辺ビジネスに取り組むとも言っている。
 drupa2012は,日本からは35社・団体が7529m2で出展し,出展面積でドイツ,イタリア,イギリス,中国,スイス,USAに次いで7位である。しかし,小森コーポレーション,富士フイルム,大日本スクリーン製造など大手国産メーカーはヨーロッパ子会社から出展するため,この数には入っていない。これらのメーカーを日本からの出展数に入れると,当然出展面積は大きくなり3〜4位程度になると思われる。ドイツで開催の国際見本市において,日本の印刷資機材メーカーの立場がどれだけ大きいかが理解できる。
 drupaは1951年に始まり今回が15回目。前回までは年々出展社数や展示面積は増加傾向ではあるが,最も来場者が多かったのは1990年の44万4000人で,前回の2008年の来場者は39万人だった。今回の来場者数の増加の鍵を握っているのは,中国とブラジルだろう。
 主催者であるメッセ・デュッセルドルフ社と代理店のAD communicationsは2月27日〜29日,メッセ・デュッセルドルフで出展14社(グループ)によるdrupa出展の記者発表を行った。また,その発表会に参加しないまでも,出展内容の発表を始めたメーカーがいくつかある。その中から見て取れる出展動向と,各社の発表概要を紹介する。

インクジェット,環境
 主催者側はdrupaで,今後の印刷を考察するコーナー「イノベーション・パーク」を企画しているが,そこでのテーマは,「印刷の自動化」と「プリンテッド・エレクトロニクス」(PE)になっている。自動化は,W2P(Web to Print:インターネットを使った印刷通販)につながり,PEは今後印刷物に取って代わるディスプレイ機器の生産に欠かせない,印刷技術を使った電子機器製造技術といえる。
 一方,今回のdrupaはインクジェットの新技術・新製品,あるいは実際の販売に入る体制になったとの発表があった。富士フイルム,大日本スクリーン,エプソン,キヤノン・Oce,EFI,Dominoのほか,小森もコニカミノルタと提携して試作機ながら出展すると発表した。
 キーワードとしては,インクジェットのほか,パッケージング,環境,クラウド,W2Pなどがあった。発展途上国の消費増加により,パッケージ市場(印刷)も増加し,パッケージ印刷に焦点を当てるメーカーが多い。この分野は,2014年までに7%の成長があるとの予想もある。なお,drupaで見ることができる多くのパッケージング技術は,フレキソのようである。一方,多くの出展社がCO2削減をはじめとした環境対応(Green Printing)を謳った。
 またMISを中心とするソフトウェアメーカーはクラウドによる展開とW2Pのための自動化をdrupaで紹介する。W2Pを行うには標準化が必要だとしており,そしてW2Pが印刷ビジネスの一つの成功例だとしている。標準化は,プリプレスにかかる時間の60%,全体の時間では40%を削減し,印刷発注者の時間の80%を削減すると主催者側は述べている。さらに逆に「Print to Web」を展開する場面も紹介している。QRコードが代表的なもので,印刷物からWebへ誘導するビジネスであり,このようなパターンも検討しなくてはならないようだ。オフセット印刷とスクリーン印刷,印刷とWeb,印刷と微細加工など,いろいろなものの組み合わせ(ハイブリッド)も思考する必要があり,それを前述のイノベーション・パークで見ることができると主催者側は話している。
 次に各社の出展予定の概要を紹介する。

ハイデルベルグ(Heidelberger Druckmachinen)
 リーンプロダクション(ムダのない生産),グリーンプリンティング,Web to Print,ショートランプリンティング,コーティングや特殊効果による差別化,パッケージ印刷の未来,利益と教育の7つの市場動向に焦点を当て,ホール1に出展。ホール2は協力企業の出展が中心になる。
 新製品として「スピードマスターSX」を発表した。サイズは,70×100cmで最高速度は14,000枚/時。生産性と本体価格が最上位機種の「同LX」と,「同SM」の中間に位置する。
 また同社は,スピードマスターのブランドのほか「ライノプリント」のブランドで枚葉オフセット印刷と異なるデジタル印刷機を発表している。提携しているリコーのプロダクション・プリント製品「Pro C901」と「同C751シリーズ」を商業印刷システム「Linoprint C」として世界で販売する。ハイデルベルグのプリプレスシステムからデータを出力する流れだ。すでに発表している「Linoprint L」はUVインクジェットによるラベル・パッケージ用デジタル印刷システムとしている。

