週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻19号 2011年5月9日
Japan Printer weekly vol.2, no.19
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

バンダイ,文具グッズに3D採用
 バンダイは4月23日,文具的玩具「3Dデコデルカ」(3150円)を発売した。オリジナルの文具を作りたい女の子向けのグッズで,下敷きやハガキ,名刺カードにいろいろなシールを貼ってトレイに載せ,3D加工に必要なレンズシートをセットしトレイを引くと3Dカードを作ることができる。3D印刷技術がアレンジされている。

三省堂書店,品切れ本2点をオンデマンド印刷で復活
 三省堂書店は4月25日,品切れ再販未定の書籍『「非」常識の経営』(同文舘出版)と『「バカな」と「なるほど」』(東洋経済新報社)を同社エスプレッソ・ブック・マシーンを利用したサービス「三省堂オンデマンド」により再提供する。注文から約10分で印刷・製本して商品を入手できる同サービスは,4月現在洋書300万点以上,和書200点が注文可能となっている。

学研,iPhoneアプリと電子書籍の同時発売
 学研パブリッシングと学研ホールディングスは4月27日,『ますだ式ダジャレで覚える韓国語』をiPhoneアプリ版(800円)と電子書籍版(600円)で同時発売した。544語の単語カード形式で,音声読み上げ機能,自動再生機能などがある。

グラム,iOS向けストア型本棚アプリを配信
 スマートフォンアプリ開発や映像・音楽制作を手がけるグラムは4月25日,iPhoneやiPod touch,iPad向けのストア一体型の電子書籍リーダーアプリ「Cloud Book」の配信を始めた。本の購入から読書までアプリ内で完結でき,購入書籍は本棚で管理できる。同ストアのみで販売する電子書籍も揃えている。

グラフィック,通販でパッケージデザインを開始
 グラフィックが運営する印刷通販サイト「デザイングラフィック」は4月25日,パッケージデザインのサービスを追加した。利用者はパッケージ(箱型)の形状とサイズを入力するだけでよく,同社スタッフと詳細についての打ち合わせもできる。大部数のオフセット印刷と最小ロット3個からのオンデマンド印刷で対応する。

東京機械製作所,新聞用インクジェット印刷機発表
 東京機械製作所は4月26日,新聞用インクジェット輪転カラー印刷機「TKS JETLEADER 1500」を発表した。基本構成は給紙部,印刷部,紙面監視部,折り部,セクション集積部,チョッパー部となっており,1台で多ページの新聞印刷が可能。インクは,ドロップオンデマンド方式の水性顔料タイプ。印刷速度は最高毎分150m,印刷解像度は最高600×600dpi。紙厚は46〜81.4g/m2,紙幅は210〜546mmで,ブランケット判はじめタブロイド判など多様なサイズに対応する。日本サイズ(546×406.5mm)の新聞では,たとえば8ページが毎時5535部,40ページが毎時1107部となる。

クォード・テック日本支店,枚葉印刷機シミュレーターを発売
 クォード・テック日本支店は,シナップス社(フランス)製の枚葉印刷機シミュレーター「SHOTS」の日本での販売を始めた。パソコンの画面上でダブリ,スラー,ヒッキー,見当ズレなどの不良疑似画像を見て,その原因を考え,パソコン上で印圧や見当,色調,湿し水量,温度・湿度などを調整して見本刷り(良品)と同じになるように修正・調整するシミュレーター。知識・技能に合わせたプログラムがあり,また利用者が疑似不良画像を作成することも可能。同製品は技能五輪競技種目に採用され,世界で1000以上,中国で100以上が納入されている。

プロスパークリエイティブ,部分面測色方式印刷色品質管理システム発売
 プロスパークリエイティブは5月1日,部分面測色方式印刷色品質管理システム「ColorBrain」を発売した。印刷機の操作コンソールの横に設置し,印刷の刷り出し時に校了紙と印刷物のコントロールストリップの測色に加え,専用の分光光度計による絵柄の部分面の測色とカラーナビゲーションなどの機能により,印刷機の色調整作業をサポートする。人物の肌や自動車のボディなどの階調がある絵柄,地紋などの細かな柄やパターンを持つ絵柄など,どんな部分でも濃度値およびLab値を測定し,色差などの数値で色評価を行える。オープン価格。

