週刊『印刷雑誌』

週刊『印刷雑誌』2巻7号 2011年2月21日
Japan Printer weekly vol.2, no.7
毎週月曜日10時発行(発行日が祝祭日のときは翌日発行)

週刊『印刷雑誌』は,印刷会社に限らず,印刷物を購入する人,印刷に興味がある人を対象にした無料のWebメディアです。
紙メディアである技術専門誌の月刊『印刷雑誌』と連携し,印刷に関係した情報を中心に毎週月曜日発行します。

共同印刷,マンガ・小説でなく「学び」の電子書店
 共同印刷は2月15日,新しい学びのカタチを提供する目的の電子書店(Webサイト)「自己ガク」の開設を発表した。4月に正式オープンの予定で,2月末から順次配信を始める。
 「自己ガク」は,自己啓発や資格取得など“学び”をテーマにした電子書店で,医療・看護,ビジネス,法律,趣味・教養,資格検定の5つの専門カテゴリーがある。また電子書籍販売を核に,講演会やセミナーの紹介から運営まで幅広いサービスを一挙に提供することを目指す。

BookLive,クラウド型の電子書籍書店を開設
 ビットウェイの子会社のBookLiveは2月17日,クラウド型の電子書籍販売Webサイト「BookLive!」を開設した。コミックや小説,実用書などを中心に国内主要出版社のコンテンツを販売する。購入した電子書籍は,共通IDで管理する「My本棚」機能により,購入機器だけでなく利用者が所有するスマートフォンやタブレット端末,PCなど最大3機器で読める。この機能は同社が独自に開発した,各主要電子書籍フォーマットに対応するマルチビューア・アプリケーションから利用でき,同サイト開設時はアンドロイドおよびWindowsOS搭載端末に対応。同アプリケーションは同サイトと「アンドロイドマーケット」からダウンロードできる。
 2月28日までキャンペーンを行っており,同サイトで講談社のコミックや書籍を購入すると書籍購入に使えるポイントを1冊につき50ポイント還元する。また3月17日まで,人気・有名作品の1巻目を無料で提供している。期間中,該当作品は毎週切り替わる。

買う市,3月8日まで電子書籍発売キャンペーン
 買う市は,同社のオンライン書店「livedoor BOOKS」において,電子書籍コンテンツの販売開始を記念した「電子書籍お試しキャンペーン」を3月8日まで行っている。電子書籍の体感と普及を目指し,10円で販売するコンテンツや無料コンテンツなどを公開している。

大和印刷,紙書籍の電子書籍化サービスを開始
 大和印刷は2月18日,著者や出版社向けに1冊1万円で電子書籍アプリを発行できるサービス「BOOKSCANプロフェッショナル」を始めた。紙媒体をスキャンし,PDF画像データのアプリを生成して,AppStoreへの申請まで行う。データのない絶版本などを低コストで電子化しAppStore上で販売できるのが特長。制作に特化したサービスで,販売後のダウンロード課金や手数料は発生しない。

フジ印刷,AR技術の情報サイトを開設
 フジ印刷は2月16日,同社が運営するデザインブランド「WarpStyle」に新たにAR(拡張現実)の情報サイト「AR&Life」を開設した。近年,新たな映像技術として注目を集める同技術について,基本的説明から使い方,無料体験,サンプル動画などを掲載して普及を図るほか,制作・企画要望にも対応する。新規開設にともない,ARコンテンツの公開に必要なデータ一式を制作から納品まで一貫して提供する「ARまるごとパック」(30万円から)の販売も始めた。

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン,電子出版システムを更新
 ビジュアル・プロセッシング・ジャパンは2月16日,同社が販売する「WoodWing Enterprise デジタルマガジン制作ツール」の新バージョン「V1.7」を発表した。Apple iPadに加え,新たにAndroid OSを搭載したタブレット端末へ向けたコンテンツの作成とアプリ配信に対応した。また,Adobe InDesignのレイアウト上に,iPadやGALAXY TABなど機器の画面比率や解像度に応じた作業エリアを表示する機能を追加し,1つの紙面上で切り替えながら制作できる。編集後は各端末の解像度が指定されたXMLファイルを書き出す。発売は3月中旬以降を予定している。