小森(Komori Corporation)
 オフセットオンデマンド,パッケージ印刷,高効率,デジタルオンデマンド,サービス,環境対応,輪転・特殊印刷の7コーナーを設けホール15で出展する。 高感度UV装置の「H-UV」搭載菊全判8色オフセット反転機「リスロンG840P」とH-UV搭載菊半裁寸延び判5色機「同S529」,後加工システムとしてシュナイダーの断裁機とホリゾンの中綴じ機,CMS,デジタル印刷システムなどの連携により即時性を実演する。リスロンG840PはH-UVランプを2台搭載し,反転後の圧胴に圧胴ジャケットを使わず,廃棄ダクトもない。刷版の尻曲げ不要で,分光式色調管理装置で色調管理と自動見当を行い,版の見当精度と咥えによる版へのダメージを軽減した“全色同時”自動刷版交換装置と併用することでジョブの切り替え時間を短縮する。さらに統合管理システム「KHS-AI」を使用し,自己診断,稼動・保守管理で機械のダウンタイム(非生産時間)を削減,自己学習機能などで損紙・切り替え時間を短縮して機械稼動率の向上と小ロット対応を図る。また,反転胴と排紙部側に設置した品質検査装置により直径0.5mmの最小点とカラーバー読み取りによる濃度制御でインライン検査を行い,刷り出しから完了までの製品品質を保つ。
 リスロンS529には全自動版交換装置と分光色調管理装置のほか菊半裁判機の実演では大型モニターを活用し,これにより会場内のPOD機と連携して実演を行う予定。
 パッケージ印刷ではH-UV搭載菊全判6色機「リスロンGLX640 Carton」とIR搭載菊全判5色機「同G540」をインラインコーター付きで展示する。
 高効率のコーナーではA全判4色機「リスロンA37」と菊半裁寸延び判5色反転機「エンスロン29P」により,印刷品質と性能を追求した使いやすい印刷機を提案する。リスロンA37はA4判8面付けでカラーバーを入れることが可能になった。従来シリーズと比べ省スペース化し,菊全判タイプに比べ全長で1500mm小さく,エアキャビネットを含む設置面積を40%減らした。
 デジタルオンデマンド印刷のコーナーではコニカミノルタビジネステクノロジーズからOEMを受けたフルカラーデジタル印刷機「bizhub PRESS C8000」のほか,試作機として4色29インチ枚葉インクジェット印刷機,4色20インチ巻取インクジェット印刷機を技術展示する。

ゴス(Goss International)
 パッケージ,商業印刷,新聞の分野でホール17に出展する。パッケージ分野では,ギャップレスのコンセプトを踏襲するオフ輪「Sunday Vpak 3000」(1905mm幅まで)と「同500」(1041mm幅まで)を展示する。同機は折り箱,フレキシブルパッケージ,プレプリント,ラベル印刷にも可能。スリーブシリンダは長さを変えられ,その交換を実演する。
 商業印刷分野では,ギャップレス・ブランケットの96ページオフ輪「Sunday 5000」(2860mm幅)で自動版交換を実演。グラビア分野と同等の品質や生産性を謳い,またタブロイド紙や雑誌にも可能。16ページオフ輪「M-600」やワークフローシステムも紹介する。
 新聞分野では4-Highの「Colorliner CPS」は90,000部/時の性能で,4.5mの高さである。新型機「Magnum HPS」は70,000部/時の性能。ヒートセット,コールドセット,または両方のコンビネーションが可能で,雑誌と新聞の混合ができる。シングル幅ながらダブル幅の生産性がある。