ローランドDG,ロールとフラットベッド両対応のUV-IJプリンタ
 ローランドディー.ジー.は,ロールメディアとパネルボードの印刷に対応するUV-LEDインクジェットプリンタ「VersaUV LEJ-640」を5月16日に発売する。テーブルユニットを標準で装備するほか,クリア(透明)インクや白インクを加えた6色インクを搭載し,サイン&ディスプレイ用途に向く。最大幅1625mm,最大厚13mmのメディアへ出力できる。680万円。

コニカミノルタ,卓上型モノクロ複合機の新製品
 コニカミノルタビジネステクノロジーズは4月27日,卓上型モノクロ複合機「KONICA MINOLTA 1341f」を発売した。A4判縦で毎分13枚出力,解像度600×600dpiで小文字や細線も再現する。音声ガイダンスやタッチパネルなど操作性の向上も図った。59万8000円。

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン,出版業向けSaaS
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは4月27日,出版物の編集・制作に関わる編集者やデザイナー,カメラマンが遠隔拠点や自宅などから,クラウドサービス上で入稿,デザイン,ライティング,校正,編集業務を共同で行うことが可能になるサービス「オンライン編集クラウド」を発表した。沖縄県宜野座村にあるデータセンターを拠点に展開している「デジタルパラダイス」のサービスの1つ。導入初期費用150万円,そのほか利用システム機材一式,教育などで月額12万2000円。

廣済堂,電子出版クラウドサービス無料キャンペーン
 廣済堂は,日本IBMと開発を進めていた出版社向け電子出版事業を支援するクラウドサービス「DPサポート」の提供開始にあたり,初期費用無料キャンペーンを9月末まで行っている。通常価格は30万円。

山櫻,別製カーボン・オフセットサービスを開始
 山櫻は4月25日,名刺や封筒などの紙製品に加え,PP製品やうちわなどさまざまな製品にCO2排出権を付けられる別製カーボン・オフセットの提供を始めた。同社が所有するCO2排出権を利用するもので,2500円(500kg分の排出権)から設定できる。

DNPメディアクリエイト,購買へのマーケティングプログラム開発
 DNPメディアクリエイトは,売り場を生活者視点で「買い場」と捉えたマーケティング調査および課題解決の提案を行っている。このたび同社の「買い場研究所」は,店頭における購入者の意識や行動を分析し,商品購買に導くための流通・メーカー向けマーケティングプログラム「Insight Doctor」を開発した。参考価格はプログラムメニューの基本設計,POSデータ分析,店内回遊動線の追跡調査,改善レポートの組合せの場合で460万円。流通事業者やメーカーに対して販売し,2013年度までに3億円の売上を目指す。

惠友印刷,無処理のCTPと自動面付けソフト導入
 出版印刷を得意とする惠友印刷はこのたび,アグフアグラフィックス社製の現像レスプレート対応四六全判サーマルプレートセッター「:Avalon N8」とワークフローRIP「:Apogee Prepress 7」を導入した。AMスクリーニングとFMスクリーニングの長所を融合させたXMスクリーニング「スブリマ」も同社にとって魅力だった。RIPでは,これまでの概念を変えたと言われる自動面付けのシステムを活用する。

愛媛新聞社,タワー型オフ輪2セットを発注
 愛媛新聞社は,東京機械製作所製のタワー型オフセット輪転機「カラートップ7100CD」の新台2セットを発注し,4月14日に契約調印式を終えた。同社が愛媛県伊予市に新設予定の印刷センターに納入され,2013年4月から稼動する見込み。導入機は,両面4色刷タワーユニット3台・両面1色刷タワーユニット2台・折畳ユニット1台・給紙ユニット5台で1セットが構成され,最高印刷速度は毎時18万部,1セットで最大40ページ24個面カラー印刷を行う。また同機には,輪転機の挙動に合わせてカットオフを制御し,刷り出し,増減速,ペースター後の断ち切り合わせを自動で行うカットオフ制御システム「T-CUTTER」が装備される。