アンテナハウス,PDFデータ編集ソフトの新製品
 アンテナハウスは2月17日,同社従来製品をバージョンアップした新製品を発売した。「瞬簡PDF4」は,WordやExcel,PowerPointで作成した複数の文書をPDFデータへ一括変換する。さらに作成したPDFの結合や分割,ヘッダーとフッターや透かしの挿入,セキュリティ機能の設定なども編集できる。ダウンロード版2310円,パッケージ版3360円。
 「瞬簡/リッチテキストPDF6.1」は,PDFをOfficeファイルへデータ変換するソフトと「瞬簡PDF4」を組み合わせた。紙の文書を走査してPDF化したデータにも対応するほか,画像ファイルもOCR処理で文字データに変換する。従来製品より段組みなどレイアウトの再現性を向上した。ダウンロード版9870円,パッケージ版1万2600円。
 「書けまっせ!!PDF4」はバージョン4.7に更新した。既存のPDFに文字や図形,画像を追記できるソフトで,リンクボタンやノート注釈の表示,PDF本文のテキスト検索などの機能を改良した。ダウンロード版5250円〜,パッケージ版7980円〜。

大日本印刷,3次元CGホログラムの輝度を2倍に
 大日本印刷は,3次元CGで作製したホログラム「バーチャグラム」の輝度を従来製品の約2倍に向上し,ブランド保護や金券用途,パスポート運転免許証など向けに2月16日より販売を始めた。最新のCG技術や高精細電子線描画技術を使い,ホログラムの原版の凹凸形状に工夫を加えて光の反射率を改良した。シール,転写箔,パッチ(カードや冊子などの上に保護フィルムとホログラム記録層を同時に熱転写する方式)形態で提供する。価格は,17×17mmサイズのシールを100万枚製作した場合で1枚あたり2.4円〜。

凸版印刷,3月5日より熊本城のVR作品を公開
 凸版印刷は,江戸時代中期の熊本城の姿をバーチャルリアリティ映像で再現した作品「不落の名城を読み解く」を作制した。3月5日より熊本城内の観光交流施設「桜の馬場 城彩苑」で上映する。案内係員や来場者がコントローラーを操作すると,天守や御殿,櫓,門などの建造物や,本丸御殿の障壁画などをさまざまな視点から鑑賞できる。

キヤノン,業務用写真向けインクジェットプリンタ発表
 キヤノンは2月15日,新規事業として業務用インクジェットプリンタ「DreamLabo 5000」を発表した。店頭やWebサイトから受注し銀塩写真のプリントやアルバムなどの付加価値を付けた写真商材の制作などを行う“リテイルフォト業界”と印刷業界向け。新開発の長尺ヘッドにより,ヘッドを固定したまま1回の用紙搬送で印刷する(ワンパス印刷,3インチ/秒)。用紙はロール紙供給(最大305mm幅)で,A4判の写真アルバム1冊20ページ分を72秒で印刷できる。自動両面印刷も可能。インクは,CMYK+ライトシアン,ライトマゼンタ,ライトグレイの7色染料インク。本体5000万円。

コダック,ビジネス支援サービスを開始
 コダックは,同社のワークフローシステム「Kodak InSite」を導入するユーザー企業向けに,ユーザー企業の顧客に対し最適なWeb to Printソリューションを個別に提案する営業支援サービス「Kodak MarketMover」を2月から始めた。ユーザー企業のマーケティングやワークフロー,印刷品質の改善や業態変革などについて専門チームを設定して支援する。

コニカミノルタ,A4判カラー複合機の新製品
 コニカミノルタビジネステクノロジーズは,デジタル複合機「bizhub」シリーズとしては初となるA4判カラー複合機「bizhub C35」を2月下旬に発売する。A3判機に搭載したネットワークスキャンやFAX機能,認証管理などを継承するほか,新開発のオゾンレス帯電ローラーを採用している。カラー・モノクロともに毎分30枚を出力する。45万8000円。

日本印刷技術協会,クロスメディア活用の情報サイト開設
 日本印刷技術協会は2月,クロスメディアを活用し,顧客への販売促進支援のための技術や商品(サービス)を紹介する情報ポータルサイト「クロメディドットコム」を開設した。ニュースやイベント情報のほか,メディア活用事例の紹介,ソリューション提供企業情報などが閲覧できる。同サイトの会員は自社の企業情報や製品・サービス宣伝も可能。