コルブス(Kolbus)
 堅牢・高生産性の製本機器とサービス,利益をもたらすポストプレス・デジタル印刷ソリューションをホール16で紹介する。
 インクジェット印刷と製本を融合したデジタル製本機のコンセプト「Bookjet」は,増刷時に威力を発揮し,在庫コストがかからないようにする。準備時間はゼロ。Timsons社のデジタル印刷機「T-Fold」を使い,これは巻取紙を供給しデジタル印刷後,製本部分の給紙となって無線綴じ製本までを行う。インラインでそのまま本にする。1つの注文で500〜2000部を低コストで生産する。
 また「T-Press」は製本とモノクロ・インクジェットシステムの複合機。127cm幅を200m/分で印刷する。出力解像度は600×900dpiで133lpiに相当する。Timsons社の「T-Book」によりA4判両面4ページの無線綴じ製本が一挙にできる。
 連続給紙装置「SF 832」は,Timsons社のデジタル印刷機またはT-Foldとリンク可能。デジタルの信号が雑誌の丁合いなども可能にする。バーコードにより厚さを管理し,不良品は排除する。出展機は,無線綴じ機「KM200」に付けて4800冊/時の能力がある。KM 200は厚さが変わる次のジョブでも厚さ(2〜60mm)を読み取って自動調整する。最高速度は5000部/時。付属品によりハードカバーも可能。
 無線綴じ機「KM 600C」は,ペーパーバックや雑誌用で9000部/時の性能がある。「KM 600」は4200〜7000部/時の性能。「BF 530」はハードカバーラインで,世界最速という70部/分の性能。

ピツニーボウズ(PitneyBowes)
 「DFWorks White Paper Factory」ソフトウェアは,請求書の類と文書を同時処理でき,「InetlliJet 20」はカラーで出力する。「Mailstream Wrapper」は封筒を使わず,印刷された文書類をまとめ上げる。各個人あてに異なるデータを出力し送ることができる。「Rival Productivity Series」は従来より20〜30%負荷を低減した封入・封緘機。ホール4でこれらをはじめ,各種ソフトとメーリングシステムにより,異なる内容,異なるサイズの書類を個別発送できるソリューションを実演する。

富士フイルム(Fuji Film)
 ホール8bに,インクジェット印刷機,CTPソリューション,複数の印刷工程間での色管理・データ管理を容易にするワークフローシステムやカラーマネージメントソフトなどを中心に出展する。
 商業印刷分野では,インクジェットプレス「Jet Press 720」と,Xerox社(米国)の電子写真方式PODを実演。Jet Press 720は,「SAMBA」プリントヘッド技術と新開発の水性インク「VIVIDIA AQ」によって,1200×1200dpiでオフセット印刷の品質と従来のインクジェット機以上の印字サイズ・生産性を紹介する。
 CTP関連では,無処理CTPプレート「Brillia HD PRO-T3」(日本名:ECO & FREE SYSTEM XZ-R)と,低化学現像ソリューションや現像廃液削減装置も出展。廃液削減・再生水再使用装置「XR-1200F(日本名:XR-2000)」は,CTP工程における現像廃液および水使用量を削減するシステムとして発表する。また,低化学処理で枚葉・輪転用のロングラン商業印刷向けサーマルポジCTPプレートに高耐刷の「Brillia HD LH-PXE」(日本名:XL-T)をラインアップ。バーニングなしで50万部,バーニング処理で100万部以上の耐刷力がある。
 すべてのソリューションの中核となるワークフローシステム「XMF」は,デジタル印刷工程もオフセット印刷工程も活用できる効率性を謳う。主要な色管理機能を搭載したカラーモジュール「XMF ColorPath Organizer」により,各印刷工程にどの色管理設定を適用するかを管理することができ,また,このモジュールはシステム全体のマスター色コントローラとしても機能する。これを「ColorPath Sync」のクラウド型色ツールと併用することで,クラウドに接続することができ,クラウドサービスと現場での制作作業がよりスムーズに統合される。
 ワイドフォーマット分野では,フラットベッド&ロール方式インクジェットプリンタ「Inca Onset S40」と新製品「Acuity LED 1600」を紹介。LED硬化技術を使うAcuity LED 1600は,独自のヘッド,インクおよび「Intelligent Curing Control」技術の採用により,幅広い色再現とざらつきのない滑らかな階調表現,さらに20m2/時の出力速度を実現。
 パッケージ印刷分野では,シングルパス方式インクジェット印刷機としてさらに進化したSAMBAプリントヘッドと「VIVIDIA UV」インクを採用した,紙器印刷向けのB2判デジタルインクジェット印刷機を技術発表する。
 フレキソCTPの分野では,新開発プレート「FLENEX DLE」とマルチチャンネルセッターを出展する。FLENEX DLEは,B2判のDLE(直接描画)方式フレキソCTP版システムで,従来のLAM方式のシステムに比べ,UV露光や現像,乾燥などの工程が不要となるため,生産性が向上する。加えて,UVインク・水性インク双方に対応したDLEプレート「FLENEX WV-1」(日本発売未定)も展示する。従来のレーザアブレーションマスク方式に比べ,高い描画精度を保ちながら作業負荷を大幅に削減できるのが特長。さらにパッケージ用途向けに専用設計したオフセットプレートと,狭幅インク「UVivid」によるソリューションの優位性も紹介する。