印刷業の業態変革の指針を聞く
 東京都印刷工業組合と東京地区印刷協議会は4月25日,東京・新富の日本印刷会館で会合を開いた。全日本印刷工業組合連合会の島村博之,萩原誠,花崎博己,伊藤裕道の各氏が印刷産業の動向と業態変革の必要性を解説し,ワンストップサービスや環境対応,メディア・ユニバーサルデザインの推進など同連合会の支援を紹介した。また,同連合会の5つの委員会や全国青年印刷人協議会から事業報告があった。

地球温暖化防止実行委員会,グラビア印刷の環境対応セミナー
 地球温暖化防止実行委員会は4月26日,東京・浅草のすみだリバーサイドホールでセミナーを開いた。環境省や埼玉県のVOC排出抑制対策の動向やCO2排出量削減および資源節約などの環境負荷低減について紹介があった。そのほか,工場空調の省エネ,VOCをエネルギーとして再利用するシステム,エージングルーム(恒温室)の省エネ,環境にやさしいフレキソ製版システム,海外のカーボンフットプリントの動向,レジンとフィルムの動向についての講演もあった。

学生グラフィックコンペ,受賞作品が発表
 印刷教育研究会が主催する「学生グラフィックコンペ」(谷欣伍審査委員長)の受賞作品がこのほど発表された。“日本印刷産業連合会賞(最優秀賞)”を中村千穂さん(東京都立工芸高校)が受賞したほか,優秀賞3人,佳作3人,特別賞1人,奨励賞2人が選出された。

ユポ・コーポレーション,新社長に四宮氏
 ユポ・コーポレーションは6月30日付の役員人事を発表した。新任は次の通り。代表取締役社長:四宮利勝,同副社長:清水裕,取締役執行役員:大野昭彦,同常務執行役員:大島弘,執行役員:朝倉孝明,顧問:野村純男,重谷恒久。

DKSHジャパン,新社長にケメラー氏
 RIPサーバーや濃度計,封入封緘ライン,コーターなど海外製の印刷加工機器販売を行うDKSHジャパン(旧:日本シイベルヘグナー)は5月2日,新社長にペーター・ケメラー氏が就任した。前社長のヨルグ・ヴォレ氏(現DKSHグループCEO)は代表取締役会長となる。

印刷機材団体協議会,9月16日〜21日に予定通りIGAS開催
 印刷機材団体協議会は4月26日,国際総合印刷機材展「IGAS2011」(9月16〜21日)を予定通り行うと発表した。会場となる東京ビッグサイトの展示ホールや会議室,トラックヤードや搬出入ゲート,ゆりかもめ・りんかい線・都営バスなどの交通手段,電力需給対策に問題ないと確認した。また復興支援特別企画により被災地支援にもなると判断した。

凸版印刷,鈴木和夫元社長のお別れの会を6月1日に
 凸版印刷と東京書籍は,震災の影響で延期していた両社の元代表取締役会長・鈴木和夫氏のお別れの会を6月1日,正午から東京・内幸町の帝国ホテルで開く。

プリントミックス,6月27日より3ヵ月の職業訓練を実施
 プリントミックスはこのたび,厚生労働省の緊急人材育成支援事業「基金訓練」の認定事業者資格を取得した。これにより雇用保険を受給できない離職者向けに,「DTP ・印刷メディアコーディネータ養成科」を6月27日〜9月21日に開講し,印刷・デザイン・出版・広報宣伝の分野における人材育成の職業訓練を行う。受講は無料で,テキスト代7000円と職場見学の4000円,資格試験の受講料などは自己負担。募集は5月10日〜30日。
http://www.printmix.org/modules/pico/index.php?content_id=64

本日から山櫻が製品展示会
 山櫻は5月9日・10日に,東京・新富の同社で製品展示会「プリンティングフェア2011Spring」を開く。名刺・はがきプリンタの新製品「CARD MATE Digica Rev.5」や業務用のA4判カラーインクジェットプリンタ「CARD MATE YJ-G650」のほか,カーボン・オフセット紙製品などを提案する。入場無料。
http://www.yamazakura.co.jp/news/2011/042617312.html