Convertech JAPAN開催
 9展示会によるナノテクノロジーの複合展が2月16日〜18日,東京ビッグサイトで開かれた。Convertech JAPAN展では67社が出展し,シンクラボラトリーは,グラビア製版技術を応用して精密機器の部品製造やドットコードを,金陽社はブランケットやローラをはじめとした資材を,ミマキエンジニアリングはUVインクジェットプリンタなどを紹介した。印刷技術を応用した微細加工を紹介するPrintable Electronics展では印刷試験機で定評ある松尾産業をはじめ24社が出展した。

桜井グラフィックシステムズ,内覧会で微細加工実演
 桜井グラフィックシステムズは2月17日・18日,東京・福住の同社で内覧会を開いた。四六半裁判4色機をはじめ,オフセット印刷機上でスジ目,抜き,ミシン目の後加工を行うユニット式装置などを展示した。さらに四六半裁判ストップシリンダ式スクリーン印刷機によるフィルムへの微細加工も実演した。
 またセミナーも催し,「太陽電池事業とスクリーン印刷」についてムラカミの増利賢治氏が,「印刷と後加工の一元化」について美創印刷の村上一宏社長が講演した。

ハイデル・フォーラム21,製本加工発注の問題と解決策を聞く
 ハイデル・フォーラム21は2月16日,東京・東品川のハイデルベルグ・ジャパンで「ポストプレス研究会」を開いた。「製本加工発注のトラブルシューティング:折り,抜き加工,中綴じ,無線綴じ」をテーマに田中紙工の田中真文,東京都製本工業組合の井上正,多田紙工の多田信,篠原紙工の篠原慶丞,高田紙器製作所の高田照和の各氏が,自社の事例を紹介した。発注書および指示書の書き方や,製本加工予備の数,商品の包装方法などで多い問題点を挙げ,印刷会社と製本加工会社が作業を相互に理解できるよう,必要な情報を明確に伝え合うことが重要と話した。

富士ゼロックス,全日本DM大賞で金賞受賞
 富士ゼロックスとスカパーJSATは2月14日,郵便事業が主催する「第25回全日本DM大賞」において金賞を受賞したと発表した。受賞したDMは「スカパー!」の契約顧客に対し送付したキャンペーンDMで,顧客の属性やチャンネル視聴傾向に合わせた個別DMを制作し,配信した。その結果,20万件の送付で29.3%の反応が得られた。
 また富士ゼロックスとJTBトラベランドが制作したDMも同じく金賞を受賞した。JTBトラベランドの初回利用者に対し,リピート促進のためのパーソナルDMを制作,配信したもの。JTBトラベランドとの金賞受賞は昨年に続き2年連続となる。

日本印刷学会,一般社団法人へ
 日本印刷学会は2月18日,東京・新富の日本印刷会館で総会を開き,現在の社団法人から「一般社団法人」になることが承認された。また,功労賞や技術賞,研究補助金研究などの発表があった。〈月刊『印刷雑誌』5月号(4月20日発行)参照〉

全国印刷工業健康保険組合,財政健全化に向けた取り組みへ
 全国印刷工業健康保険組合は2月17日,東京・新川の全印健保会館で総会を開いた。昨年度は組合員の減少や国の高齢者医療制度への支出負担の増加により約40億円の赤字が見込まれることを踏まえ,本年度は保険料率を1000分の95へ引き上げるほか,イベントや保養所施設,給付金などの事業の見直し,健診における個人負担額の改定などを提案し,組合員に理解と協力を求めた。

2月23日,ジーエーシティがクラウドの講演会
 ジーエーシティは2月23日,東京・新富の日本印刷会館で「新たなIT環境:クラウドコンピューティングを理解する」をテーマに講演会を催す。ニフティ,パイプドビッツ,セールスフォース・ドットコムを講師に,インターネットと印刷業の今後を学ぶ。参加無料。申込締切は本日21日。
http://www.ga-city.com/page.jsp?id=1433

2月25日に,日本印刷学会西部支部がデジタル印刷とオフセット印刷のセミナー
 日本印刷学会西部支部は2月25日,大阪・大国町のモリサワで「時代が求める印刷技術講習会その2:ディジタルプレスとオフセット印刷の将来を探る」を開く。鈴木美術印刷,東洋紙業高速印刷,西川コミュニケーションズの専門家が講演予定。参加費は,会員4000円,非会員7000円。
http://www.jspst.org/seibu.jspst.org/index.html