スクリーン(DAINIPPON SCREEN GROUP)
 オフセット印刷とバリアブル印刷を統合した自動化ソリューションをホール9で提案する。フルカラーインクジェット印刷機「Truepress Jet520ZZ」は, 同Jet520シリーズの旗艦モデル。EQUIOS,JetInspectionと連携し,バリアブル印刷に欠かせない検査・再印刷ソリューションを実演する。フルカラーバリアブルプリンティングシステム「同Jet520」は,トランスプロモ,書籍,新聞などさまざまな用途で実績あるスタンダードモデル。今回はオンデマンドブック印刷ソリューションを実演する。
 書籍や新聞の分野では,EQUIOSの自動面付け機能をはじめ,「EQUIOSNETパートナーシッププログラム」に基づく多彩なベンダーとのJDFを使用したデータ連携によって,入稿から最終加工までの一貫したフローが構築可能。インターネットを利用した入稿環境においては,“Web to Delively”を行える。
 「Truepress JetSX」は,両面印刷機構を搭載した,B2判対応のフルカラーインクジェット枚葉印刷システム。1620枚/時の生産性。紙器・パッケージ向けに,多値ヘッドによる非接触印字技術と独自の用紙搬送技術を進化させ,最大で0.6mmまでの厚紙に直接印刷(片面のみ)できる機能を新たに搭載した(オプション)。コートボール紙やカード紙などに対応し,シリアルナンバーや管理用バーコードなどによるトレーサビリティ機能や,ギフト包装のパーソナライズ化など,パッケージの付加価値向上に役立つ。
 クラウドコンピューティングを駆使し,ウェブブラウザー上でバリアブルデータの制作を可能にする課金型の「バリアブルフロントエンドサービス」(仮称)を参考出品。
 サーマルプレートレコーダー「PlateRite HD 8900Z」は,シリーズ最速の67版/時(1030×800mm/2400dpi)。A4判8ページサイズの旗艦モデル。
 フレキソCTP「PlateRite FX1524」は,最高解像度4800dpiや,ハイライト部のレリーフ形成を安定化させるオリジナル網点「Stabydot」(オプション)により,さらなる高品質印刷を図れる。
 ワークフロー「EQUIOS」は,1 つの操作環境で複数の異なる機器をコントロールする。従来の大量生産型の印刷からパーソナライズ印刷へと変化する業界のニーズに応える。今回,印刷会社独自のあらゆるWebサービスへ組み込める印刷物の受注メニューを提供することで,受注から出力,後加工までのプロセスを自動化する,EQUIOSの全自動化ソリューション「Autoflow」を紹介する。