5月13日,日本印刷技術協会が企画担当者向けセミナー
 日本印刷技術協会は5月13日に,東京都杉並区の同協会で企画担当者向けセミナーを催す。「少年サンデー×少年マガジン50周年プロジェクト」や「本屋大賞」などの企画を立ち上げた博報堂ケトルの嶋浩一郎氏が講演する。参加費は,一般・会員3000円,「JAGATクロスメディア研究会」会員は無料。
http://www.jagat.jp/content/view/2717/105

5月17日と6月21日,エコ印刷セミナーおよび印刷プランナー認定研修
 エコ印刷研究会は5月17日と6月21日に,東京・秋葉原のコムデザインで「差がつく!エコ印刷セミナー」を開く。企業グループの環境・CSR担当部署や印刷物の発注担当者,企画・制作会社,広告代理店,デザイナー,中小印刷企業の営業,環境管理責任者など向けに環境配慮型の印刷物について,有用性や戦略性,企画・提案の要点,環境表示,資材・工程・情報の管理,環境マネジメントなどを解説する。また修了演習と試験があり,「エコ印刷プランナー」認定が行われる。受講料15,000円。
http://www.csd-e.com/index.php?go=oZaA8v

5月18日〜6月13日,松屋銀座で日本パッケージデザイン大賞展
 日本デザインコミッティーと日本パッケージデザイン協会は5月18日〜6月13日,東京の松屋銀座で「JPDA創立50周年記念・日本パッケージデザイン大賞2011展」を催す。全国から応募された976点の内から入賞作品43点と審査員推薦の10点が展示される。入場無料。問合せは,電話03-3561-2572。

5月20日,日本画像学会が京都でトナーのシンポジウム
 日本画像学会は5月20日,京都市下京区のメルパルク京都でシンポジウム「明日のトナーを探る:ケミカルトナーの進化」を開く。日本ゼオン,富士ゼロックス,リコー,コニカミノルタビジネステクノロジーズ,キヤノンの各担当者による講演と,各講演者による討論会も行う。参加費は,会員8000円,非会員15,000円,学生2000円,懇親会1000円。
http://www.isj-imaging.org/event/symposium/symp_2011/2011_symp_osaka.html

5月21日〜7月31日,日本新聞博物館で共同通信・ドイツ通信合同写真展
 横浜市にある日本新聞博物館は5月21日〜7月31日,「歴史と未来を紡いで:共同通信社・ドイツ通信社(dpa)合同写真展」を催す。常設展含む入場料は,一般・大学生500円,高校生300円,中学生以下無料。
http://newspark.jp/newspark/

5月24日に日本印刷学会が微細加工のシンポジウム
 日本印刷学会は5月24日,東京・日本橋のDICビルで「プリンタブルエレクトロニクス:現状と将来展望」のテーマでシンポジウムを催す。参加費は会員10,000円,教職員・シニア会員8000円,学生3000円,非会員13,000円。
http://www.jspst.org/event/110524.html

5月24日,エコ印刷大賞表彰式とセミナー
 エコ印刷研究会は5月24日,東京・御茶ノ水のOAK PLAZA(オークプラザ)で「エコ印刷大賞<環境報告書・CSRレポート2010>表彰式・セミナー」を開く。セミナーは王子製紙の高橋元氏が,東北・東日本大震災後の紙の状況について話す。参加無料,要予約。
http://eco-ken.com/eco/seminar/20116/5244csr2010.html

5月25日〜27日,大阪で表面改質展
 5月25日〜27日,インテックス大阪で「表面改質展2011」が開催される。主催は日刊工業新聞社。
http://www.nikkan.co.jp/eve/ssds/

◇告知◇
5月12日〜14日にインテックス大阪で「JP情報・印刷産業展」が行われます。12日には京都・中西印刷の中西秀彦専務がカンファレンスに登場いたします。これに合わせ中西氏の著書『我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す』を含めた弊社書籍を,日本印刷技術協会(JAGAT)様の書籍販売ブースにて販売いたします。ご興味のある方はこの機会にぜひお手にとってご覧ください。

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週刊『印刷雑誌』2巻19号
2011年5月9日発行
編集長:高尾悠太
発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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