2月26日に,日本印刷学会中部支部が印刷機からの品質管理セミナー
 日本印刷学会中部支部は2011年2月26日,名古屋・東区の東桜会館で「冬季印刷情報セミナー:原点の印刷機上から品質向上」を行う。湿し水の基礎知識と品質管理についてDICグラフィックスが,ブランケット&ゴムローラーの基礎知識と品質管理について金陽社が話す。また,自社印刷現場での問題点と解決策の質疑応答タイムとして,高木茂男氏を司会に両者が答える。参加費は,会員7000円,非会員9000円。
http://www.jspst.org/event/110226.html

2月28日からガーディアン・ガーデンでリニューアルした「ひとつぼ展」
 2月28日〜3月24日,東京・銀座のガーディアン・ガーデンで第4回グラフィック「1_WALL」展が催される。従来の「ひとつぼ展」をリニューアルした展示会で,ポートフォリオ審査とポートフォリオレビュー審査を通った6氏による発表。
http://rcc.recruit.co.jp/gg/1wall/1wall.html

3月1日からCCGAでタイラーグラフィックス・アーカイブVol.23
 CCGA現代グラフィックアートセンターは3月1日〜6月5日,福島県須賀川市の同所で「幾何学的抽象の世界:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.23」を催す。休館日は月曜日(3月21日は開館),3月22日,5月6日。入館料は一般300円,学生200円,小学生以下と65歳以上無料,など。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/news/detail.cgi?type=2&seq=0000089

3月1日〜3日,大阪でカタログ・ポスター展
 日本印刷産業連合会は3月1日〜3日,大阪・南船場の平和紙業(電話06-6262-0902)で「第52回全国カタログ・ポスター展 2010」を開く。

3月8日,プリントミックスがデジタルサイネージ講演会
 プリントミックスは3月8日,東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで「知らないと損をする!デジタルサイネージの本質と実践的販売方法」をテーマに講演会を催す。参加費は一般3000円,会員無料。
http://www.printmix.org/modules/pico/index.php?content_id=60

3月11日,名古屋市工業研究所がProof出力に関する講演会
 名古屋市工業研究所は3月11日,同所で「印刷できるProof出力に関する講演会」を催す。GMGジャパンの早川幸彦氏と印刷コンサルタントの安田美明氏が講演予定。無料,要申込。
http://www.nmiri.city.nagoya.jp/

3月31日締切,日本自費出版文化賞
 日本グラフィックサービス工業会は3月31日まで第14回「日本自費出版文化賞」の作品を募集している。発表は9月上旬予定。
http://www.jsjapan.net/jssyo.htm

日本画像学会,2011年6月6日〜8日に研究発表会
 日本画像学会は2011年6月6日〜8日,東京・大井町のきゅりあん(品川区立総合区民会館)で第107回年次大会を催す。講演申込締切は2011年3月4日。
http://www.isj-imaging.org/isj.html

TDC展,4月1日〜25日に東京,5月20日〜7月2日に大阪で
 東京タイプディレクターズクラブが主催するタイポグラフィ作品のコンペティション「東京TDC賞」の受賞作品や,ノミネート作品,優秀作品などを展示する「TDC展」が4月1日〜25日に東京のギンザ・グラフィック・ギャラリーで,5月20日〜7月2日に大阪のdddギャラリーで開かれる。入場無料。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/schedule/list.html
http://www.dnp.co.jp/gallery/ddd/schedule/list.html
 また,同賞の受賞者やゲストが対話するデザインフォーラム「TDC DAY」も4月3日に東京・杉並の女子美術大学で開催される。参加は要予約。
http://tdctokyo.org/jpn/?awardlist=2011

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 3月2日18:00〜,これからの出版マーケティングの進め方(中町英樹:日経BPマーケティング取締役),10000円。
 3月9日18:00〜,中小出版社の営業のための身近なIT活用基礎(高島利行:語研取締役),7000円。
 3月18日17:30〜,出版会計の基礎(大坪嘉春:税務経理協会社長),10000円。
http://skc.index.ne.jp/seminar/seminar.html

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週刊『印刷雑誌』2巻7号
2011年2月21日発行
編集長兼発行人:中村幹
発行所:株式会社印刷学会出版部

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