エプソン(EPSON)
 デザイン,プリプレス,看板,捺染,とくにラベルの分野でインクジェットプリンタやインクをホール5で紹介する。
 薄膜フィルムのピエゾ素子(TFP:Thin Film Piezo)を使った新しいシングルパス・ヘッド技術「SurePress X」(コードネーム)は,LEDで硬化するUVインクを使う。巻取紙供給で,小中部数に対応し,紙やフィルムなど基材を選ばない。新技術の,水性インクや染料インクも紹介する。
 サイネージ分野向け「SureColor SC-S30600」は,POS,ディスプレイ,看板,装飾に向く4色機。TFPを搭載し,新しい「ウルトラ・クロームGS2」インクを使う。13,995ユーロと競合機種の中ではコストを抑えた。
 写真分野では,「SureLab SL-D3000」は写真品質やカード向けのA3判対応6色機。新しい「ウルトラ・クロームD6」染料インクを使う。8月に発売予定。
 24〜64インチ幅の水性インクジェットプリンタ「Stylus Pro」は,プリプレス,色校正,ディスプレイ,見本用パッケージなどで実演する。
 看板分野では,新しい無臭,ニッケルのない「ウルトラクロームGS2」インクを「SureColor」プリンタで紹介する。このインクを改良し,美術品や印刷向けの「Surelab」用6色染料インクシステム「ウルトラクロームD6」を開発した。ラベル加工市場では,非コート紙やフィルムにUVインクでの印刷を実演する。

キヤノン,オセ(Canon,Oce)
 両社の共同開発した技術を盛り込んだ次の製品を,グループとしてホール8aに展示・実演する。
 カラー出力:Canon imagePRESS C7010VP,Canon imagePRESS C6010VPS,Canon imagePRESS C7010VPS,Canon imagePRESS C1+,Canon imageRUNNER ADVANCE C9000。
 モノクロ出力:Canon imagePRESS 1135,Canon imageRUNNER ADVANCE 8000 Series,Oce VarioPrint DP Line,Oce VarioPrint 6160 Ultra Line,Oce VarioPrint 6320 Ultra Line,Oce PlotWave 900。
 大判出力:Oce Arizona 360GT,Oce Arizona 550XT,Oce CS9160,Oce PlotWave 350,Oce ColorWave 650,Canon imagePROGRAF iPF8300,Canon imagePROGRAF iPF8300S,Canon imagePROGRAF iPF9100。
 連帳モデル:Oce ColorStream 3500,Oce ColorStream 3700。
 ワークフロー:Oce PRISMA and Canon Helix Production Workflow。
 カメラ・レンズ:Assorted models Digital SLR (DSLR)range and EF Lenses。

リコー(Ricoh)
 枚葉紙(カット紙)の扱い・処理で,ハイデルベルグとともにデジタルカラー印刷分野で,また,連帳分野でもInfoPrintのインクジェットシステムで市場の要求に応える。ホール8aに出展し,マーケティング,パッケージ,出版,トランザクション,企業の分野でソリューションを紹介する。
 製品としては,「The Ricoh Aficio MP CW2200SP」は,CAD用の4色大判プリンタ。「Liquid Gel」インクを使い,これはインク飛びを防いで早く乾燥し,きれいな精密な線を再現する。欧州で秋に販売する。オンラインサービス用の「ビジネス・ドライバー・プログラム」は,顧客にあったオプションがあり,新しい演算処理は,デジタルかオフセットのコストを比較することができる。

EFI(Electronics for Imaging)
 フロントエンドシステムFieryは,機能を強化し,たとえばA3判の可変PDFデータを1786ページ処理するなど28倍の性能となっている。すべてのMISと統合可能であり,またMISのCloudバージョンも発表,W2Pもサポートする。
 大判プリンタVUTEkシリーズ,ラベル用プリンタJetrionなどは,LED-UVによるインクジェット技術を披露するとともに,別途長尺用やセラミック用など新機能のものをホール5で発表する。

ドミノ(Domino Printing Sciences)
 インクジェット技術,機器をホール13で出展する。4色UVインクジェットプリンタ「N600i」を実演する。13インチ,600dpi,液滴6plのラベル用印刷機だが,アップグレードによりパッケージ用にもなる。生産性は,75m/分,1500m2/時。自動クリーニング装置,インク撹拌システム,微細なモーターによる精密制御などの機能を搭載している。
 「K600i」は,モノクロのピエゾヘッド・大判UVインクジェットソリューション。ラベル,厚手のタグ,セキュリティ製品,DM,2次元バーコード出力などに適する。600dpi,画像範囲は108〜557mm,50〜75m/分。2011年に欧米で販売を始め,7台導入済みで,あと7台の注文があるという。
 「L100i」はサーマルインクジェット・モノクロプリンタ。封筒,カタログ,雑誌などの宛名プリントや医薬品ラベルに適する。シングルヘッドのモジュール機構により,32ヘッドまで幅を広げることができる。

 

 以下,前述の記者発表会には参加していないものの,出展概要を発表した各社を紹介する。

 

桜井グラフィックシステムズ(Sakurai)
 ホール3に,水性二スコーター装置付き四六半裁判オフセット5色機「オリバー580SDC」,サーボ駆動シリンダのスクリーン印刷ライン「MS80SD+Natgraphコンビ乾燥機」とストップシリンダ型「MS102AII+Natgraph電子式UV乾燥機」を出展する。そのほか,ボールドウィン社製LED-UV,PE関連のサンプルや技術資料を紹介する。

ヘリオグラフホールディング(HELL Gravure Systems)
 グラビア製版関連機器をホール17で出展する。レーザダイレクト彫刻機「Cellaxy」は,レーザエンジンのパワーアップにより深度と速度を向上させ,深度20μm の多重彫刻により最大深度900μm の3D エンボス成型を行う。
 精密描画マシン「Digilas」はシェーパース社製。世界で170 台,日本でも多くの納入実績がある。サイズのバリエーションも豊富で,グラビア,セキュリティ,エレクトロニクス,アニロックスローラなど応用範囲も広い。「Laser Star」はデトワイラーグラフィックス社製。亜鉛シリンダダイレクト彫刻用に開発。おもに出版,商業印刷グラビア製版に適する。
 フレキソスリーブ製造用レーザダイレクト彫刻機「Premium Setter」はヘル社製。従来法(フォトポリマーUV 硬化+エッチング)では不可能だった自由な3D ドット成型が可能となり,ハイライトからシャドウに至る階調再現を最適化している。またハイライト最小点をトップアンダーカットすることにより摩耗を減少して最小網点の保持,耐刷性も向上している。今回フルオートの「S1600」(面長1600mm用)を出展。
 電子彫刻機では「ヘリオクリッショグラフK500G3」をはじめとして日本では見られない新興国向け簡易型ダイレクト彫刻機「K5, E1」も出展。オハイオグラビアテクノロジーズ社からは「Gravostar Spectrum」。その「Vision4」 ヘッドでは広範囲線数の階調(バイブレーション)彫刻とライン彫刻「Transcribe」技術が一つのヘッドに凝縮され,ライン,コントーン混在の彫刻データが自動解析され,データに応じて階調とラインとが同一シリンダ上に彫刻される。
 オハイオグラビアテクノロジーズ社からプリントエレクトロニクス用高精度印刷機「AccuPress」を出展する。ダイレクト彫刻機で製版されたエレクトロニクス用グラビアシリンダを装着してシート状の電子基板を多層印刷する枚葉グラビア印刷機である。
 彫刻機「K500G3」+銅メッキ自動ライン「Slimline」により,一連の流れも紹介する。

コダック(Kodak)
 商業,出版,パッケージの分野別にホール5に出展し,印刷会社による新たなアプリケーションの提供ならびに業務効率の向上を可能にする新開発のデジタルソリューション10点および提携先30社を発表する予定。「Kodak Prosper 6000XLプレス」は,300m/分でA4判月産1億6000万ページの生産量のインクジェット(IJ)4色機。商業印刷,DM,出版の各業界で生産性を見せる。IJの「Kodak Prosper S30インプリンティングシステム」は,スピード900m/分。おもにオフ輪を運用している印刷会社でも,多角的なデジタル印刷の展開により収益力の向上を図れる。実演は,下位機種のKodak Prosper S20でCMYK各出力を行う。「Kodak Stream」IJ技術を搭載した新製品「Timson T-Press」は,協力企業プログラムの一環として開発されたIJ印刷機。フルデジタルの書籍印刷で威力を発揮し,書籍印刷や出版社のビジネスモデルを充実させる。新たな用紙評価プログラムと「Image Optimizer Station」(オプション)は,従来よりも多様な用紙にIJ出力が行える。市販の用紙を処理してから使用することもできる。
 電子写真方式では,「Kodak NexPressデジタルプロダクションカラープレス」の第5イメージングユニットにより,ゴールド,パール,蛍光ピンクによる印刷が可能になった。さらにインラインUVコーティングやロングシートデリバリトレイなど,「NexPress SX」の新機能も紹介する。「同SX3900」は,たとえば盛り上げ印刷ならば83枚/分,MICR印刷ならば100 枚/分のスピード。また,Unibind社と共同で同社の「CaseMaker 650M」および「Resin SteelBinding」を活用したフォトブックの後加工も実演する。
 「Kodak Flexcelダイレクトシステム」は,フレキソスリーブの生産に,省エネ型高出力ダイレクトレーザ彫刻を使用。スリーブ生産に最適化されたイメージャーと消耗品を採用した同システムにより,パッケージ印刷向けの高品位なラウンドフレキソスリーブが従来よりも低コストで生産可能になる。
 ワークフローの新製品「Kodak Prinergy 6」ソフトウェアでは,iPad向け「Kodak InSite」プリプレスポータルソフトウェアやApp,そして「Kodak ColorFlow」ソフトウェア,「Kodak Preps」面付けソフトウェアの新バージョンなどを紹介する。新開発の「Kodakインテリジェントプリプレスマネージャー2.0」は,プリプレスシステムの生産性を向上し,品質と効率化を高める,印刷会社向けの予防サービス。

ゼロックス(Xerox Corporation,Fuji Xerox)
 書籍とマニュアル,デジタルとオフセット,パッケージング,フォトパブリッシング,トランザクションマーケティング,クイックプリントのスタンドでホール8b,富士フイルムの隣に出展する。
 「Xerox 700i Digital Color Press」は,日本市場向けもあるが,前工程(DFE)の多様さと厚紙の生産性が異なる。「Xerox 770 Digital Color Press」は,70枚/分で月間2万〜7.5万ページの出力に対応し,プリント,コピー,スキャン機能を提供する。カラーデジタルプリンタ「DocuColor 8080」は80枚/分で,月間10万〜30万ページの出力に対応する。「Xerox Color 1000Press」は,100枚/分で月間15万〜40万ページの出力に対応。日本でも同じ商品名で販売されているが,DFEの品揃えの違いや後処理機の品揃えが異なる。「Xerox iGen」は月間20万〜375万ページの出力に対応する。「With Hybrid Finishing Solution」は,インラインで接続された後処理をオフライン後処理機としても利用するソリューション。オフライン利用は,ドーリー(スタッカーカート)を利用して出力物を搬送する。「Nearline Packaging Solution」は,プリンタから出力された印刷物を,ドーリー(スタッカーカート)を利用して給紙し,ニスコーティングからダイカットまでをミスなく行うソリューション。
 「Xerox CiPress 500 Production Inkjet System」は,レターサイズ表裏2面,2180ipm(500フィート/分)の4色カラーインクジェット連続紙プリンタ。
 「Xerox D125 Copier/Printer」は,A4判125枚/分の中速モノクロプロダクションシステム。モノクロプリント・コピー,カラースキャンを提供する。「Nuvera 288」は,A4判288ページ/分(両面)のモノクロプロダクションプリンタ。

QuadTech
 次の機種をホール17に出展。パッケージ印刷では,オンラインカラー測定を行う「スペクトラルカム」はカメラにより網点を分析し,絵柄を分光測定する。品質検査装置「インスペクション」はフィルム印刷でマスター画像を更新しない検査を行う。
 新聞印刷では,カラーコントロール「アキュカム」はLEDライトと6チャンネルスペクトルセンサーを使用。カラーバーやグレーバーが不要で,版検,地汚れけんち,湿し水制御を行う。
 商業印刷では,カラーコントロールCCS「スペクトラルカム」は,ISO/PSO,G7,ジャパンカラーに対応して印刷の管理を行う。RGS自動見当装置は,コッキング,ファンナウト機能がある。

ミューラーマルティニ
 「制御システムの進化」「生産のフル自動化」「多彩なアフターサービスメニュー」をテーマに,無線綴じ機「パンテーラ」などを中心にホール14に出展する。

東京機械製作所
 ホール15で,新聞・商業印刷用IJ印刷機「ジェットリーダー」を公開運転する。

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週刊『印刷雑誌』臨時号 3巻12号
2012年3月22日発行
編集長:武川久野
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

 


 

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